20話


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時計の針はもう3時を回っていたけれど、
僕は眠ることができずに、横になってぼんやりと天井を眺めていた。
これからどうすればいいだろう…。
どこかに突破口はあるはずだ。
簡単に考えを整理してみる。
まず、目的は、アスカに会うこと。
最終的な目標は、その後のことになるから、とにかくアスカに会うこと。
彼女が僕に救いを求めているのは間違いない。
アスカを救えるのは、僕しかいないんだ。
だから、僕はなんとしてでもアスカに会いに行く。

そのために何が最善の手段たりうるか。
1つ目。鈴原夫妻のところに行き、今までのことを話して情報提供をお願いする。
これが一番僕としてはやりやすい。
2つ目。ちょっと乱暴だけど、ネルフのどこか(おそらくMAGIの中だろう)にある
アスカのデータをなんとかして見て、居場所を掴む。

「ネルフに一度関わった人間は、終生ネルフから逃げることはできない。」
以前、リツコさんからそんな話を聞いたことを思い出す。
そうか、考えてみればトウジもあんな事故がなければ、
今でも第3新東京市でネルフの一員として、僕と同じように働いてる筈。
片足を失い、幸いそれはネルフの技術の結晶の賜物で、見た目殆どわからない
義足と彼の必死のリハビリの成果によって、克服することはできたけれど、
彼の心の傷とあの時の恐怖と苦しみ・痛みは、絶対に癒えない。
「なんやこれ、ダース・ベイダーみたいやな」
古いSF映画を引き合いに出し、自分の義足を撫でながら
精一杯の愛想笑いをする当時の彼を、
僕はまともに見ることすらできなかった。

だから彼はここを離れたし、ミサトさんも無理に止めようとはしなかった。
そんな彼でも、松代支部に出入りをする形で、関係者としてまだ留まっている。
それを考えたら、アスカが簡単に自由になれるわけがない。
絶対に間違いなく、ネルフの管理下におかれている筈だ。

1つ、気になること。
なぜ、ヒカリは自分がネルフ関係者であることを黙っていたのか。
守秘義務があるとは言え、同じ関係者である僕とアスカとの関わりの中で、
黙っている必要があるとも思えない。

「…うまくいくといいわね。」
「ネルフの諜報部で…」
瞬間、ミサトさんとバイト君(いや、バイトじゃないけど)の言葉を思い出し、
さっきのミサトさんの表情を思い出し、
それと同時に1つの推論が天井から降ってくる。
それが僕の中に取り込まれる頃、僕の中でその推論は半ば確信に変わっていた。

決めた。明日、ヒカリの所に行こう。
「あおば小麦工房」じゃない。
ネルフの諜報部だ。
そこに、鍵がある。きっと。
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