フランスのミステリ賞


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2013年5月16日

 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳の一覧。ただし一部の賞については、受賞作全体のリストも示しています。
 各賞の受賞作はフランスで刊行されたミステリ事典『Dictionnaire des littératures policières』(初版2003年、通称メスプレード事典)の第2版(2007年)で確認し、邦訳状況は国会図書館の蔵書検索等で確認しました。

 翻訳ミステリー大賞シンジケートに寄稿した「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第3回 フランス編」も合わせてお読みください。

Index

フランス推理小説大賞

1956年 ミッシェル・ルブラン 『殺人四重奏』(鈴木豊訳、創元推理文庫、1961年)
1957年 フレデリック・ダール 『甦える旋律』(長島良三訳、文春文庫、1980年)
1958年 フレッド・カサック 『日曜日は埋葬しない』(中込純次訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年)
1960年 ユベール・モンテイエ 『かまきり』(斎藤正直訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年 / 『世界ミステリ全集』第15巻[早川書房、1973年]収録)
1963年 セバスチアン・ジャプリゾ 『シンデレラの罠』(望月芳郎訳、創元推理文庫、1964年)
『シンデレラの罠』(平岡敦訳、創元推理文庫、2012年)
1965年 マルク・ドロリー 『スペインの城』(秘田余四郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1966年)
1966年 ローレンス・オリオール 『やとわれインターン』(荒川比呂志訳、ハヤカワ・ミステリ、1969年)
1968年 ドミニック・ファーブル 『美しい野獣』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1970年)
1969年 フランシス・リック 『奇妙なピストル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年)
1970年 ポール・アンドレオータ 『ジグザグ』(牧原宏郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1972年)
1971年 ルネ・レウヴァン 『そそっかしい暗殺者』(日影丈吉訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年)
1972年 ジルベール・タニュジ 『赤い運河』(谷亀利一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年)
1973年 ジャン=パトリック・マンシェット 『狼が来た、城へ逃げろ』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年)
『愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える』(中条省平訳、光文社古典新訳文庫、2009年)
1974年 A・P・デュシャトー 『五時から七時までの死』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1975年)
1976年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『真夜中の汽笛』(長島良三訳、角川文庫、1986年)
1977年 クリストフェール・ディアブル 『雨を逃げる女』(長島良三訳、角川文庫、1988年)
1980年 ドミニック・ルーレ 『寂しすぎるレディ』(長島良三訳、ハヤカワ・ミステリ、1983年)
1985年 ディディエ・デナンクス 『記憶のための殺人』(堀茂樹訳、草思社、1995年)
1987年 ジャック・サドゥール 『太陽の下、三死体』(長島良三訳、新潮文庫、1988年)
1994年 ジャン=ジャック・フィシュテル 『私家版』(榊原晃三訳、東京創元社、1995年 / 創元推理文庫、2000年)
1997年 ブリジット・オベール 『森の死神』(香川由利子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1997年)
2001年 ミシェル・クレスピ 『首切り』(山中芳美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2002年)
  • ベルギーの出版社が刊行したフランス語作品も授賞対象になる。A・P・デュシャトーはベルギーのフランス語作家で、『五時から七時までの死』はブリュッセルの出版社が刊行し、フランス推理小説大賞を受賞した。

その他の主な受賞者
  • レオ・マレ(1948年)、ピエール・シニアック(1981年)、ルネ・ベレット(1984年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ジルベール・シヌエ(2004年)、ヴィルジニ・ブラック(2004年)

+2004年ごろの受賞者をめぐる混乱
2004年ごろの受賞者をめぐる混乱
  • フランス語作品部門は秋に、翻訳作品部門は春に受賞作が決定していたが、それが2004年ごろから同時に発表されるようになったらしく、2004年前後には「受賞者」「受賞年」「受賞年度」などに混乱が見られる。ジルベール・シヌエとヴィルジニ・ブラックはネット上のリストでは2004年に「同時受賞」とされていることが多いが、ジルベール・シヌエは2003年10月に(2004年度受賞者として)同賞を受賞している(当時の報道記事1当時の報道記事2)。そしてヴィルジニ・ブラックの受賞はその翌年の2004年10月だと思われる。メスプレード事典ではジルベール・シヌエが「2004」、ヴィルジニ・ブラックが「2005」。ジルベール・シヌエの受賞(2003年10月)までは「年度」表記であり、ヴィルジニ・ブラックの受賞(2004年10月?)からは受賞した「年」で表記されるようになった、ということだと思われる。

+デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱
デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱
  • デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)が2003年にどの作品でフランス推理小説大賞(翻訳作品部門)を受賞したかについては、情報に混乱がある。受賞作は作家自身のサイトでは『Dead before Dying』(仏題『Jusqu'au Dernier』、アフリカーンス語原題『Feniks』)とされており、同様に記載しているミステリファンサイトもあるが、一方でメスプレード事典では受賞作を『Dead at Daybreak』(仏題『Les Soldats de l'aube』、アフリカーンス語原題『Orion』)としており、同様に記述しているサイトも多い。
  • ただ、ネット上を検索してみたところ、デオン・マイヤーの『Dead before Dying』(仏題『Jusqu'au Dernier』)のフランス推理小説大賞受賞を報じる当時のフランス語記事(2003年5月)が見つかったので、メスプレード事典のリストとは矛盾するが、この作品がフランス推理小説大賞を受賞していることは間違いないと思われる。2003年10月の報道でもやはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu'au Dernier』)である。
  • なお、デオン・マイヤーの上記2作品を出版しているフランスの出版社のサイトでも、やはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu'au Dernier』)となっている(リンク)。


フランス推理小説大賞を実は受賞していない(!?)作品

 以下の作品は日本で翻訳出版された際に帯や裏表紙の作品紹介、訳者あとがきなどで「フランス推理小説大賞受賞作」とされていたものの、メスプレード事典のフランス推理小説大賞(Grand prix de littérature policière)受賞者・受賞作一覧に載っておらず、受賞が確認できないものである。

  • ユベール・モンテイエ『帰らざる肉体』 (大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1963年5月)
    • 裏表紙に「フランス推理小説大賞に輝く最新傑作!」とあり、『ハヤカワ・ミステリ総解説目録』の解説文にも同じ文言がある。ただ、『帰らざる肉体』の巻末解説には受賞作は『かまきり』だと書いてある。これはこの巻末解説の方が正しく、モンテイエがフランス推理小説大賞を受賞したのは『帰らざる肉体』ではなく『かまきり』である。裏表紙の記述はちょっとしたミスだろう。
    • 『かまきり』(大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年6月)の裏表紙には「フランス推理小説大賞に輝く傑作!」とある。これはもちろん正しい。

  • ルイ・C・トーマ『共犯の女』 (野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1968年2月)
    • ポケミスで刊行された際に、1966年度のフランス推理小説大賞受賞作とされた。(巻末解説「一九六六年度のフランス推理小説大賞を受賞」[執筆者は「N」]、裏表紙「1966年度フランス推理小説大賞に輝く異色ミステリ!」)
  • ルイ・C・トーマ『死のミストラル』 (岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年9月)
    • 帯の裏面に「本書は〈クライム・クラブ〉出身の有力作家ルイ・C・トーマの最新作で、1975年度フランス推理小説大賞に輝いた。1966年作『共犯の女』に続く二度目の受賞である」と書かれている。裏表紙には「1975年度フランス推理小説大賞受賞作」、訳者あとがきには「一九七五年、フランス推理小説大賞受賞の新作である」。
    • 『死のミストラル』は1976年のフランス・ミステリ批評家賞受賞作ではある。

  • モニック・マディエ『バカンスは死の匂い』 (長島良三訳、角川書店、1981年) - Monique Madier, "Vacances dans un caveau" (1975)
    • 帯前面に「フランス推理小説大賞受賞」、帯の背のところに「推理小説大賞受賞作」と書かれており、訳者あとがきでは「本書は一九七五年度の“推理小説大賞”を受賞している」と書かれている。この「推理小説大賞」が「Grand prix de littérature policière」を指すことはそのあとで示されている。
  • フランソワ・ジョリ『鮮血の音符』 (長島良三訳、角川文庫、1996年) - François Joly, "Notes de sang" (1993)
    • 帯(amazonで確認できる)には「フランス推理小説大賞、ロカール賞受賞作品」とあり、訳者あとがきではこの3作目で「フランス推理小説大賞と、偉大な法医学者エドモン・ロカールを記念して創設されたロカール賞を同時に受賞している」とされている。ロカール賞(Prix Edmond Locard)の受賞については未確認。
  • セルジュ・ブリュソロ『真夜中の犬』 (長島良三訳、角川文庫、1998年)
    • 訳者あとがきに、「『真夜中の犬』 Le chien de minuit で一九九四年度の冒険小説大賞と、フランス推理小説大賞とを同時に受賞している。つづいて次の年に、マスク叢書から出版した『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』 Conan Lord, carnets secrets d'un cambrioleur で一九九五年度のフランス推理小説大賞に選ばれている。」とある。『真夜中の犬』は冒険小説大賞の受賞作ではある。セルジュ・ブリュソロは(メスプレード事典を見る限り)フランス推理小説大賞を受賞しておらず、従って『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』も受賞作ではない。

 またほかに、(日本語の)ネット上でルネ・ベレット『わが体内の殺人者』(ハヤカワ文庫NV、1992年)がフランス推理小説大賞の受賞作だと書かれていることがあるが、ルネ・ベレットがこの賞を受賞したのは未訳の別の作品である。

+ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り
ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り

 ポール・アンドレオータ(P・アンドレオータ)『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)の巻末にフランス推理小説大賞のフランス語作品部門の受賞作一覧が載っているが、『メスプレード事典』とは2点食い違いがある。『ジグザグ』巻末資料では、

  • 1956年の受賞作がジョゼフ・エイ"Terreur dans la Maison"とされている
  • 1967年の受賞作がルイ・C・トーマ『共犯の女』とされている

 『Terreur dans la Maison』は確かに1956年の受賞作だが、フランス語作品部門ではなく翻訳作品部門の受賞作である。作者はアメリカの推理作家のジョゼフ・ヘイズ(またはジョセフ・ヘイズ、Joseph Hayes)。「ジョゼフ・エイ」は「Joseph Hayes」のフランス語読み。『Terreur dans la Maison』の原題は『The Desperate Hours』で、日本では『必死の逃亡者』として1955年に早川書房より刊行されている。
 1956年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ミッシェル・ルブラン『殺人四重奏』とGuy Venayreの『Les petites mains de la justice』である。
 1967年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ジャン=ピエール・アレムの『Le Crocodile dans l'escalier』である。
 (それから、『ジグザグ』巻末資料では1964年の受賞作がMichel Carnalの『La Joan Morte』とされているが、正しくは『La Jeune Morte』)


ミステリ批評家賞

1973年 フレッド・カサック 『殺人交叉点』(岡田真吉訳、東京創元社 クライム・クラブ第22巻、1959年)
『殺人交差点』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1979年)
『殺人交叉点』(平岡敦訳、創元推理文庫、2000年)
1974年 アルセーヌ・ルパン *注 『ウネルヴィル城館の秘密』(榊原晃三訳、新潮文庫、1974年)
1976年 ルイ・C・トーマ 『死のミストラル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年)
1978年 ミシェル・グリゾリア 『海の警部』(篠原義近訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年)
1980年 ジャン・ヴォートラン 『鏡の中のブラッディ・マリー』(高野優訳、草思社、1995年)
1981年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『引き裂かれた夜』(長島良三訳、角川文庫、1987年)
1982年 ブリス・ペルマン 『穢れなき殺人者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1984年)
1988年 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年)
1996年 フレッド・ヴァルガス 『死者を起こせ』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2002年)
2000年 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年)
  • :ボアロー=ナルスジャック

その他の主な受賞者
  • アルベール・シモナン(1972年)、A・D・G(1977年)、アラン・ドムーゾン(1979年、2001年)、ルネ・レウヴァン(1983年)、ピエール・マニャン(1985年)、ディディエ・デナンクス(1987年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ティエリー・ジョンケ(1994年、1999年)

  • ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「モーリス・ベルナール・アンドレーブ」の項目で、アンドレーブが1976年に『物事の最良と最悪の面』という作品でミステリ批評家賞を受賞したと書かれているが、メスプレード事典のミステリ批評家賞の項目によれば、アンドレーブはこの賞を受賞していない。

813協会賞

 この賞(Trophée 813)は日本ではフランス語をそのまま使って「トロフェ813」と呼ばれたり、あるいは「トロフェ813賞」と呼ばれたり、「トロフェ」を訳して「813杯」とされたり、あるいは「813協会××賞」、「813賞」、「813ミステリ大賞」などとされたりと定訳がない。813協会が主催する賞なので、ここでは分かりやすく813協会賞と呼んでおく。
 813協会(Association 813)は、ミッシェル・ルブランやアラン・ドムーゾンが中心になって1979年に設立したフランスの推理小説普及団体。もちろんその名はモーリス・ルブランのルパン物の長編小説『813』から来ている。
 813協会とグルノーブル市の主催で1987年10月にグルノーブル・ミステリ祭が開催されている。松本清張はこれに招待されて参加。そのことについて書いた随筆で清張は813協会のことを「フランス推理作家協会」と書いている(松本清張「国際推理作家会議で考えたこと : ネオ「本格派」小説を提唱する」『文藝春秋』1988年1月号)。

1984年 長編部門 ディディエ・デナンクス 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年)
1987年 長編部門 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年)
1995年 フランス語長編部門 ジャン=クロード・イゾ 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年)
1999年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年)
2004年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2014年◆予定)
※1994年より従来の「長編部門」が「フランス語長編部門」と「翻訳長編部門」の2つに分かれた。

+813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作一覧
813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作
1981年 マーク・ベイム(Marc Behm) Mortelle randonnée (The Eye of the Beholder, 1980) 『氷の接吻』
1982年 ピエール・マニャン(Pierre Magnan) Les Charbonniers de la mort
1983年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Dark hazard (Dark Hazard, 1933)
1984年 ディディエ・デナンクス(Didier Daeninckx) Le Géant inachevé 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年)
1985年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) La Bête et la Belle
1986年 デレク・レイモンド(Robin Cook *注 Comment vivent les morts (How the Dead Live, 1986)
1987年 ダニエル・ペナック(Daniel Pennac) La Fée carabine 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年)
1988年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) Le Dahlia noir (The Black Dahlia, 1987) 『ブラック・ダリア』
1989年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Iron Man (Iron Man, 1930)
1990年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) Trois carrés rouges sur fond noir
1991年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) La Commedia des ratés
1992年 ジャン・ベルナール・プイ(Jean-Bernard Pouy) La Belle de Fontenay
1993年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Les Orpailleurs
  • :フランスのミステリ関連文献で「Robin Cook」と書いてあったら、それは日本で「ロビン・クック」と呼ばれている人物ではなく、日本で「デレク・レイモンド」と呼ばれている人物を指しているとみて間違いない。
  • マーク・ベイムは当時パリ在住のアメリカ人作家。作品は英語で執筆。
+813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作一覧
813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作
1994年 モーリス・G・ダンテック(Maurice G. Dantec) La Sirène rouge
1995年 ジャン=クロード・イゾ(Jean-Claude Izzo) Total Khéops 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年)
1996年 Jean-Jacques Reboux Le Massacre des innocents
1997年 ヤスミナ・カドラ(Yasmina Khadra) Morituri
1998年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Moloch
1999年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) L'Homme à l'envers 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年)
2000年 ジャン=ユーグ・オペル(Jean-Hugues Oppel) Cartago
2001年 ジョルジュ・J・アルノー(Georges-Jean Arnaud) L'Étameur des morts
2002年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Pars vite et reviens tard
2003年 Pascal Dessaint Mourir n'est peut-être pas la pire des choses
2004年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Sous les vents de Neptune 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2013年予定)
2005年 Hervé Le Corre L’Homme aux lèvres de saphir
2006年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Dans les bois éternels
2007年 Dominique Manotti Lorraine connexion
2008年 Caryl Férey Zulu
2009年 Patrick Pécherot Tranchecaille
2010年 Dominique Manotti Bien connu des services de police
2011年 Marin Ledun Les Visages écrasés
2012年 Romain Slocombe Monsieur le Commandant
  • 『Zulu』はフランス推理小説大賞、ミステリ批評家賞も受賞。
  • 主な複数回受賞者:ティエリー・ジョンケは3回(1985年、1993年、1998年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)は2回(1990年、1991年)受賞。フレッド・ヴァルガスは4回受賞。
+813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作一覧
813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作
1994年 パコ・イグナシオ・タイボ二世(Paco Ignacio Taibo II) Cosa facil (Cosa fácil, 1977) 『三つの迷宮』
1995年 デレク・レイモンド(Robin Cook) Quand se lève le brouillard rouge (Not Till the Red Fog Rises, 1994)
1996年 パトリシア・コーンウェル(Patricia Cornwell) Une mort sans nom (From Potter’s Field, 1995) 『私刑』
1997年 グレゴリー・マクドナルド(Gregory Mcdonald) Rafael, derniers jours (The Brave,1991) 『ブレイブ』
1998年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Le Brasier de l'ange (Burning Angel, 1995) 『燃える天使』
1999年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Le Couperet (The Ax, 1997) 『斧』
2000年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Smoke (Smoke, 1995)
2001年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) American Death Trip (The Cold Six Thousand, 2001) 『アメリカン・デス・トリップ』
2002年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Mystic River (Mystic River, 2001) 『ミスティック・リバー』
2003年 ヘニング・マンケル(Henning Mankell) Les Chiens de Riga (Hundarna i Riga, 1992) 『リガの犬たち』
2004年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Shutter Island (Shutter Island, 2003) 『シャッター・アイランド』
2005年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Purple Cane Road (Purple Cane Road, 2000)
2006年 Giancarlo De Cataldo Romanzo criminale
2007年 アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason) La Voix
2008年 Valerio Evangelisti Nous ne sommes rien soyons tout !
2009年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Un pays à l'aube 『運命の日』
2010年 Craig Johnson Le Camp des morts
2011年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) La Nuit la plus longue
2012年 スチュアート・ネヴィル(Stuart Neville) Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』
  • Giancarlo De Cataldo、Valerio Evangelistiはイタリアの作家

冒険小説大賞

1930年 ピエール・ヴェリー 『絶版殺人事件』(上野三郎訳、『新青年』1937年11月増刊号に掲載)
1931年 スタニスラス=アンドレ・ステーマン 『六死人』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1984年)
1937年 ピエール・ノール 『抵抗の街』(山口年臣訳、ハヤカワ・ミステリ、1965年)
1938年 ピエール・ボアロー 『三つの消失』(松村喜雄訳、ナルスジャック『死者は旅行中』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行)
1948年 トーマ・ナルスジャック 『死者は旅行中』(松村喜雄訳、ボアロー『三つの消失』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行)
1951年 オリヴィエ・セシャン
イゴール・B・マスロフスキー
『まだ殺されたことのない君たち』(木々高太郎・槙悠人共訳、東都書房、1962年)
1958年 シャルル・エクスブライヤ 『パコを憶えているか』(小島俊明訳、ハヤカワ・ミステリ、1967年)
1981年 カトリーヌ・アルレー 『理想的な容疑者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1981年)
1988年 ポール・アルテ 『赤い霧』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2004年)
1994年 セルジュ・ブリュソロ 『真夜中の犬』(長島良三訳、角川文庫、1998年)
2008年 ジャック・ミリエズ 『人類博物館の死体』(香川由利子訳、ハヤカワ文庫NV、2009年)

 ピエール・ヴェリー『絶版殺人事件』の『新青年』1937年11月増刊号掲載時には、「仏蘭西探偵小説賞獲得!」というあおり文句が付されている。

  • ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「カトリーヌ・アルレー」の項目ではカトリーヌ・アルレーの『アラーム!』が1981年度の冒険小説大賞の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典の冒険小説大賞の項目によれば、受賞作は『理想的な容疑者』。

パリ警視庁賞

 公募新人賞
1949年 フランシス・ディドロ 『月あかりの殺人者』(井上勇訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年)
1956年 ノエル・カレフ 『その子を殺すな』(宮崎嶺雄訳、東京創元社『現代推理小説全集』第12巻、1958年 / 創元推理文庫、1961年)
1977年 ジャクマール=セネカル 『グリュン家の犯罪』(飛鳥今日子訳、ハヤカワ・ミステリ、1980年)
1978年 ピエール・マニャン 『アトレイデスの血』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1981年)
1983年 モーリス・ペリッセ 『メリーゴーランドの誘惑』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年)
1984年 ジャン・ランボレル 『マムシを殺せ』(佐宗鈴夫訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年)
1985年 ロジェ・ラブリュス 『罪深き村の犯罪』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1991年)
1988年 フランソワ・ラントラード 『バルザック刑事と女捜査官』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1989年)
2005年 ジュール・グラッセ 『悪魔のヴァイオリン』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2006年)
2006年 クリステル・モーラン 『ヴェルサイユの影』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2007年)
2007年 フレデリック・モレイ 『第七の女』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2008年)
2008年 P・J・ランベール 『カタコンベの復讐者』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2009年)

その他の主な受賞者
  • ルイ・C・トーマ(1957年)

  • パリ警視庁賞には「1973年」の受賞作は存在しない。これはメスプレード事典によれば、1973年の受賞作を印刷ミスで「1974年」の受賞作として売り出してしまったためだという。これ以来、パリ警視庁賞の受賞年は翌年表示になっている。2012年11月には「2013年」の受賞作が刊行された。(1988年に刊行が始まった『このミステリーがすごい!』に1990年版が存在しないのと同じことである)

  • フランシス・ディドロ『月あかりの殺人者』(ハヤカワ・ミステリ、1961年)のあとがき(編集部N)では「北警察賞」と訳されている。

コニャック・ミステリ大賞&ボーヌ・ミステリ新人賞

コニャック・ミステリ大賞
Prix du Roman Policier du Festival de Cognac
(「コニャック推理小説大賞」、「コニャック・フェスティヴァル大賞」、「コニャック市ミステリ文学賞」などとも訳される)

 公募新人賞
1987年 ポール・アルテ 『第四の扉』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2002年)
1996年 ジャン=フランソワ・ルメール 『恐怖病棟』(長島良三訳、読売新聞社、1997年)
1997年 ジャック・バルダン 『グリシーヌ病院の惨劇』(長島良三訳、読売新聞社、1998年)
1998年 ダニエル・ジュフュレ 『スイス銀行の陰謀』(長島良三訳、中公文庫、2001年)
2001年 ベルトラン・ピュアール 『夜の音楽』(東野純子訳、集英社文庫、2002年)

その他の主な受賞者
  • フレッド・ヴァルガス(1986年)、アンドレア・H・ジャップ(1991年)、ピエール・ルメートル(2006年)

  • 「コニャック・ミステリ大賞」(コニャック・ミステリー大賞)と書かれることが多い
  • ベルトラン・ピュアール『夜の音楽』の解説(立川直樹)および著者紹介では「コニャック推理小説大賞」
  • アンドレア・H・ジャップ『殺人者の放物線』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2006年)の訳者あとがきでは「コニャック・フェスティヴァル大賞」
  • ピエール・ルメートル『死のドレスを花婿に』(吉田恒雄訳、柏書房、2009年)の訳者あとがきおよび著者紹介では「コニャック市ミステリ文学賞」

  • ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「ミシェル・グリゾリア」の項目で、グリゾリアの『イギリス女性たちの散歩』(邦訳なし、原題『La Promenade des Anglaises』、1987年)が「コニャック・フェスティバル賞」の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典のコニャック・ミステリ大賞の項目によればこの年の受賞作はポール・アルテの『第四の扉』である。『イギリス女性たちの散歩』は『第四の扉』と同時期にマスク叢書で刊行されているので、あるいは同賞の候補作だったりしたのだろうか。(なお、コニャック・ミステリ大賞は新人賞だが、ミシェル・グリゾリアはこれより10年ほど前にデビューしている)

  • フレッド・ヴァルガスが2000年に『裏返しの男』で受賞したコニャック・ロマンノワール大賞は別の賞。こちらは既刊作品を対象とする賞。コニャック・ミステリ大賞と同じく、コニャック・ミステリ映画祭で授与された。

ボーヌ・ミステリ新人賞
 公募新人賞。コニャック・ミステリ大賞(~2007年)の後継の賞。今のところ、受賞作の邦訳なし。
 毎年4月に出版される。
+ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧
ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧
2009年 Costantini La Note noire
2010年 Sylvain Blanchot Et on dévora leur coeur
2011年 Do Raze La Mort des rêves
2012年 Olivier Gay Les talons hauts rapprochent les filles du ciel
2013年 Cyrille Legendre Quitte ou double

コニャック・ロマンノワール大賞&ボーヌ・ロマンノワール大賞

コニャック・ロマンノワール大賞
 フランス語作品部門の受賞作のうち日本語で読めるのは、2000年の受賞作であるフレッド・ヴァルガス『裏返しの男』のみ。

ボーヌ・ロマンノワール大賞
 フランス語作品部門の受賞作の邦訳はいまのところない。
+ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作一覧
ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作
2009年 Caryl Ferey Zulu
2010年 Hervé Le Corre Les Coeurs déchiquetés
2011年 Joseph Incardona Lonely Betty
2012年 Marin Ledun Les Visages écrasés
2013年 Michaël Mention Sale temps pour le pays
+ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作一覧
ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作
2009年 ジェイムズ・リー・バーク Dernier Tramway pour les Champs-Élysées
2010年 リチャード・プライス Souvenez-vous de moi 『黄金の街』
2011年 Peter Temple Un monde sous surveillance
2012年 スチュアート・ネヴィル Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』
2013年 ジェイムズ・カルロス・ブレイク Red Grass River

コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞

 コニャック・ミステリ大賞やコニャック・ロマンノワール大賞とは別の賞。
 Togetter「東野圭吾『むかし僕が死んだ家』がフランスでコニャック・ミステリ大賞国際部門を受賞! (2年4か月前[2010年10月]に)」で「もう一つのコニャック・ミステリ大賞」として紹介したもの。コニャック・ポラール・フェスティヴァルで授与される賞なので、ここでは仮に「コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞」としておく。(「ポラール」はミステリを意味するフランス語)

その他

  • パトリシア・ハイスミス賞 - パスカル・バセ=シェルコ『ベイビー・ブルース』(長島良三訳、新潮文庫、1991年) - 1988年の第1回受賞作。公募新人賞か?

(以上の賞のうち、パトリシア・ハイスミス賞と2009年開始のボーヌ・ミステリ新人賞、ボーヌ・ロマンノワール大賞はメスプレード事典に項目がない)

2010年のフランス推理小説大賞翻訳作品部門・ノミネート作


作者 仏題 原題 邦題
受賞 米国 William GAY La mort au crépuscule (Le Masque) Twilight
米国 Diana ABU-JABER Origine (Sonatine) Origin
米国 デイヴィッド・フルマー(David FULMER) Jass (Rivages/Thriller) Jass
米国 ジャック・オコネル(Jack O'CONNELL) Dans les limbes (Rivages/Thriller) The Resurrectionist
米国 リチャード・プライス(Richard PRICE) Souvenez-vous de moi (Presses de la cité) Lush Life 黄金の街
米国 Craig JOHNSON Le camp des morts (Gallmeister-Noire) Death without Company
米国 Whitney TERRELL Le chasseur solitaire (Rivages/Thriller) The huntsman
英国 トム・ロブ・スミス(Tom Rob SMITH) Kolyma(Belfond noir) The Secret Speech グラーグ57
イタリア ジャンリーコ・カロフィーリオ(Gianrico CAROFIGLIO) Les raisons du doute (Seuil policiers) Ragionevoli dubbi
ドイツ フォルカー・クッチャー(Volker KUTSCHER) Le poisson mouillé (Seuil policiers) Der nasse Fisch 濡れた魚
スウェーデン ヨハン・テオリン(Johan THEORIN) L'Echo des morts (Albin Michel) Skumtimmen 黄昏に眠る秋
アイスランド Stefan MANI Noir océan (Gallimard-Série noire) Skipid
日本 島田荘司(Soji SHIMADA) Tokyo Zodiac Murders (Rivages/Thriller) 占星術殺人事件

フランス推理小説大賞・ミステリ批評家賞・813協会賞を受賞した非英語圏作品

フランス推理小説大賞
1968年 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ À tous les râteliers Traditori di tutti 裏切者
1970年 ギリシャ アンドニス・サマラキス La Faille Το λάθος きず
1971年 デンマーク アーナス・ボーデルセン Crime sans châtiment Hændeligt uheld 轢き逃げ人生
1979年 ポーランド スタニスワフ・レム Le Rhume Katar 枯草熱(こそうねつ)
1981年 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン Marquises, si vos rivages Los Mares del sur 楽園を求めた男
1993年 スペイン アルトゥーロ・ペレス=レベルテ Le Tableau du maître flamand La Tabla de Flandes フランドルの呪画(のろいえ)
2003年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Jusqu'au Dernier Feniks
2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin
2008年 スウェーデン カミラ・レックバリ La Princesse des glaces Isprinsessan 氷姫
2011年 イスラエル イシャイ・サリッド(Yishai Sarid) Le Poète de Gaza Limassol
デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家
イシャイ・サリッドはヘブライ語で執筆する作家

ミステリ批評家賞
1988年 ドイツ ホルスト・ボゼツキー Robin des bois est mort Kein Reihenhaus für Robin Hood
1993年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ La dame de Cachemire La dama de Cachemira
1999年 イタリア アンドレア・カミッレーリ La Forme de l'eau La forma dell'acqua
2000年 スウェーデン ヘニング・マンケル Le Guerrier Solitaire Villospår 目くらましの道
2002年 ロシア ボリス・アクーニン Azazel Азазель 堕ちた天使 アザゼル
2004年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Les soldats de l'aube Orion
2006年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Cité des jarres Mýrin 湿地
2007年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ Cinq femmes et demie Cinco mujeres y media
デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家

813協会賞
1994年 メキシコ パコ・イグナシオ・タイボ二世 Cosa facil Cosa fácil 三つの迷宮
2003年 スウェーデン ヘニング・マンケル Les Chiens de Riga Hundarna i Riga リガの犬たち
2006年 イタリア ジャンカルロ・デ・カタルド(Giancarlo De Cataldo) Romanzo criminale Romanzo criminale
2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin
2008年 イタリア ヴァレリオ・エヴァンジェリスティ(Valerio Evangelisti) Nous ne sommes rien, soyons tout! Noi saremo tutto

カナダ・ケベック州のミステリ賞

 カナダのケベック州はカナダのなかで唯一、フランス語のみを公用語とする州であり、カナダのほかの地域ともフランスとも違う独自の「フランス語ミステリ」の歴史があるようである。たとえば1940年代から60年代にかけては、「フランス系カナダ人のアルセーヌ・ルパン」こと怪盗紳士ギイ・ヴェルシェール(Guy Verchères)が活躍する小説シリーズが多数書かれていたそうだ。複数の作家が書き継ぐニック・カーターやセクストン・ブレイクの方式で書かれたもののようである。

 そんなケベック州では2001年にサン・パコーム推理小説協会(Société du roman policier de Saint-Pacôme)が設立されており、同州でフランス語で出版されたミステリ小説の年間最優秀作に対してサン・パコーム賞(Prix Saint-Pacôme)を授与している。サン・パコーム(聖パコーム)は町の名前である。
 この協会はほかに、短編ミステリ公募賞のリヴィエール=ウエル賞も主催している。リヴィエール=ウエルはサン・パコームを流れる川の名前である。
 また、2001年創刊のケベック州のミステリ雑誌『アリバイ』(フランス語雑誌)は短編ミステリ公募賞のアリバイ賞(Prix Alibis)を主催している。
 ほかに、カナダ推理作家協会賞(アーサー・エリス賞)にもフランス語作品部門がある。

他言語圏のミステリ賞を受賞したフランス語圏ミステリ

イギリス
  • 英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞受賞・候補歴
    • 受賞:1968年 - セバスチャン・ジャプリゾ『新車の中の女』( 最優秀外国作品賞
    • 候補:2005年 - フレッド・ヴァルガス『裏返しの男』
  • 英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴
    • 受賞 :2006年 - フレッド・ヴァルガス『死者を起こせ』
    • 候補:2006年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Dead Horsemeat"
    • 候補:2006年 - ヤスミナ・カドラ "Autumn of the Phantoms"
    • 受賞 :2007年 - フレッド・ヴァルガス "Wash This Blood Clean From My Hand"
    • 候補:2007年 - ヤスミナ・カドラ『テロル』
    • 受賞 :2008年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection"
    • 候補:2008年 - フレッド・ヴァルガス "This Night's Foul Work"
    • 受賞 :2009年 - フレッド・ヴァルガス『青チョークの男』
    • 候補:2010年 - トニーノ・ベナキスタ "Badfellas"
    • 候補:2011年 - ジャン=フランソワ・パロ "The Saint-Florentin Murders"
    • 候補:2011年 - フレッド・ヴァルガス "An Uncertain Place"

※最優秀外国作品賞 - 1964年から1969年まで、イギリスの作品がゴールド・ダガー賞を受賞した際にはそれとは別に最優秀外国作品賞が、イギリス以外の作品が受賞した際には最優秀英国作品賞が選出されていた。

ドイツ
  • ドイツ・ミステリ大賞
    • 2001年 1位 - ジャン=クロード・イゾ "Chourmo"
    • 2002年 2位 - ヤスミナ・カドラ "L'Automne des chimères"
    • 2004年 1位 - フレッド・ヴァルガス "Pars vite et reviens tard"
    • 2011年 3位 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection"

北欧
  • スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞
    • 1981年 - セバスチアン・ジャプリゾ『殺意の夏』
    • 1983年 - ピエール・マニャン "Le commissaire dans la truffière"
    • 2006年 - フィリップ・クローデル『灰色の魂』
  • デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(最優秀翻訳ミステリ賞)
    • 2011年 - ジャン=クリストフ・グランジェ "Miserere"
  • フィンランド・ミステリ協会 外国推理作家賞
    • 2008年 - フレッド・ヴァルガス


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