韓国ミステリ 読書案内

2009年11月 作成
  • 2010年5月 『季刊ミステリ』20号(2008年夏)「日本に紹介された韓国ミステリ」を参考にして増補
  • 2011年11月26日 整理、ページ名変更

目次

単行本

キム・ソンジョン(金聖鍾、1941年 - )


金聖鍾(キム・ソンジョン)『ソウル 逃亡の果てに』 (祖田律男訳、新風舎文庫、2005年4月)(原著刊行1981年、『나는 살고 싶다』→1996年版


金聖鍾(キム・ソンジョン)『最後の証人』(上下巻) (祖田律男訳、論創社、2009年2月)(原著刊行1977年、『최후의 증인』→2003年版

キム・ヨンハ(金英夏、1968年 - )


キム・ヨンハ『光の帝国』 (宋美沙(ソン・ミサ)訳、二見書房、2008年12月)(原著刊行2006年、『빛의 제국』(→2010年版)) 


金英夏(キム・ヨンハ)『阿娘(アラン)はなぜ』(森本由紀子訳、白帝社、2008年12月)(原著刊行2001年、『아랑은 왜』(→2010年版)) 

イ・ジョンミョン

イ・ジョンミョン『風の絵師』(2分冊) (米津篤八訳、早川書房、2009年5-6月)(原著刊行2007年、『바람의 화원』)
イ・ジョンミョン『景福宮(キョンボックン)の秘密コード』(上下巻) (裵淵弘(ベ・ヨンホン)訳、河出書房新社、2011年9月)(原著刊行2006年、『뿌리깊은 나무』)

その他

李文烈(イ・ムニョル)『ひとの子 ――神に挑む者――』 (安宇植(アン・ウシク)訳、集英社、1996年4月)(原著刊行1979年、『사람의 아들』(→2004年版))
朴商延(パク・サンヨン)『JSA 共同警備区域』 (金重明(キム・ジュンミョン)訳、文春文庫、2001年5月)(原著刊行1997年、『DMZ』) ※映画の原作小説(映画のノベライズ本ではない)
李垠(イ・ウン)『美術館の鼠』 (きむふな訳、講談社 アジア本格リーグ3、2009年11月)(原著刊行2007年、『미술관의 쥐』)
イ・イナ『永遠なる帝国』 (武田康二訳、文芸社、2011年12月)(原著刊行1993年、『영원한 제국』(→2006年版))

アンソロジー


コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』 (祖田律男ほか訳、バベル・プレス、2002年5月)

 短編13編収録。韓国推理作家協会編、1998年版『今年の推理小説』の翻訳。「キム・ソンジョン」の漢字表記が、上記の単行本の時と微妙に異なる。
  • 「本当の復讐」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生)
  • 「訪問者」 金楠 (キム・ナム、1944年生)
  • 「平倉洞(ピョンチャンドン)の殺人陰謀」 崔鐘澈(チェ・ジョンチョル、1949年生)
  • 「血統」 金容相(キム・ヨンサン、1942年生)
  • 「疑心の代償」 黄美英(ファン・ミヨン、1957年生)
  • 「失踪」 金聖鐘(キム・ソンジョン、1941年生)
  • 「敵と同志」 柳禹提(ユ・ウジェ、1955年生)
  • 「地獄への道行き」 李祥雨(イ・サンウ、1938年生)
  • 「隠しカメラ」 李勝寧(イ・スンヨン、1963年生)
  • 「標的」 林紗羅(イム・サラ、1963年生)
  • 「いとしのシンディー・クロフォード」 金尚憲(キム・サンホン) (注:目次では「いとしのシンディ・クロフォード」)
  • 「ブラック・レディ」 魯元(ノ・ウォン、1931年生)
  • 「月夜の物語」 李秀光(イ・スグァン、1952年生) - 韓国推理作家協会会長(2011年現在)

雑誌掲載

ミステリマガジン(早川書房)

  • 『ミステリマガジン』2000年10月号 (特集 コリアン・ミステリ・ナウ)
    • 「その夜は長かった」 李秀光(イ・スゴァン(「イ・スグァン」が普通)、1954年生)――霊魂となって現世を彷徨う男の悲哀
    • 「天の定めた縁」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生)――妻が盗み見た、殺人計画を綴った夫の小説
    • 「精神病を引き起こす脱毛剤」 白恷(ベク・ヒュ(「ペク・ヒュ」が普通)、1960年生)――画期的新薬の恐るべき副作用とは!?
    • 「妻を守るために」 李源斗(イ・ウォンズ(「イ・ウォンドゥ」が普通)、1938年生)――癌ノイローゼの男を待ち受ける皮肉な運命
      • 作品に付したあおり文句は目次より引用したもの。韓国推理作家協会が自ら翻訳した短編4作品が掲載されている。

  • 『ハヤカワミステリマガジン』2009年1月号 (特集 世界のミステリ雑誌)
    • 「そして誰もいなくなった」 ソル・インヒョ(米津篤八訳)
      • ソル・インヒョ(1975年生)。短編「催眠」で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』18号(2007年冬号)に掲載)。「そして誰もいなくなった」は2作目。10ページほどの非常に短い作品。名前は「ソル・イニョ」とも表記しうる。

  • 『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号 (特集 アジア・ミステリへの招待)
    • 「親友」 ソン・シウ(米津篤八訳)
      • ソン・シウ(1979年生、女性)。短編「親友」(좋은 친구)で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』22号(2008年冬号)に掲載)。ほかに短編「善きサマリア人の法」(착한 사마리아 인의 법)がある。

ジャーロ(光文社)

  • 『ジャーロ』4号(2001年夏号)
    • 「帰ってきた死者」 金聖鍾(キム・ソンジョン)(金容権(キム・ヨングォン)訳) - 日本の読者に向けた書き下ろし
    • 「わな」 金且愛(キム・チャエ)(鄭泰原(チョン・テウォン)訳)

金来成(キム・ネソン)の作品

 韓国推理小説の草分け的存在である金来成(キム・ネソン)は1935年に日本の探偵雑誌でデビューしており、短編探偵小説2編とユーモア掌編1編を日本語で発表している。


 金来成が韓国語で発表した作品の邦訳はない。


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最終更新:2011年11月26日 22:07