紡績・縫製@工芸
概要
アルールシア帝国では、基本的には寒冷地向きの衣装を身にまとっている。
貴族の場合、肌着に、下着と上着、更に首に防寒用の布を巻くのが基本のスタイルとなる。
平民には特にそうした決まりはない。収入に応じた相応の衣装を身にまとう事になる。
また、衣服に直接留め具を取り付ける事は行われておらず、ボタンの発明はあるが、アルールシアまでは広まってはいない。
そのため、衣服はベルトなどで縛って止めるか、着替えるたびに縫い付ける事で身にまとっている。
腰の部分で縛ったり、紐を通して縛り付けたりする衣装は、通常平民達の服であり、貴族階級の者が、公式な場での衣装として身に着ける事は無い。
貴族の衣装は、通常、着替える度に逐一縫い合わせて着るようになっている。
素材
麻や木からとれる繊維、羊毛からはフエルトに毛糸、シダのような植物の胞子嚢からとれる繊維、輸入品となる絹や上絹とも呼ばれる鉱樹の樹液から作る樹絹、それに毛皮や皮革等が使われている。
極々少量の原種の綿花を利用した綿製品も存在するが、一般的とはなっていない。
この世界で生産されている綿花は食用としての改良が進み、種の毒性が除かれた事で、大豆と並ぶ、非常に良質な植物性蛋白源となり、綿毛については、セルロースのグリコシド結合が弱められ、唾液などの非常に弱い酸で分解され、グルコース、つまりブドウ糖に変わってしまうため、繊維としての利用は不可能となっている。
グリンチャ(グリンチヤ、グリンテ、クリンタ)
シダのような形態の裸子植物。
花毛から非常に良好な植物繊維が収穫可能。
熱帯から温帯、亜寒帯の一部にまで分布し、布の事をグリンチャと呼ぶほど。
通常色は悪いが、収穫期に乾燥を必要としない。
シーダ(ルシーダ、シルニダ、ジュニート、アバッサ)
地球原産の麻の一種で、いくつかの種類が知られているが、どれも非常に生育が早い。
平均で4~5メートルの高さにまで成長する。
大麻として使用されるものも生育しているが、一般的ではない。
グリンチャの普及以前は、最も一般的な衣料用の繊維だった。
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最終更新:2010年04月12日 12:00