中国ミステリ 読書案内

2010年10月30日ページ作成、随時更新
  • 2011年11月26日 整理、ページ名変更

目次

 「ミステリ」はかなり広義に取っている。

長編




  • 張平(ジャンピン)『凶犯』 (荒岡啓子訳、新風舎文庫、2004年8月)(原著刊行1992年)
    • 現実の事件に題材をとった小説。


  • 張平(ジャンピン)『十面埋伏(じゅうめんまいふく)』(上下巻)(荒岡啓子訳、新風舎、2005年11月)(原著刊行1999年)
    • ロシア文学者の米原万里が雑誌で書評を書いたこともあり話題になった(書評は現在は米原万里『打ちのめされるようなすごい本』に収録されている)。





短編

  • 『新青年』掲載の忘れられた四短編
    • 呂侠(ろきょう) 「絶命血書」 (チュエ ミン シェー シュ)、 「白玉環」 (はくぎょくくゎん)
    • 張慶霖(ちょう けいりん) 「無名飛盗」 (ウー ミン フェイ タオ)→当サイトで公開中
    • 幸福斎(こうふくさい) 「賭場母女」 (トゥ チャン ムー ヌー)

  • 『探偵実話』
    • 柯藍(コーラン) 「鴉の告発」 (1952年第2号)

  • 『サンデー毎日』
    • 艾国文(がい こくぶん)、黄偉英(こう いえい) 「人民公社殺人事件」 (1981年6月14日号~7月19日号、全6回)

  • 「謀殺」 畀愚(ビイユ、1970年生、男性) 光文社『ジャーロ』7号(2002年春号)掲載 訳:新吉楽図(シンジルト)

 交通事故を起こした夫が妻に言った。
「向こうが悪いんだ。勝手にぶつかって来て、死んだんだ」
 しかしその日、夫は四年の実刑判決を受けた―― (小説の冒頭ページにつけられたあおり文句)

 光文社のミステリ雑誌『ジャーロ』の企画「世界のミステリーを読む」の第7回。イラストを除いて全9ページの作品。
 『上海文学』(上海文学雑誌社)2001年7月号(通巻285号)掲載の「谋杀」の翻訳。もともとミステリ誌に掲載されたものではなく、ミステリっぽい作品でもない。

補足

  • 「陽羨鵝籠」(ようせんがろう) 呉均(ごきん) 早川書房『ミステリマガジン』1991年8月号(幻想と怪奇特集) 訳:井波律子
  • 「少女軽業師の恋」 宣鼎(せんてい) 早川書房『ミステリマガジン』1993年8月号(幻想と怪奇特集) 訳:井波律子

 『ミステリマガジン』に掲載された中国の作品。どちらも未見。現代の作品ではない。
 呉均(469年~520年)のこの作品は、三省堂の教科書『高等学校古典Ⅰ』にも掲載されている。原題同じ。現在の中国での表記は「阳羡鹅笼」(吴均)。
 後者は、宣鼎(1832年~1880年)の短編集『夜雨秋燈続録』(夜雨秋灯续录)(1880)に収録の「秦二官」の翻訳。
 翻訳者の井波律子さんは、『中国ミステリー探訪』で第4回(2004年)の本格ミステリ大賞の候補にもなった人。


関連記事

最終更新:2011年11月26日 22:08