河西出版社《世界推理文学全集》(全20巻)、《河西推理選書》(全36巻)

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2011年11月11日

 韓国の出版社・河西(ハソ)出版社(하서출판사)が1970年代に刊行した世界ミステリ全集の刊行リスト。河西(ハソ)出版社は1970年代に以下の3つの全集(選集)を出している。

  • 世界推理文学全集(旧版) 全10巻(1974年)
  • 世界推理文学全集(新版) 全20巻(1977年 第1期全10巻、1978年 第2期全10巻)
  • 河西(ハソ)推理選書 全36巻(1977年~1978年)

 《世界推理文学全集》は箱入りの豪華本、《河西(ハソ)推理選書》はノベルス風の軽装版である。収録タイトルは大部分が重なっているが、《全集》と《選書》の片方にしか収録されていない作品もある。

世界推理文学全集 旧版(1974年、全10巻)

韓国語表記:세계추리문학전집 [世界推理文學全集]

 日本の作品は青で示す。
作者 一般的な邦題 作者名韓国語表記 韓国語タイトル 訳者 出版年
01 ダシール・ハメット 『血の収穫』 D. 해미트 『피의 수확』 キム・サンイル(金相一) 1974
アガサ・クリスティ 『そして誰もいなくなった』 A. 크리스티 『검은 인형』(黒い人形) キム・サンイル(金相一)
02 レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』 R. 챈들러 『길고 긴 이별』 チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1974
03 松本清張 『ゼロの焦点』/『点と線』 松本淸張(송본청장) 『0의 초점』/『점과 선』 カン・ヨンジュン(姜龍俊) 1974
04 コナン・ドイル 『バスカビル家の犬』ほか A. C. 도일 『바스키빌가의 개』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1974
エドガー・アラン・ポー 「黒猫」ほか E. A. 포우 「검은 고양이」 ヒョン・ジェフン(玄在勲)
05 モーリス・ルブラン 『怪盗紳士ルパン』 M. 르블랑 『괴도신사 루팡』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1974
江戸川乱歩 『陰獣』ほか 江戶川亂步(강호천란보) 『음수』 カン・ヨンジュン(姜龍俊)
06 エド・マクベイン 『警官嫌い』 E. 맥베인 『경관 혐오』 イ・ジョンギ(李廷基) 1974
イーデン・フィルポッツ 『闇からの声』 E. 필포츠 『암야의 소리』 イ・ジョンギ(李廷基)
07 F・W・クロフツ 『樽』 F. W. 크로프츠 『아네뜨의 죽음』(アネットの死) チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1974
08 ハドリー・チェイス 『幸いなるかな、貧しき者』 J. H. 체이스 『가난한 자는 복이 있나니』 イ・ジョンギ(李廷基) 1974
E・S・ガードナー (不明) E. S. 가아드너 『법의 사각』(法の死角) イ・ジョンギ(李廷基)
09 ジョン・ル・カレ 『寒い国から帰ってきたスパイ』 J. L. 카레 『추운 나라에서 온 스파이』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1974
エリック・アンブラー 『あるスパイの墓碑銘』 E. 엠블러 『어느 스파이의 묘비명』 ヒョン・ジェフン(玄在勲)
10 フレデリック・フォーサイス 『ジャッカルの日』 F. 포사이드 『재코올의 날』 キム・サンイル(金相一) 1974

  • 4の収録作:コナン・ドイル『バスカビル家の犬』「赤毛連盟」「銀星号事件」「まだらの紐」「ボヘミアの醜聞」、エドガー・アラン・ポー「黒猫」「モルグ街の殺人」
  • 5の収録作:モーリス・ルブラン『怪盗紳士ルパン』(短編8編、収録作は創元推理文庫版と同じ)、江戸川乱歩『陰獣』「心理試験」「屋根裏の散歩者」「二銭銅貨」

世界推理文学全集 新版(1977-1978年、全20巻)

韓国語表記:세계추리문학전집 [世界推理文學全集]

 第1期全10巻は旧版とほぼ共通するが、全10巻のうち3つの巻の収録内容が変わっている。
  • 【旧】ハメット『血の収穫』、クリスティ『そして誰もいなくなった』 → 【新】クリスティ『オリエント急行殺人事件』、『そして誰もいなくなった』
  • 【旧】ルブラン『怪盗紳士ルパン』、江戸川乱歩『陰獣』 → 【新】江戸川乱歩『孤島の鬼』、『陰獣』
  • 【旧】マクベイン『警官嫌い』、フィルポッツ『闇からの声』 → 【新】シムノン『男の首』、フィルポッツ『闇からの声』

 また、ハドリー・チェイスとE・S・ガードナーの合巻がなくなり、代わりにクイーン『Yの悲劇』が入っている。

 第1期全10巻のややぼやけた写真はこちらで見られる → リンク
 江戸川乱歩の『陰獣』と『孤島の鬼』を収録した第7巻の表紙写真はこちらで見られる → リンク (写真はクリックで拡大可能)

 日本の作品は青で示す。
第1期全10巻(1977年)
作者 一般的な邦題 作者名韓国語表記 韓国語タイトル 訳者 出版年
01 アガサ・クリスティ 『オリエント急行殺人事件』
『そして誰もいなくなった』
A. 크리스티 『오리엔트 특급 살인사건』
『그리고 아무도 남지 않았다』*
ファン・ジョンホ(黄鐘灝)
ファン・ジョンホ(黄鐘灝)*
1977
02 コナン・ドイル 『バスカビル家の犬』ほか A. C. 도일 『바스키빌가의 개』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1977
エドガー・アラン・ポー 「黒猫」ほか E. A. 포우 「검은 고양이」 ヒョン・ジェフン(玄在勲)
03 ジョルジュ・シムノン 『男の首』 J. 심농 『사나이의 목』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1977
イーデン・フィルポッツ 『闇からの声』 E. 필포츠 『어둠 속의 목소리』* イ・ガヒョン(李佳炯)*
04 エラリー・クイーン 『Yの悲劇』 E. 퀴인 『Y의 비극』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1977
05 F・W・クロフツ 『樽』 F. W. 크로프츠 『통』* チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1977
06 松本清張 『ゼロの焦点』/『点と線』 松本淸張(송본청장) 『0의 초점』/『점과 선』 カン・ヨンジュン(姜龍俊) 1977
07 江戸川乱歩 『陰獣』
『孤島の鬼』
江戶川亂步(강호천란보) 『음수』
『고도의 마인』
ペク・キルソン(白吉善)*
ペク・キルソン(白吉善)
1977
08 レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』 R. 챈들러 『길고 긴 이별』 チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1977
09 ジョン・ル・カレ 『寒い国から帰ってきたスパイ』 J. L. 카레 『추운 나라에서 돌아온 스파이』* ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1977
エリック・アンブラー 『あるスパイの墓碑銘』 E. 엠블러 『어느 스파이의 묘비명』 ヒョン・ジェフン(玄在勲)
10 フレデリック・フォーサイス 『ジャッカルの日』 F. 포사이드 『재코올의 날』 キム・サンイル(金相一) 1977
第2期全10巻(1978年)
11 カトリーヌ・アルレー 『わらの女』 C. 아를레 『꼭둑각시 여인』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1978
ノエル・カレフ 『死刑台のエレベーター』 N. 칼레프 『사형대의 엘리베이터』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝)
12 ウィリアム・アイリッシュ 『幻の女』ほか W. 아이리시 『환상의 여인』 キム・ヨングォン(金容権) 1978
13 ガストン・ルルー 『黄色い部屋の秘密』 G. 르루 『황색방의 비밀』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1978
ジョン・ディクスン・カー 「奇蹟を解く男」 J. D. 카아 「기적을 푸는 사나이」 イ・ガヒョン(李佳炯)
14 E・S・ガードナー 『すねた娘』 E. S. 가아드너 『토라진 아가씨』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1978
ジョン・バカン 『39階段』 J. 버칸 『39계단』 イ・ガヒョン(李佳炯)
15 E・C・ベントリー 『トレント最後の事件』 E. C. 벤틀리 『트렌트의 마지막 사건』 チェ・ジョンス(崔鍾洙) 1978
オースティン・フリーマン 「オスカー・ブロズキー事件」ほか A. 프리이먼 「오스카 브로드스키 사건」 チェ・ジョンス(崔鍾洙)
16 アイラ・レヴィン 『死の接吻』 I. 레빈 『죽음의 키스』 ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀) 1978
アントニー・バークリー 「偶然の審判」 A. 버어클리 「우연의 심판」 ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀)
17 ロス・マクドナルド 『ウィチャリー家の女』/「女を探せ」 R. 맥도널드 『위철리가의 여인』/「여인을 찾아라」 チョン・デス(鄭大秀) 1978
18 S・S・ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』 S. S. 반다인 『승정 살인사건』 ペク・キルソン(白吉善) 1978
ジャック・フットレル 「13号独房の問題」 J. 후트렐 「13호독방의 문제」 ペク・キルソン(白吉善)
19 横溝正史 『本陣殺人事件』 橫溝正史(횡구정사) 『본진 살인사건』 カン・ビョンヒ(康炳希) 1978
森村誠一 『高層の死角』 森村誠一(삼촌성일) 『고층의 사각』 アン・スンバル(安承渤)
20 ファン・ジョンホ編 (世界推理名作短篇選) 황종호 편 『세계 추리 명작 단편선』 ? 1978

 『そして誰もいなくなった』、『闇からの声』、『樽』、『寒い国から帰ってきたスパイ』は旧版と訳題が異なっている。
 『そして誰もいなくなった』、『闇からの声』、『陰獣』は旧版と訳者が異なっている。

  • 12の収録作:ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』「踊り子探偵」「一滴の血」
  • 15の収録作:E・C・ベントリー『トレント最後の事件』、オースティン・フリーマン「オスカー・ブロズキー事件」「バーナビイ事件」
  • 20 ファン・ジョンホ編『世界推理名作短篇選』の収録作
    • アガサ・クリスティ「夜鶯荘」
    • エラリー・クイーン「三人の寡婦」
    • トマス・バーク「オッターモール氏の手」
    • ロバート・バー「放心家組合」
    • アーネスト・ブラマ「ブルックベンド荘の悲劇」
    • ロード・ダンセイニ「二壜のソース」
    • M・D・ポースト「ズームドルフ事件」
    • G・K・チェスタトン「奇妙な足音」
    • ロナルド・ノックス「密室の行者」
    • ヒュー・ウォルポール「銀の仮面」
    • ウィルキー・コリンズ「人を呪わば」
    • バロネス・オルツィ「ダブリン事件」
    • アーサー・モリスン「レントン館盗難事件」
    • ドロシー・L・セイヤーズ「疑惑」

 ファン・ジョンホ編『世界推理名作短篇選』の収録作は、「三人の寡婦」と「奇妙な足音」以外は江戸川乱歩編『世界短編傑作集』全5巻(創元推理文庫、1960-1961年)に収録されている。

河西(ハソ)推理選書(1977-1978年、全36巻)

韓国語表記:하서추리선서 [河西推理選書]


【2011年11月12日 追記】木魚庵さん( @mokugyo_note )が提供して下さった河西(ハソ)推理選書版・横溝正史『本陣殺人事件』の表紙写真。
『本陣殺人事件』は韓国では2003年と2011年にも別の訳者の訳で刊行されている。→2003年版表紙2011年版表紙

 日本の作品は青、韓国の作品は赤で示す。
作者 一般的な邦題 作者名韓国語表記 韓国語タイトル 訳者 出版年
01 エラリー・クイーン 『Yの悲劇』 E. 퀴인 『Y의 비극』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1977
02 エリック・アンブラー 『あるスパイの墓碑銘』 E. 엠블러 『어느 스파이의 묘비명』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1977
03 松本清張 『ゼロの焦点』 松本淸張(송본청장) 『0의 초점』 カン・ヨンジュン(姜龍俊) 1977
04 アガサ・クリスティ 『オリエント急行殺人事件』 A. 크리스티 『오리엔트 특급 살인사건』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1977
05 F・W・クロフツ 『樽』 F. W. 크로프츠 『술통』* チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1977
06 レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』 R. 챈들러 『길고 긴 이별』 チョン・ギュウン(鄭奎雄) 1977
07 イーデン・フィルポッツ 『闇からの声』 E. 필포츠 『어둠 속의 목소리』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1977
08 フレデリック・フォーサイス 『ジャッカルの日』 F. 포사이드 『재코올의 날』 キム・サンイル(金相一) 1977
09 江戸川乱歩 『孤島の鬼』 江戶川亂步(강호천란보 ) 『고도의 마인』 ペク・キルソン(白吉善) 1977
10 ジョン・ル・カレ 『寒い国から帰ってきたスパイ』 J. L. 카레 『추운 나라에서 돌아온 스파이』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1977
11 アガサ・クリスティ 『そして誰もいなくなった』 A. 크리스티 『그리고 아무도 남지 않았다』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1977
12 コナン・ドイル 『バスカビル家の犬』 A. C. 도일 『바스키빌가의 개』 ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1977
13 ウィリアム・アイリッシュ 『幻の女』 W. 아이리시 『환상의 여인』 キム・ヨングォン(金容権) 1977
14 ジョルジュ・シムノン 『男の首』 J. 심농 『사나이의 목』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1977
15 ヒョン・ジェフン(玄在勲) (熱い氷河) 현재훈(玄在勳) 『뜨거운 빙하』 - 1977
16 ヒョン・ジェフン(玄在勲) (流れる標的) 현재훈(玄在勳) 『흐르는 표적』 - 1977
17 ガストン・ルルー 『黄色い部屋の秘密』 G. 르루 황색방의 비밀 イ・ガヒョン(李佳炯) 1977
18 江戸川乱歩 『陰獣』 江戶川亂步(강호천란보) 『음수』 ペク・キルソン(白吉善) 1977
19 S・S・ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』 S. S. 반다인 『승정 살인사건』 ペク・キルソン(白吉善) 1977
20 松本清張 『点と線』 松本淸張(송본청장) 『점과 선』 カン・ヨンジュン(姜龍俊) 1977
21 カトリーヌ・アルレー 『わらの女』 C. 아를레 『꼭둑각시 여인』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1978
22 森村誠一 『人間の証明』 森村誠一(삼촌성일) 『인간의 증명』 ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀) 1978
23 E・C・ベントリー 『トレント最後の事件』 E. C. 벤틀리 『트렌트의 마지막 사건』 チェ・ジョンス(崔鍾洙) 1978
24 E・S・ガードナー 『すねた娘』 E. S. 가아드너 『토라진 아가씨』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1978
25 アイラ・レヴィン 『死の接吻』 I. 레빈 『죽음의 키스』 ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀) 1978
26 森村誠一 『高層の死角』 森村誠一(삼촌성일) 『고층의 사각』 アン・スンバル(安承渤) 1978
27 ノエル・カレフ 『死刑台のエレベーター』 N. 칼레프 『사형대의 엘리베이터』 ファン・ジョンホ(黄鐘灝) 1978
28 エド・マクベイン 『警官嫌い』 E. 맥베인 『경관 혐오』 イ・ジョンギ(李廷基) 1978
29 横溝正史 『本陣殺人事件』 橫溝正史(횡구정사) 『본진 살인사건』 カン・ビョンヒ(康炳希) 1978
30 ロス・マクドナルド 『ウィチャリー家の女』 R. 맥도널드 『위철리가의 여인』 チョン・デス(鄭大秀) 1978
31 ジョン・バカン 『39階段』 J. 버칸 『39계단』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1978
32 ハドリー・チェイス 『幸いなるかな、貧しき者』 J. H. 체이스 『가난한 행복』* イ・ジョンギ(李廷基) 1978
33 ジョン・ボール 『夜の熱気の中で』 J. 보올 『밤의 열기 속에서』 ハ・ヨンジン(河永辰) 1978
34 パトリシア・ハイスミス 『太陽がいっぱい』 P. 하이스미스 『태양은 가득히』 ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀) 1978
35 森村誠一 『野性の証明』 森村誠一(삼촌성일) 『야성의 증명』 カン・ビョンヒ(康炳希) 1978
36 松本清張 『砂の器』 松本淸張(송본청장) 『모래그릇』 カン・ビョンヒ(康炳希) 1978

 5、32は《世界推理文学全集》版と訳題が異なっている。

(※以上のリストは韓国国立中央図書館の蔵書データを検索して作成した。)
(※《世界推理文学全集》新版の第1期全10巻は、旧版と同じものだと見なされてしまったためか、韓国国立中央図書館には所蔵されていない。)

 1970年代当時、韓国では日本の人物名は漢字表記したうえで韓国語の発音で読むのが普通だったようで、河西推理選書に収録されている四人の日本の推理作家名は当時は以下のように読まれていたはずである。(日本でいえば、李承晩を「り しょうばん」と読むか「イ・スンマン」と読むかの違いである)

  • 江戸川乱歩 → カンホチョルランボ (강호천란보)
  • 横溝正史 → フェングジョンサ (횡구정사)
  • 松本清張 → ソンボンチョンジャン (송본청장)
  • 森村誠一 → サムチョンソンイル (삼촌성일)

主要翻訳者紹介

【2011年11月12日 追加】
  • ヒョン・ジェフン(玄在勲)(현재훈)(1933-1991)
    • 『バスカビル家の犬』、「黒猫」、『寒い国から帰ってきたスパイ』、『あるスパイの墓碑銘』の翻訳を担当。
    • 純文学作家、推理作家。1959年デビュー。早くから文学に推理小説の手法を導入していた。《河西推理選書》には自身の推理小説も収録されている。1985年、推理小説の短編集『絶壁』で韓国推理作家協会主催・韓国推理文学賞の第1回大賞を受賞した。作品の邦訳はない。
  • イ・ガヒョン(李佳炯)(이가형)(1921-2001)
    • 『黄色い部屋の秘密』、「奇蹟を解く男」、『すねた娘』、『39階段』、『闇からの声』、『男の首』の翻訳を担当。
    • 英文学者。1942年、熊本の旧制第五高等学校卒業。その後東京帝大文学部に進学。1956年から1年間、アメリカのウィリアムズ大学に留学。1972年、韓国ミステリクラブを結成しその会長となる。1983年、同クラブから発展して韓国推理作家協会が設立されるとその初代会長も務めた。1984年3月、東京で開催された国際ペン大会に韓国代表として参加し、日本推理作家協会の中島河太郎と面会した。この面会の様子は中島河太郎が『日本推理作家協会会報』1984年6月号(No.426)で伝えている。1990年と1992年の日韓両国の推理作家協会の交流会に参加(→詳細はこちらの記事)。1995年、自身の戦争体験を日本語で綴った『怒りの河 ビルマ戦線狼山砲第二大隊朝鮮人学徒志願兵の記録』(連合出版)を上梓した。
  • ファン・ジョンホ(黄鐘灝)(황종호)(????- ? )
    • 『Yの悲劇』、『そして誰もいなくなった』、『オリエント急行殺人事件』、『わらの女』、『死刑台のエレベーター』の翻訳を担当。『世界推理名作短篇選』の編者。
    • 英文学者。ソウル大学大学院英語英文学科を修了後、仁荷(イナ)大学英語英文学科で文学博士の博士号取得。1972年に結成された韓国ミステリクラブでは総務を務めた。中島河太郎と何度か書簡のやり取りをし、1982年ごろには面会もしている。『日本推理作家協会会報』1984年6月号(No.426)に「韓国推理小説の現状」を寄稿している。

 推理作家のクォン・ギョンヒ(権敬姫、권경희)さんのブログ記事でヒョン・ジェフン氏とイ・ガヒョン氏の写真が見られる。

 左から2番目がヒョン・ジェフン氏、左から3番目がイ・ガヒョン氏。
 なお、その隣の女性が推理作家のクォン・ギョンヒさん(受賞者)で、その隣が『最後の証人』などが邦訳されているキム・ソンジョン氏である。