2009年11月10日ページ作成、随時更新
- 2011年9月1日 (2)と(3)を追加、ページ名変更
目次
(1)は邦訳された台湾ミステリのリスト。
(2)と(3)は、現代の日本で容易に購入できるもの、図書館等に行けば容易に読めるものを掲載する。
(1)台湾ミステリの邦訳一覧
長編
- 藍霄(ランシャウ)『錯誤配置』(講談社 アジア本格リーグ1、2009年9月)(原著刊行2004年)
短編
- 余心樂(よ しんらく) 「生死線上」 『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』(角川文庫、2001年8月)(初出:台湾の雑誌『推理雑誌』64号、1990年)
- 凌徹(リンチェウ) 「幽霊交叉点」 ( 『ミステリーズ!』Vol.29、東京創元社、2008年6月)(初出:台湾の雑誌『MYSTERY』1号、2006年)
- 寵物先生(ミスターペッツ) 「彷徨えるマーク・ガッソン」 (『ジャーロ』41号、光文社、2011年3月)(邦訳版が初出/中国語版は未発表)
アジア・ハードボイルド(?)
台湾の武侠小説作家の古龍(こりゅう)の作品は、小学館文庫では「アジア・ハードボイルド」と銘打たれて刊行されている。
(ここでは小学館文庫から刊行されているもののみを挙げる。古龍の作品はほかにも邦訳が出ている)
(2)20世紀前半の台湾探偵小説(日本語作品)
作家別、年代順。
座光東平
- 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)
- 厳格な家の娘(1923)
- 人間の裁判(1923)
- 強い娘(1924)
- 是耶非耶(1924)(未完)
- 謎の夫婦情死(1924)
- 聖僧の庫裡(1924)
- 露と消ゆる四つの命(1924)
- 凄い切味の女(1924)
- 女落語師の死(1924)
- 天遣を蒙る人(1924)
- 自縄自縛(1924)
- 白金坩堝の行衛(中編)(1924-1925)
小島泰介
- 『日本統治期台湾文学集成7 台湾通俗文学集 一』(緑蔭書房、2002年11月)
「屍婚」は乱歩や夢野久作を思わせる変格探偵小説の佳作。
福田昌夫
- 『日本統治期台湾文学集成21 「台湾鉄道」作品集 一』(緑蔭書房、2007年2月)
- 「二将軍の壁画」(1935)
- 「港町の殺人事件」(1935)
- 「魔の椅子事件」(1935)
- 「山は裁く」(1936)
金関丈夫(かなせき たけお)
金関丈夫の探偵小説は以下の2冊ですべて読むことができる。金関丈夫はいくつかペンネームを使ったが、探偵小説は『南風』(蘇文石名義)以外はすべて林熊生(りん ゆうせい)というペンネームで発表した。
- 林熊生『日本植民地文学精選集38 〔台湾編13〕 船中の殺人/龍山寺の曹老人 第一輯・第二輯』(ゆまに書房、2001年9月)
- 中編「船中の殺人」(1941)
- 短編「指紋」(1943)
- 《龍山寺の曹老人》シリーズ
- 「許夫人の金環」(1943)
- 「光と闇」(1943)
- 「入船荘事件」(1943)
- 「幽霊屋敷」(1945)
- 「百貨店の曹老人」(1945)
- 金関丈夫『創作集 南の風』(法政大学出版局、1980年6月)
- 《龍山寺の曹老人》シリーズ
- 「許夫人の金環」(1943)
- 「入船荘事件」(1943)
- 「幽霊屋敷」(1945)
- 「謎の男」(1947)
- 「観音利生記」(1947)
- 未完長編『南風』(1942-1943)(蘇文石名義で発表。当初はリレー小説として計画されており、執筆された全17回のうち第2回と第4回は立石鉄臣(伴三果名義)が執筆したものである。立石の執筆回は『創作集 南の風』に収録されていない)
- 短編「DU14放棄顚末」(1959)(※日本で発表した作品)
《龍山寺の曹老人》シリーズ(短編全7編) 収録状況
# |
タイトル |
『日本植民地文学精選集38』 |
『創作集 南の風』 |
1 |
「許夫人の金環」(1943) |
〇 |
〇 |
2 |
「光と闇」(1943) |
〇 |
|
3 |
「入船荘事件」(1943) |
〇 |
〇 |
4 |
「幽霊屋敷」(1945) |
〇 |
〇 |
5 |
「百貨店の曹老人」(1945) |
〇 |
|
6 |
「謎の男」(1947) |
|
〇 |
7 |
「観音利生記」(1947) |
|
〇 |
葉歩月(よう ほげつ)
- 『日本統治期台湾文学集成19 葉歩月作品集一』(緑蔭書房、2003年7月)
その他の創作探偵小説
- 『日本統治期台湾文学集成21 「台湾鉄道」作品集 一』(緑蔭書房、2007年2月)
- 臍皮乱舞・大舌宇奈児・無理下大損・正気不女給 リレー小説「連作怪奇探偵小説 木乃伊の口紅」(1934)
- 名前の読みの推定:「へそがわ らんぶ」、「おおした うなる」、「むりした おおぞん」、「まさき ふじょきゅう」
- 言うまでもなく、江戸川乱歩、大下宇陀児、森下雨村、正木不如丘をもじったものである
- 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)
- 下村四郎「渦巻」(1934)
- 松浦泉三郎「甲板の妖人」(1935)
- 河原崎純「呪われた女身」(1935)
- 渥美順「暁の非常線」(1936)
- 美川紀行・梶雁金八・渥美順 リレー小説「姿なき犯罪」(1937)
探偵実話
- 『日本統治期台湾文学集成9 台湾探偵小説集』(緑蔭書房、2002年11月)
- 飯岡秀三
- 士林川血染船(1914)
- 奇代の兇賊台北城下を騒す(1920)
- 野田牧泉
- 阿緱のばらばら事件(1933)
- 枯れた唐辛子の木 ―お岩後家殺し事件―(1933)
- 芝川武
- 山下景光
- 亭主に殺された食菜人(1938)
- 或る変態性欲者の犯罪(1938)
- 基隆のバラバラ事件(1941)
- 三谷祥介
- 小南堂居
(3)20世紀前半の台湾探偵小説(日本で復刻されている中国語作品)
漢文(文言文)
- 『日本統治期台湾文学集成25 台湾漢文通俗小説集 二』(緑蔭書房、2007年2月)
- 魏清徳
- 長編「傾国恨」(1917-1918)(スパイ小説)
- 短編「歯痕」(1918)(モーリス・ルブランのルパン物『虎の牙』の翻案)
- 謝雪漁
- 中編「日華英雌伝」(1937-1938)
- 短編「小学生椿孝一」(1937)
白話文
- 『日本統治期台湾文学集成25 台湾漢文通俗小説集 二』(緑蔭書房、2007年2月)
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最終更新:2011年11月26日 22:08