概要
この世界には魔法、つまり野生化した微細機械群を使う存在が複数あります。
神々、
精霊、
妖魔、
魔物、
竜・ドラゴン、そして
人です。
ここでは、人の使う魔法について設定します。
また、この場合の『人』は、四大主系種族である、人、プリマ、ヴォル、そしてイルカを含むものとします。
全ての魔法使いは、『才能』のある者達(脳に特殊な器官を備えている者達)ですが、同じ才能を持った全ての人が、魔法使いになるわけではありません。
魔法使いとしての才能が必要とされるのは、マナを集めたり、自身の体の外に存在するマナへの指示を行う場合であり、才能が無くても、訓練次第では自身の体内に存在するマナの行使は可能です。
また、人の魔法使いはマナに対する命令を行う際、「言葉」を発したり、複雑な紋様を空中に描いたり、印を結んだりする事が多いのですが、これは才能次第で必要ない場合もあります。
言葉や動作は脳の様々な部位の活動を活発にし、前頭葉の器官を刺激する効果があるため、実際に効果が無いわけではありません。
1.魔法使い達
魔法使いが魔法を使う場合、それを意識した脳の前頭葉の一部が興奮し、それに伴い特定周波の電磁派や音波を発生させます。
必要なエネルギー量が大きく、その際に発生する熱も大きいため、マナさえあれば、いくらでも使えるというものではありません。
いざとなれば、体内のマナを使って冷却したり、エネルギーの補充を行ったりといった行為も可能ですが、無理をすればその分、体内のどこかしらに負担がかかるため、魔法の使いすぎは、非常に危険です。
無茶な魔法の使い方は、即座に脳の破壊へとつながりますし、そこまでいかなくても、恒常的に限界まで魔法を使い続けるような生活が続くと、エネルギー消費から体内の体液バランスを崩したりしますので、肝臓やすい臓その他内臓への負担を大きくし、最終的には深刻な内臓疾患を引き起こします。
マナの項でも書いた通り、魔法の行使には大量の微細機械群が必要とされます。
そのため、魔法の行使にはまず大量のマナを集める事からはじめる必要があります。
『才能』が無いと大気中や鉱物の内部に存在しているマナに対して命令する事ができないため、当然ながらマナを『集める』行為が出来ません。
まず、使用する魔法に必要とされるマナの種類と量から、マナを呼び寄せたり増殖させるために必要な、様々な触媒を準備します。
材料が集まったら、魔法使いは必要とするマナに対し、それぞれ独自の方法で語りかけて集めます。
集まりはじめたところで触媒を使って、集まってきたマナを増殖させます。
増殖は一定の段階を超えると急激に加速しますので、一般的には、最初から一定量のマナを凝集させた物を確保しておき、使用する直前に、それを一気に増殖させて使われます。
こうして大量に準備されたマナを使って魔法を行使するのですが、一度使われると、マナの多くはエネルギーを使い果たしたり壊れたりしてしまいますので、連続で使用するのは難しくなります。
ただし、これは魔法という技術が未成熟で、マナの本来の使い方を知らないまま使用しているためであり、神々や精霊、ドラゴンの使う魔法は、この限りではありません。
アルールシア国内に存在する魔法使い達は、皇帝直属の学者達に連なる魔法使いの組織、帝国魔導協会とは別に、魔法を使う者同士の草の根的な職能組合(ギルド)も存在しており、大半の魔法使い達はそれらの組織の両方、もしくは一方に所属しており、全ての魔法使いは帝国魔道協会に登録されています。
もちろん、アルールシア国外ではこの限りではありません。各国にそれぞれ独自のシステムが存在します。
ただし、ギルドに関しては、ある程度国境を越えたつながりも存在しています。
2.魔法使い以外の者達の魔法
一定の訓練を積めば、『才能』が無い者達であっても、体内に共生しているマナを使う事ができます。
ヴァイレサックに暮らしている生物の体内に存在するマナの量は膨大で、肉体の損傷や、癌細胞などの駆逐、血中の様々な毒素の中和や排除等を行っています。
当然、そのマナを『使う』事は、血中のマナの量を減らす行為に他ならないため、新たなマナを外部から取り込むか、自然回復するまで、免疫力の低下や体内の様々な機能の低下を覚悟する必要があります。
また、人やプリマはヴァイレサック原産の生物を構成する幾つかのたんぱく質を分解する酵素を持っていない(ヴォルは持っている)ため、消化に微細機械群の助けが必須ですので、体内のマナ濃度が低下すると、地球原産の動植物以外を食べると消化不良を起こします。
体内のマナを使って行使する魔法は、肉体強化や疲労の回復、病気や怪我の治療などがあります。
この世界の騎士や戦士達の多くは、その利用法を心得ており、時々に応じてそれを行使します。
ただし、ヴァイレサック人の場合体内の様々な機能の維持を、共生しているマナに多分に依存しているため、長時間一定以上の共生マナを失ったままでいると、躁鬱状態や、深刻な内臓疾患を引き起こす場合があります。
病気や怪我の治療について命(木門)
マナによる病気や怪我の治療の効果は絶大なものがありますが、同時に、体内のマナの消耗も引き起こしますので、結局のところ、最後は本人の体力(蓄えられていたマナ量も含めた)次第という事になります。
人が使うマナによる肉体強化は、実際に筋肉量を増やしたりするわけではなく、それぞれの肉体の限界を超えるものではありません。
いわば、火事場の糞力的なもので、一度使うと、その後猛烈な筋肉痛に襲われる事になります。
騎士達は、平時の訓練においてこれを応用し、肉体の強化に役立てています。
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最終更新:2010年03月21日 02:43