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その瞬間、パンッ!とフラッシュが焚かれたような真っ白な光がはじけ飛び、
同時に何かが爆発したかのような音が僕の鼓膜を貫いた。
その光のあまりの眩しさに僕は思わず目を瞑り、
その目を開けた時には、アスカは目の前に腰掛けていた。

至近距離の中、アスカは黙って僕を見つめる。
僕も声を失ったかのように黙ってアスカを見つめる。
先ほどの残光が目から消え、アスカに焦点が合うまでしばらく沈黙が流れる。

「ずっと、ずっと、シンジを待っていたわ。」
ゆっくりと動くアスカの口の動き。耳を通して聞こえる声。
アスカだ。僕の最愛の妻だ。
右手は、繋がれたまま。このまま放したくない。いや、怖くて離せない。
「僕もだよ、アスカ。君と会える日をずっと待っていた。」
「…」
「何?」
「この手」
「え?」
「あの日、あたしを救ってくれた、この手。」
アスカの両目から涙がこぼれ落ちる。
「シンジはいつもこの手で、あたしを救ってくれた。」
「…うん」
「浅間山でも、サードインパクトの時も、」
「…うん」
「あたしに自分の気持ちを気づかせてくれた時も」
「僕も、」
「僕もアスカのこの手に助けてもらったよ。」
「あたしが?シンジを?」
「そうだよ。」
「ホントに?」
「僕がアスカに嘘ついたことある?」

アスカはちょっとうつむいて、目を伏せる。左手で何度も涙を拭う。
頬が上気しているのが、わかる。
その頬にゆっくりと僕は左手を触れる。
赤みが増し、僕の手を通して、アスカの体温が伝わってくる。
気がつくと僕も、泣いていた。

「僕は…君とこの数日の間に、何度か会っていた気がする。」
「うん。」
「あれは、やっぱりアスカだったの?」
「あれ」が何を指すのか、アスカははっきりと分かっていて、
僕の目を見つめ、しっかりと頷く。
「あたしが、あなたを呼んだの。
あたしがシンジの夢に出てきたのは、あたしがあなたを求めていたから。」
「うん。分かっていたよ。」
これ以上ないくらい、まっすぐな言葉で、瞳で、
誠実に、素直に、
アスカは僕に彼女の本心を語ってくれた。

「あたしは、ただ、寂しかったの。シンジに傍にいてほしかったの。」
今となってはもう戻れないけれど、
僕はこの数日でアスカの想いを痛いほど心に染みこませてきた。
だから、僕も。
「うん。あの時は気づかなかったんだ…。本当に後悔しているよ…。」
僕たちはいつの間にか、ベッドの中で横になっている。
アスカとキスを交わし、髪をかき上げ、耳元で囁く。
「僕は、気づかなかった。こんなにもアスカを愛していることに。」
「あたしもよ…。」

「ごめんね」
「ごめんなさい」
2人同時に出た言葉。謝罪の言葉。
だけど、謝罪だけじゃない、色んな意味を含んだ言葉。
同時に出たことで、僕たちは少し安心する。
まだ、繋がっているんだ、僕たちは。
だから、

「アスカ…、」
「何?」
「僕たち、やり直せると思うんだ、」
「うん、」
「もう一度、一緒に」
その次の言葉は、アスカの唇によって塞がれてしまった。
僕たちは、また、1つになる。

お互いの気持ちをお互いの身体に流し込み、受け入れ、
そうやって僕たちはこの一瞬を貪った。
アスカは、やっぱりちょっと痩せたけど、
それでも美しい肌と甘美な触感をもって、僕を受け入れてくれた。
ここはネルフの施設内で、監視されてるとかどうとか、
そんなことは関係なかった。
僕たちは、確実に、その瞬間、2人だけの世界にいたんだ。
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