韓国SFメモ

2011年1月24日~時々更新
  • 最終更新:2011年9月4日

 韓国SFについてのメモ。

Index

(1)邦訳された韓国SF

 韓国SFの邦訳はあるのだろうか? とりあえず、ネット上をさまようだけでは見つけられなかった。

【2011年7月10日追記】韓国SFの邦訳が『新潮』2011年6月号(新潮社サイト)に掲載されました。(日韓中の文芸誌が共催する「文學アジア3×2×4」という企画で掲載された小説で、日韓中の3文芸誌に同時掲載された)

  • チョウ・ヒョン「ゴッホとの一夜」(翻訳:金明順) (조현「고흐와의 하룻밤」)
    • タイムトラベルが可能になった未来。惑星宗教連盟が、ある特定時間へのタイムトラベルの禁止を求めて、惑星連邦観光庁を訴える。「銀河観光ジャーナル」に、観光庁側が提出した関連資料が再録される――。
  • パク・ミンギュ「ロードキル ―Roadkill」(翻訳:渡辺直紀) (박민규「로드킬」)
    • (読んでいくうちに分かってくる舞台設定が非常に魅力的なので、あらすじは書かないでおきます。)

 チョウ・ヒョン … 1968年or1969年生まれ、男性、2008年デビュー。インタビュー記事(2010年1月7日)(韓国語) (※ 日本語表記は「チョ・ヒョン」とするのが普通)
 パク・ミンギュ … 1968年生まれ、男性、2003年デビュー。

(2)韓国SFについてのイベント(日本)

韓国SF入門|第49回日本SF大会TOKON10 2010.8.7-8 (2010年8月8日、東京)
韓国SF入門|第50回日本SF大会ドンブラコンL 【台風のため講演者が来日できず、中止】(2011年9月3日、静岡県コンベンションアーツセンター)
  • 韓国で私設のSF図書館を運営するチョン・ホンシク氏(全弘植、日本語Twitter韓国語Twitter)による韓国SFについての講演。

(3)韓国SFについて知るための基本文献(日本語)

ネット上の文献

 ネット上で「韓国SF」などのキーワードで検索すると、以下の2つのページが見つかる。韓国SFについて日本語でまとめた先駆的なものである。


 上記の2つの記事はやや古くなってしまっているので、その補足記事を書きました。併せてご覧ください。

『SFマガジン』等


 北原尚彦「日本語で読める韓国SF」では、いくつか韓国の作品の邦訳が紹介されているが、国際情勢の「if」を描くものばかりで、SF的なSFはない。
 大森望「大森望の新SF観光局第8回 テッド・チャン経由コリアSFレポート」は、「韓国翻訳SF事情」と副題がついており、韓国のオリジナルSFではなく韓国の翻訳SF事情について書いたものである。

(4)Wikipediaの韓国SF関連記事リンク集(日本語、韓国語)

日本語


韓国語


(5)【原書】韓国のSFアンソロジーおよび関連アンソロジー

 タイトルをクリックすると、韓国のネット書店アラジンの該当ページが開きます。

【原書】韓国SFアンソロジー


  • ファングムカジ(黄金の枝)社のアンソロジー
    • U, Robot 韓国SF短編10選』(2009年2月)
      • チョン・フィジャ、クァク・チェシク、パク・ソンファン、パク・エジン、キム・ジュヨン、チョン・ソヨン、イム・テウン、デュナ、キム・ボヨン、ペ・ミョンフン
    • パパの宇宙旅行 韓国SF短編選』(2010年5月)
      • ヤン・ウォニョン、キム・ヒョンジュン、リュ・ヒョンソク、チョン・ソヨン、チョン・ボラ、キム・ドゥフム、イム・テウン、チョン・フィジャ、チョン・ヘボク、クァク・チェシク

 『日本SFの想像力』(2010年7月)という本も見つけたのでついでにメモ。


【原書】韓国幻想文学アンソロジー

  • ファングムカジ(黄金の枝)社版
    • 韓国幻想文学短編選』(2008年7月)
      • キム・イファン、キム・ジュヨン、チョン・ソヨン、パク・エジン、ペク・ソヒョン、イ・スヒョン、ウンロム、ペ・ミョンフン、クァク・チェシク、キム・ボヨン
  • シジャク社版
    • 韓国幻想文学短編選』(2008年8月)
      • キム・チョルゴン、チョン・ジウォン、チェ・ジヘ、パン・ジナ、ホン・ジョンフン、リュ・ヒョンソク、イ・ソンヒョン、キム・ジェハン、イ・サンミン
    • 韓国幻想文学短編選 2』(2009年8月)
      • カン・ジヨン、ペ・ミョンフン、ウンロム、キム・イファン、キム・ジュヨン、イム・テウン、クォン・ミンジョン、キム・ジヒョン、チョン・ジウォン、キム・ドゥフム、イ・スヒョン、ヤン・ミヒョン、イ・サンミン

 「韓国幻想文学短編選」は2つの出版社から異なる本が同じ題名で刊行されているので注意。

(6)関連メモ

創元SF文庫『超弦領域 年刊日本SF傑作選』(2008年の作品を対象とするアンソロジー) - 韓国出身の漫画家・BoichiのSF漫画「全てはマグロのためだった」収録。


最終更新:2011年07月11日 02:27