2010年4月3日
韓国推理作家協会が刊行している推理小説専門誌『季刊ミステリ』(계간 미스터리)で実施されている「季刊ミステリ新人賞」の受賞者リスト。
情報源・人名のカタカナ表記法など、注意点はページ下。
2007年~2009年 受賞作品リスト
■15号(2007年春号)
「酒に酔ったオートバイ」イ・デファン(1980年生)
(「술 취한 오토바이」이대환)
■16号(2007年夏号)
■17号(2007年秋号)
「彼と私のジグダンス」シン・ジェヒョン(1982年生)
(「그와 나의 지그춤」신재형)
「安楽死」クヮク・ジヨン
(「안락사」곽지연)
■18号(2007年冬号)
「催眠」ソル・イニョ(1975年生)
(「최면」설인효)
※『ミステリマガジン』2009年1月号に短編「そして誰もいなくなった」が掲載された際の名前の表記は「ソル・インヒョ」。名前の表記法についてはページ下参照。
■19号(2008年春号)応募総数12編
「東城路」キム・ジュドン(1976年生)
(「동성로」김주동)
※東城路(トンソンノ)は、韓国テグにある通りの名前。選評によれば、テグを舞台にした正統派ハードボイルドで、謎解き要素はないそうだ。この回で最終候補になっていたのが、ソン・ソニョン「誰が私のラーメンを食べたんだ?」。こちらは選評で、「90年代に日本で生まれた日常の謎ミステリに通じる」作品だと言われており、消えたラーメンを探す1人称話し手の推理過程を見せる作品だという(のちに2008年版『今年の推理小説』に掲載された)。
選評:
http://editor.ijakga.com/post/view.asp?pno=87
■20号(2008年夏号)応募総数15編
「Swallow's Nest castle殺人事件」ソン・ソニョン(1974年生)
(「제비둥지 성의 살인사건」손선영)
※「Swallow's Nest castle」(ツバメの巣城)はウクライナに実在する城。検索して写真を見てみると、まさに推理小説の舞台にふさわしい場所に思える。この作品は選評によると、「ミスディレクションの妙味を非常によくいかした作品だ」とのこと。
選評:
http://editor.ijakga.com/post/view.asp?pno=570
■23号(2009年春号)
「首のないインディアン」キム・ジェソン
(「목 없는 인디언」김재성)
「戊寅年カトリック邪教記録」チェ・ジス
(「무인년 천주교 사교 기록」최지수)
■24号(2009年夏号)
- 刊行が遅れて2009年秋号と同時刊行になったため、新人賞作品なし
■25号(2009年秋号)
「101」イム・テフン
(「101」임태훈)
■26号(2009年冬号)
「死者のための祈祷」ジョンヒョク
(「죽는 자를 위한 기도」정혁)
2007年以前の受賞者
■2003年夏号(2003年7月)
第2回季刊ミステリ新人賞受賞作
「鏡の中にもう一つの鏡がある」キム・ヨン
(「거울 속에 또 다른 거울이 있다」김연)
※ソン・ソニョン氏のブログによれば、季刊ミステリ新人賞は2007年から定期的に行われるようになったようで、それ以前のことは良く分からなかった。
情報源
すでに雑誌が品切れで入手不能のものも多く、タイトル・受賞者情報のほとんどは、韓国ネット書店での『季刊ミステリ』各号の内容紹介に頼っています。
ただし、ネット書店での内容紹介自体が完全なものではないので、このリストも完全なものではありません。
人名のカタカナ表記の際の方針
韓国の人の名前を日本語で書く場合、発音通りにカタカナで書く方法と、文字で区切ってカタカナで書く方法があります。
例:スケート選手の「金妍兒」
発音通り:キム・ヨナ
文字で区切って表記:それぞれの漢字の読みは「金(キム)・妍(ヨン)・兒(ア)」なので「キム・ヨンア」
例:梁石日
発音通り:ヤン・ソギル
文字で区切って表記:ヤン・ソクイル
このページでは、発音通りの表記法を採用しています。
最終更新:2010年10月30日 03:44