日本の小説の海外での受賞一覧

2014年7月7日
  • 2018年10月28日 少しだけ更新(不完全)

※近いうちに翻訳者名や訳題などを入れます。(※と書いてから4年が過ぎてしまいました[2018年10月28日])

Index

ミステリの賞

アメリカ

ノミネート 2004年 桐野夏生 『OUT』 エドガー賞 最優秀長編賞
ノミネート 2012年 東野圭吾 『容疑者Xの献身』 エドガー賞 最優秀長編賞
ノミネート 2012年 東野圭吾 『容疑者Xの献身』 バリー賞 最優秀新人賞
(受賞) 2012年 東野圭吾 『容疑者Xの献身』 アメリカ図書館協会により年間最優秀ミステリに選出
ノミネート 2013年 中村文則 『掏摸(スリ)』 ロサンゼルス・タイムズ文学賞 ミステリー・スリラー部門
受賞 2014年 中村文則 (作家への授与) *注 デイヴィッド・グディス賞(デイヴィッド・グーディス賞)
ノミネート 2018年 湊かなえ 『贖罪』 エドガー賞 最優秀ペーパーバック賞

  • :デイヴィッド・グディス賞(デイヴィッド・グーディス賞)は特定の作品ではなく人物(作家や編集者)に対して授与される賞だが、授与が決定した時点で英訳されていたのは『掏摸(スリ)』と『悪と仮面のルール』の2作のみなので、この2作が評価されての受賞ということになる。



イギリス

ノミネート 2016年 横山秀夫 『64』 英国推理作家協会(CWA) インターナショナル・ダガー賞(最優秀翻訳長編賞)


フランス

受賞 1989年 夏樹静子 『第三の女』 フランス冒険小説大賞(フランス犯罪小説大賞)
受賞 2010年 東野圭吾 『むかし僕が死んだ家』 コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞 翻訳作品部門
ノミネート 2010年 島田荘司 『占星術殺人事件』 フランス推理小説大賞 翻訳作品部門
ノミネート 2015年 湊かなえ 『告白』 フランス推理小説大賞 翻訳作品部門


中国

受賞 1998年 松本清張 『点と線』 北京探偵推理文芸協会賞 翻訳作品賞
受賞 1998年 森村誠一 『人間の証明』 北京探偵推理文芸協会賞 翻訳作品賞
受賞 1998年 夏樹静子 『蒸発』 北京探偵推理文芸協会賞 翻訳作品賞
受賞 2001年 夏樹静子 『Wの悲劇』 北京探偵推理文芸協会賞 翻訳作品賞

年間ミステリ・ベスト(新聞・雑誌等)

英米


ドイツ


SF・ファンタジー・ホラーの賞

アメリカ

フィリップ・K・ディック賞(Philip K. Dick Award)
特別賞 2011年 伊藤計劃 『ハーモニー』
特別賞 2014年 円城塔 『Self-Reference ENGINE』

 特別賞=「Special citation」

SF・ファンタジー英訳作品賞(Science Fiction & Fantasy Translation Awards)
ノミネート 2011年 平井呈一 「真夜中の檻」 短編部門
特別表彰 2012年 神林長平 『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 単行本部門
特別表彰 2013年 古川日出男 『ベルカ、吠えないのか?』 単行本部門
ノミネート 2013年 飛浩隆 「自生の夢」 短編部門

 特別表彰=「Honorable Mention」

 2011年に始まった賞。2014年は本来なら第4回の受賞作が選出されるはずだが、2014年5月15日に公式サイト(リンク)で「今年の実施の可否を検討中」とアナウンスがあったきりでその後動きがない。


シャーリイ・ジャクスン賞(Shirley Jackson Awards) ※心理サスペンス、ホラー、ダークファンタジーなどが対象
受賞 2009年 小川洋子 英訳短編集『The Diving Pool』*注 短編集部門
ノミネート 2010年 乙一 『ZOO』 短編集部門
ノミネート 2013年 伊藤計劃 「The Indifference Engine」 中編部門
受賞 2013年 鈴木光司 『エッジ』 長編部門

  • :『The Diving Pool』は「ダイヴィング・プール」、「妊娠カレンダー」、「ドミトリイ」の3編を収録



フランス

マスタートン賞(Prix Masterton) ※ホラーやサイコサスペンス、SFなどが対象
受賞 2012年 伊坂幸太郎 『オーデュボンの祈り』 翻訳長編部門



中国

星空賞(星空奖)
受賞 2010年 筒井康隆 『時をかける少女』 翻訳小説賞
ノミネート 2011年 小林泰三 「人獣細工」 翻訳短編賞

 2010年、2011年の全2回。公式ブログ(リンク)を見る限り、特にアナウンスもなく自然消滅してしまったようだ。


文学

最優秀翻訳書籍賞(Best Translated Book Awards)小説部門 (米国ロチェスター大学主催)
次点 2014年 水村美苗 『本格小説』

 次点=「runner-up」

 小説部門と詩集部門がある。2014年の小説部門の最終候補作は10作。『本格小説』はグアテマラのロドリゴ・レイローサ『アフリカの海岸』(邦訳は現代企画室、2001年)とともに次点に選ばれた。受賞者はハンガリーのクラスナホルカイ・ラースロー(2013年から2年連続)。

 この賞では2013年には星野智幸『われら猫の子』が1次候補25作に入った(最終候補には残らなかった)。日本の小説が最終候補に残ったのは2014年の『本格小説』が最初である。
 2008年(初回)の1次候補は50作も挙げられており、日本からは赤坂真理『ヴァイブレータ』、永井荷風『腕くらべ』、三浦哲郎『忍ぶ川』が入っている。2009年から2012年までは日本の作品は1次候補に入っていない。

 一方、詩集部門では2009年に平出隆『胡桃の戦意のために』(For the Fighting Spirit of the Walnut)、2012年に野村喜和夫『Spectacle & Pigsty』が受賞しており、2010年には伊藤比呂美『Killing Kanoko』(カノコ殺し)、2011年には川田絢音『Time of Sky & Castles in the Air』(『空の時間』と『空中楼閣 : 夢のノート』の合本)が最終候補になっている。(詩集部門の1次候補は未調査)

インディペンデント外国小説賞(Independent Foreign Fiction Prize)(英国『インディペンデント』紙主催)
最終候補6作 2014年 小川洋子 『寡黙な死骸 みだらな弔い』
最終候補6作 2014年 川上弘美 『センセイの鞄』

 2014年の1次候補作は15作。最終候補作は6作。小川洋子と川上弘美は最終候補に残ったが受賞は逃した。受賞者はイラク人のHassan Blasimの『The Iraqi Christ』(アラビア語からの翻訳)。
 この賞では過去に村上春樹『海辺のカフカ』、『1Q84』(1巻2巻)、小川洋子『ダイヴィング・プール』、『博士の愛した数式』、吉田修一『悪人』などが1次候補になっている。どれも最終候補には残らなかった。
 また、この賞では過去には丸谷才一『横しぐれ』が特別賞を受賞しているらしい。

マン・アジアン文学賞(Man Asian Literary Prize)(英訳されたor英語で書かれたアジアの小説が対象)
最終候補5作 2010年 大江健三郎 『取り替え子(チェンジリング)』
最終候補5作 2010年 小川洋子 『ホテル・アイリス』
最終候補7作 2011年 よしもとばなな 『みずうみ』
最終候補5作 2012年 川上弘美 『センセイの鞄』

 2007年には金原ひとみ『オートフィクション』が1次候補(23作)に選ばれている。
 2008年には五十嵐勉「聖丘寺院へ」が1次候補(21作)に選ばれている。
 2011年には村上春樹『1Q84』が1次候補(12作)に選ばれている。

 2007年受賞作 姜戎(ジャンロン)『神なるオオカミ』(講談社、2007年11月)
 2008年受賞作 ミゲル・シフーコ『イルストラード』(白水社、2011年)
 2009年受賞作 蘇童(スートン)『河・岸』(白水社、2012年)
 2010年受賞作 畢飛宇『玉米』(未訳)
 2011年受賞作 申京淑(シン・ギョンスク) 『母をお願い』(集英社文庫、2011年)
 2012年受賞作 Tan Twan Eng『The Garden of Evening Mists』(未訳)

児童文学


バチェルダー賞(Batchelder Award)(英訳された児童文学が対象)(アメリカ)
受賞 1983年 丸木俊 『ひろしまのピカ』
受賞 1997年 湯本香樹実 『夏の庭 The Friends』
受賞 2008年 宮部みゆき 『ブレイブ・ストーリー』
受賞 2009年 上橋菜穂子 『精霊の守り人』
次点 2010年 上橋菜穂子 『闇の守り人』

 次点=「Honor」

国際アンデルセン賞(Hans Christian Andersen Awards) 作家賞
受賞 2014年 上橋菜穂子 (特定の作品ではなく作家への授与)
受賞 2018年 角野栄子 (特定の作品ではなく作家への授与)

 1994年にはまど・みちおが作家賞を受賞しており、2014年の上橋菜穂子の受賞は日本人としては20年ぶり、2度目の受賞となる。(国際アンデルセン賞画家賞の方は日本人では過去に赤羽末吉、安野光雅が受賞)


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最終更新:2018年10月29日 06:52