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ネル半島


目次


概要(基準となる日時:帝国暦27年6月(シルヴィー)15日)

ネルやハイズの地名がある半島地域は、暖流の影響下にあり、帝国では唯一の温帯湿潤気候地域となりますが、数十年前まで、非常に活発な活動を続けていた火山が存在するため、ほぼ全土がシラス台地に広がる森林地帯で、大規模な灌漑をおこなわなくては、農地としての利用は難しいものとします。
また、半島の人口の大半が居住しているネル盆地は、この半島そのものを形成した火山がうみだしたカルデラであり、無数の湧水や温泉、それから東海岸の活火山が名物となっています。また、騎竜の産地としても有名で、良好な騎竜を数多く産出しています。アルールシアでは騎竜の放牧が可能なのはこの地域だけです。



ネル地方の生活についての覚書

大陸東岸地域では、大規模な戦乱と、それに続いた大規模な疫病によって、都市部を中心に人口が激減していますが、ネルなどの辺境ではそれほど酷くはなかった(それでも一割近い人口減少に見舞われた)ため、古くからの伝統てきな生活や風俗を残しつつ、神殿勢力の運営する捨児院や施療院といった新しい社会保障制度の一種が浸透しつつあります。

一般人とも言うべき農民は、土間が一部屋の家に、家畜と一緒に暮らしています。
家の中心に暖房、調理、明かり兼用の囲炉裏のような炉が置かれ、そのまわりに麦わらや落ち葉を敷いて寝ます。
もちろん家畜も一緒です。
夏場に川や泉で水浴びをする他は、風呂に入ったり身体を洗う習慣が無いため、非常に不衛生で感染症も多く、平均寿命は三〇代の後半となります。
家族の単位としては、大半の家庭が両親とその子供たちで、長男以外は一〇歳になる前に働きに出されます。

また、働けなくなった老人は、運が良ければ神殿等の施療院に入れられ、多くは捨てられる事になりますが、そもそも老人と呼ばれるほど長生きできる者はほとんどいません。

農民達は平均して一人十二ヘクタールの土地を受けとりますが、毎年の税は、平均麦四八袋、穀物一六袋、木材荷車八台分、ニワトリ三〇羽、卵一〇〇〇個で、更に様々な労役が課せられるという、過酷なものです。


帝国の辺境に位置するネルでは、神殿勢力の影響が強く、各町や村には必ず一つ以上の神殿が存在し、人々の生活全般について細かく指導しています。

官僚組織を持たないネルをはじめ地方の王や領主は、軍を率いて頻繁に領内を巡り、あらゆる揉め事や無法者、略奪者等の問題に対処しています。
つまり領主の仕事は警察官と裁判官と軍隊を兼ねる存在であり、中央に比べ非常に地域に密着した存在です。
逆に言えば、それをしない領主は領主としてみとめられません。

また神殿は役所と簡易裁判所と税務署を兼ねる場合が多く、神官になるのは、事実上役人になる事と同じであり、大抵は、納めさせた税の何割かを神殿が受けとる事になっています。
また、その土地の徴税を委されるか否かで、その土地の主要な神殿勢力が決まり、新しい町の建設における神殿間の争いは、往々にして熾烈なものとなります。

騎士達は、七歳で他の騎士の小姓となり、一四歳で従者となって、装備を揃える事が出来れば、通常二一歳で騎士になります。
ただし、装備がなければ騎士にはなれません。
総額は牛二四頭分に相当します。
これは武具以外に、馬が三頭に従者一人が必要になるためでもあります。

騎士の生活と、領内を守る一つの軍隊(騎兵である騎士と歩兵数名。従者が歩兵を、歩兵が従者を兼ねる場合もある)としての体裁を調えるには、最低でも一〇〇人近い人々が暮らす村がまるまる一つは、必要になります。
もちろんもっと広い領土と大きな軍を持つ騎士も存在します。



ほとんどあらゆる産業が許可制となりますが、領主や神殿勢力の大きな収入源のひとつに養蜂があります。

ネルの多くの地方では養蜂は許可制で、ギルド等の職能組合が存在せず、昔から領主直轄の荘園か、神殿の荘園以外ではほとんど見る事が出来ません。
また同様に、岩塩の採掘や塩田の経営についても、領主や神殿勢力が独占しています。
砂糖については、北方の国々から薬種として少量が輸入されている程度です。

ネルでも都市の生活は、ある面で農民より過酷です。
一般的な労働者は夫婦で共働きしても、一人か二人以上の子供を養う事は出来ない上、子供の七割が成人以前に亡くなりますので、せっかくの居住権を維持するためにも沢山の子供を産まなくてはならないという、解決不能に近い問題に直面します。
結果として子供達の多くが、様々な条件付きで里子や養子に出され、またしばしば神殿や大きな都市の捨児院に捨てられたり、預けられます。

都市部の老人は、ギルドや商会等各職能組合に属していない場合、家族の世話になるか、家族がなければ生きる事すら難しくなり物乞いとなる以外ありません。
ただし、ギルドに一定期間属して働いていた場合、ギルドの施療院で老後を送れる場合もあります。

ネル地方の生活についての覚書

食生活は意外にも豊かで、穀物、雑穀、イモ類に各種野菜に木の実にベリー類、シリレス産の、数種類の食用昆虫、豚に羊に牛にヤギに馬、地球産でもシリレス産でも無い植物と動物の中間にいるような、クーノと呼ばれる卵生生物、そしてなにより、子馬ほどのネズミに似た、サミー(http://www36.atwiki.jp/2theparadise/pages/163.html)と呼ばれるげっ歯類を家畜として飼育しています。
調味料としては塩と香草が基本となりますが、砂糖や香辛料(地球に存在したものは大半が存在しています)等も、高価ではありますが、流通しています。

農村での食生活は、朝と夜の二回、もしくは昼(およそ九時から十時の間)と夜の二回というのが一般的です。
ネルの北部では、主にジャガイモそっくりのメラ、メラン、メルジェと呼ばれる植物の塊茎や塊根を主食として、煮るか蒸したメラを潰して焼いたものや、ペースト状にして味付けしたものと、シーパ(タマネギに驚くほど似ています)とよばれる鱗茎や、ラパ、ラッパ(カブやダイコンのような物です)とよばれる数種類の根菜類(他にもピートやニンジン、レンコン等も存在しています)を、肉や魚、乳製品等と一緒に、大麦や小麦の粉と香草によって煮込んだ、シチュー様の汁物と共に食べます。
他にも葉物の野菜も収穫でき、各地方毎に様々な種類が食されていますが、基本、保存が効かないものは流通しません。
もちろん、肉や魚、乳製品については贅沢品ですので、メラを煮て塩を振ったものに、くず野菜を塩と香草で味付けしたスープというのが一般的ですが、牧羊の盛んな北部の山岳地帯では、さらに様々な乳製品が加わります。
ネル中央部や西部の陸橋地域、それからハイズリー男爵領やハイズ伯爵領の一部では、水稲や陸稲の栽培が盛んで米が主食となっており、冬から春にかけて小麦を栽培し、春から秋にかけて米を栽培しつつ、水田や貯水池で、カッパ、カーパと呼ばれる鯉に似た淡水魚の養殖や、マニ(http://www36.atwiki.jp/2theparadise/pages/179.html)と呼ばれる、ナマズによく似たシリレス産の水生生物(実際には軟体動物である)の養殖が盛んに行われています。

大半の食材は、収穫すると即座に保存食として加工されるのが一般的で、燻製や干物にしたり、酢や塩に漬けたり、乳酸菌を利用した様々な漬物が、ごく一般的に作られています。
納豆やベジマイト、トウガラシ抜きのキムチの様な食材や、キムチそのものといった食材も存在しています。


ネル地方の生活についての覚書2

衣服について

都市の市民は、グリンチャ(http://www36.atwiki.jp/2theparadise/pages/189.html) と呼ばれる布で作られた下着と、ヤギや羊の毛で作られたフエルト製の上着を重ねて着ていますが、毛皮やなめし革の上着も利用されています。
基本的には二枚以上を重ねて着ますが、組み合わせは様々です。

ボタンは普及していないため、グリンチャや革の紐を使って、腰の部分で縛ってとめています。
ただし、近年、ネルやサフルナ等へは、幅広の革製帯の先端に切れ目を入れて、木製の止め具(細くて短い棒)を逆側の先端に括りつけた、実用的なベルトが入ってきており、色とりどりの組紐をつかった飾り帯と人気を二分するまでになっています。

雨具については油抜きをしていない、分厚いフエルトの上着が利用されています。

農村部では、基本的に衣食住の全てを自分達で賄っていますので、衣類については地域ごとに、古くからの伝統的な衣装が基本となりますが、ミラ・サルナやネル、シレフル、サフルナ等の大都市では、帝都レディエ・エステルシアの流行が、半年から数年遅れて入ってきており、衣料品の種類も豊富です。
ハイズ領については、ウレラナ以外でそうした品々を見ることは、殆どありません。

また、樵や猟師といった、山林に分け入る必要のある者達以外は、警戒色としての役割もあってか、明るい色合いの衣類が好まれる傾向があります。


ネル地方についての覚書3

アルールシア帝国には奴隷制度が存在します。

自作農家が多いネル半島北部、特にハイズ伯爵領では奴隷の所持率が非常に高く、大半の自作農は一人か二人の奴隷を抱えています。

ただし、奴隷の扱いについては非常に良好であると言えます。
奴隷は一般的ではあっても高価な買い物である事は間違いありませんし、劣悪な労働条件で死なせたり病気にしては元も子も無いという事でもあります。

感覚としては、奴隷は現代の一般的な人々にとっての車のような存在であると考えれば、当たらずとも遠からずであると思われます。

当然、自分の車を粗雑に扱う人が少ないように、自身の保有する奴隷はできるだけ綺麗な状態で維持しようとしますし、大半の自作農家では、奴隷も事実上の家族のようにして暮らしています。

が、自作農が少なく、小作農の多いハイズリー領では、その状況は一変します。

そもそも奴隷の保有率は低いですし、その奴隷についても、多くの小作農にとっては地主や領主から預かっている土地の付随物に過ぎません。

当然のように、奴隷の労働条件は劣悪になり、単なる消耗品として扱われる事も少なくありません。

この、ハイズ領とハイズリー領のような、自作農の多い地域と小作農の多い地域のそれぞれの奴隷の立場は、そのまま他の地域にも当てはまります。

なお、こうした奴隷の大半は、戦争奴隷や犯罪奴隷の二世や三世(場合によっては五世、六世、それ以上もある)であり、戦争奴隷や犯罪奴隷になったばかりの場合、男性であればその大半は、ガレー船の漕ぎ手や辺境地域の魔物の出没する鉱樹の森での作業といった、危険のおい過酷な重労働に付く事が多いものとします。

ただし、この世界には鉱山はほとんど存在しませんので、最も過酷であったと思われる鉱山労働というのは存在しません。





半島沿岸部の大半がリアス式海岸となっており、海岸線の大半が断崖で、港を開ける海岸はほとんどありません。
北部のハイズ地方では、比較的水利の良い谷間や盆地を利用して放牧を行い、ごく一部の豊かな盆地を除いて、僅かな耕地で豆や根菜類を栽培しています。

ネルの北東沖に存在する群島には、遥かヒュヨや、遠い西方諸国から流れ着いた海の民達によって、一種の海洋国家共同体とでも言うべき集団が形成されており、アルールシアや遥か西方のカレスやワイプルース、それからミーディスといった海洋国家と、東方の海上交易路の支配権を巡って争いあっています。ただし、天測航行が可能なだけの航行技術をもっているのは、ミーディス、ワイプルース、そしてベルリア諸島の船乗りだけで、その他の国々の船乗りは、沿岸航行が基本になります。






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