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きみをおもうころ  作詞/規制用2スレ593

今朝郵便受けを叩いた浅葱色の便箋
宛名には僕の名前を書いた癖のある丸文字
手紙の一行目には「君へ」とただ一言
妙に心地好いその響きが、耳の奥で鳴っている
擦り切れた短い思い出を一枚ずつめくる度に
僕のことなんてどうでもよさそうに、君は自分のことばかり
昔見た映画のようにと、最後まで笑って手を振った
僕はそんなに器用じゃないし、口を噤んでそれに答えた
それから幾度の季節を慌ただしく過ごしてみれば
君より先に僕の方が、あの日々を忘れてしまったんだね
久し振りの公園には思い出などすでに無く
そうして人は年を重ねていく、割り切ることにも慣れた
錆びたベンチに腰を落ち着けてふと寂しげな右隣
そんな何気ない仕草に笑い、何処かほっとしている僕
ブランコにはしゃぐ子供をいつしか君と重ねていた
木漏れ日が僕の肩を濡らせば、君の温もりに似た匂い
ざらついた線と点の残り香、君の声をそこに探している
写真は一枚もないけれど、笑顔は容易く思い出せる
これから何度かの季節が僕の心に影を落としても
君のことをまた忘れても、どうにかなるような気がしている
僕が君にあげたものは今じゃ何なのか不確かだけど
君が僕にくれたものは今でも
昔見た映画のようにと、さよならの一言も言わないで
強がる僕を優しく包む、君の戸惑った顔も覚えてる
明日になればまた同じ日々が君抜きで回り始めるけど
どうにかやるさ、自信はないけど 君を思えばそれでも
君を思えばそれでも