職能組合(ギルド)@アルールシア帝国


目次


概要


職業別に成立している同業者達の組合組織です。
アルールシアの公用語であるソナス語では「ウニョン」「ウニョノン」と言いますが、ここではギルド、もしくは職能組合で統一します。

本来は、各職業を守護する神殿が主体となっていましたが、五色革命によってその影響力を大幅にそがれてしまったアルールシア王国(ダッセル・アルールシア連合王国以前)において、主に流動的にならざるを得なかった大工や石工等の技術者が、自らの権利を守る為に結束した事によって生まれた組織です。

その後、ギルドと呼ばれた同様の組織が他の職種においても成立し、アルールシア帝国の拡大と共に他の地域にも広がりましたが、神殿勢力の影響が強い地域では、未だに各神殿の守護下で活動している場合もあります。

とは言っても、商会や商館のような拠点をもっているギルドは多くありません。
大半は流れ者同士のちょっとしたあいさつで行われる秘密のサインや合言葉等を使って、同じギルドに属しているか否かを判断しているため、その活動は非常に表に現れにくいものとなっていますが、石工や大工のギルドの結束力は、その仕事上の必要性からも非常に強く、問題が発生した場合下手をすると、領主の呼びかけに答えて集まる者が一人もいない、などという結果を引き起こす場合がありますので、専門の大工や石工達への保護は、どこの街でも徹底しておこなわれています。

新しく作る場合に集まらないのは、最悪仕方ないとしても、既にある街や城や街道や水道、それから砦等の補修に、大工や石工が集まらないことにでもなれば、下手をすると国家の存亡に関わる重大事になってしまいます。

ちなみに、一般の農民達が住む家を作るために、大工や石工は必要ありません。農民たちが協力して、自分たちの手で一から造ってしまいます。

大工や石工は、基本的にはこの世界の、芸術家兼大手のゼネコンのようなものだと考えて問題ないかと思われます。

傭兵については、ギルドではなく、幾つか存在する国際的な傭兵団や、戦場を求めて移動する各傭兵団自体が、ギルド的な役割を果たしています。

またこの世界は冒険者という職業が存在しうる世界ではないため、冒険者ギルドという不思議な存在はありえません。

裏社会事情として、ヤクザやマフィア的な暴力組織については存在していますので、冒険者ギルド的な役割は、規模の大小はあれ、そうした暴力団的組織が副業的につとめています。





主要な職能ギルド


石工


本来は石を切り出し、運搬し、加工する技術者達の集団です。
大規模な建築には当然多くの石工達を必要とするため、神殿勢力の影響が薄い地域では、ギルドの力無くしては城壁の修理すらままなりません。
現在では大工達のギルドの一部を取り込み、建築業者全体を含むものに変わっています。
アルールシア帝国では都市の建設には彼らの協力が不可欠であり、最も国際的で巨大な組織に成長していながら、殆ど表立った拠点が存在しないため、もっとも実態の掴みにくい組織でもあります。

ギルドのメンバーについては、彼らだけにわかる秘密の暗号が、街や広場などの様々な場所に隠されており、各街毎に、何時何処へいけばその街のメンバーに接触できるかがわかるようになっています。


大工


基本的には現在の彫刻家に近い存在です。
一般的な木造建築については住民たちが協力し、自分たちの手で作ってしまうため専門の大工の出番はありません。
主に建築物の装飾を手がける芸術家的な役割の人々です。
ギルドとしては、時折存在する、貴族や富豪のお抱えの彫刻家の自宅などが、便宜的な拠点となることが多いようです。



陶芸


陶磁器を焼く職人達の組合ですが、その職能は多岐にわたり、それぞれ専門の職人達が存在しています。
土を混ぜて捏ねる者、形を造る者、それを焼く者、絵を付けるもの、色を付ける者、さらにそれを焼く者。
無数のギルドが存在していますが、ある程度の交流があるものがほとんどです。

多くの職人を一度に大量に雇い、長期にわたって雇用し続ける必要があるため、大半が一個の村や街を形成し、領主の許可を受け、同族であることを表す同じ家名や門名を名乗っています。


杜氏


酒造りの責任者です。
酒造りは、主に収穫から冬の間だけの職業ですので、専門の責任者を常時雇用できる大規模な農場でない限り、基本的には酒造の専門家をその間だけ雇用する場合が多くなります。
基本的には、気候や風土に左右されるため、地域限定的な組織が乱立しています。
造られた酒の流通についてもある程度の権限があるため、その酒を出す酒場を拠点としている場合が多いようです。


魔法使い


マナを扱い、利用する技術者達の集団です。
自然発生的な草の根職能組合であり、国内のみならず、ある程度他国のギルドとの交流も存在する、国際的な組織です。
協会と違い、特定の拠点があるわけではありませんが、ギルドのメンバーであれば、ギルド所属のどの魔導師の元へいっても、必要とする援助が期待できます。


金属加工


小規模ながら、鍛造に携わる者たちの組織と、特殊金属加工に携わる者達の組織が複数存在しています。
それぞれ独特の加工技術をもった組織であり、軍の維持には必要不可欠な人々であるため厚遇される傾向があります。
彼らのギルドもまた、陶芸関連のギルドに近い形態をしており、鉱樹の森を擁する街や村が、丸ごと一つ、そのギルドによって運営されている場合があります。
ただし、そのギルドが表立って運営をしている場合もあれば、裏から調整して密かに支配している場合もありますので、一概にはいえません。


漁業従事者


主に竜や鯨を狩る者たちの組織があります。
一般的には、各港毎に、同様のギルドが存在していますが、各ギルド間の交流もありますので、流れ者の漁師という存在もあります。
特に、季節毎に移動する回遊性のある竜や鯨を専門に狩るため、各地の港を点々とする者たちもいます。


狩猟従事者


主に野生の地竜や魔物を狩る小規模な組織が存在しています。
基本的には各街や村に定住している猟師を窓口としています。
そうした定住している猟師(多くは罠師)の情報を元に、集団で大型の竜や魔物を狩って生活している、半傭兵的な者たちも存在します。


医術


主に外科に関わる技能集団で、傭兵ギルドと親密なかかわり合いがあります。
また、大半の魔導師が医術を含めた技を修めているため、魔導師でない医師は殆どいません。
当然魔法使いギルドとの関係も深く、アルールシア帝国では、帝国魔導協会の下位組織的な存在となっています。
大規模な病院という存在がありませんので、医者は通常往診を主とした形で開業しますが、そうした開業の許認可を出すのは、領主から委託を受けた魔導協会、もしくは魔導協会の医療部門です。


造園


主に鉱樹類を育てる事を専門とした人々です。
一般的には金・銀・銅・鉄・樹絹等の鉱樹を育てていますが、それ以外にも、特殊な鉱樹類の育成を手がける人々も所属しています。
複数の系統がありますが、樹液を利用する鉱樹類と葉や幹を利用する鉱樹類との、大きく二つの系統に分かれています。



主要ギルド一覧@アルールシア帝国


国際組織


サンゲルーマ

(元は血の刃を意味する言葉だった)
ネル半島全域で活動する暴力組織。ネル騎士団やシレフルの豪商達とのつながりもあり、合法的な商会としての顔も持つ。商会としての支部については、帝都やチルやムル等、各国の主要港に存在しており、複数の持ち船と商隊を持っている。商会名はそのまま「サンゲルーマ商会」となっている。




地域限定組織


カルヴァタム

(語源は不明)
ネル半島で騎竜の生産に従事する者たちの組合組織。
数々の特権が認めれており、所属している事自体が名誉でもある。
騎竜を持つ騎士団では高給が保証される。





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最終更新:2011年04月30日 03:02