子供たちの歌は終わらない3

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「あんた、アスカにいいようにやられちゃってんじゃないの? このままじゃ、シンちゃんだけじゃなくてアスカまでダメになるわ」 「え…でもミサトさん、アスカはそうしてあげなくちゃ…」 「それが甘いのよ。あんた自分の今の状況分かってて言ってるの? 利息だけで月の給料殆ど飛んでいくのよ、借金返す為に借金してるのよ、 破滅寸前なのよ!このままじゃネルフにだっていられなくなるわ…」 その後のやりとりはあまり覚えていない。 アスカには私から話してあげるから、とミサトさんが言ってくれたのに ちょっとほっとした自分がいた。 それが、ショックだった。 今僕は自己破産手続きを終え、ネルフが用意してくれたアパートにいる。 お金も地位もなくしたけど、僕がなくした一番大きなモノ。 廊下を去りゆく彼女をただ見送ることしかできない自分。 「アスカ、なんでこんなことになっちゃったんだろう?」 「は?あんたバカぁ?そりゃああんたの稼ぎが私の予想以上に 悪かったせいよ」 「で、でも僕は僕なりに頑張ったんだよ、君を失いたくなかったから…」 「…」 アスカは何も言わなかった。けれど、僕には分かった。 彼女は心の中で泣いていることを。自分のおこないを後悔していることを。 彼女が押した離婚届の印鑑は少し滲んでいた。 でも、もう元には戻らない。 床に座り込んだまま、僕はマズイ酒に頼るしかなかった。

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