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予感  作詞/239スレ135

マリーは不意に胸騒ぎに襲われ、あたりを見回した。
反射的に左手を差し出したが、そこに彼はいない。
「…何やってるのかしら、私。」
単身、ジャポネに降り立った彼女であるが、片時もかつての恋人-シルヴェストル-を忘れたことは無かった。
しかしながら、このように傍にいない彼を頼るような仕草をとったことはこれまでに無かった。
それは彼女自身の誓いであり、埠頭で交わした二人の約束であったのだ。
彼女が留学を終える来年。
「二人が共に育ったストラスブールの地、ライン川のほとりの教会で式をあげる。
それまで、シルヴィーには依存しない、そう誓ったじゃないの。
なのに…何故かしら、このざわついた気持ちは。まるで心臓が凍り付いてしまいそう…。」
それは、故郷で彼女の帰りを待つシルヴェストルの身に何かが起こったと予感させるのに、充分すぎた。
「シルヴィー…。」
彼女は無意識に彼の名を呼んだ。
まるでジャパニメーションのワンシーンのように。
虚空を見つめ、ただ彼の名を呼んだ。