14スレ目の74(ななよん)の妄想集@ウィキ

第1回パロロワ本編向け練習成果物置き場>成果物その2>本編その2


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

本編その1へ戻る

=A-2(X2Y4);商店街;1日目AM7:55=
「・・・でっ。そのガッ・・・プラムを連れてくのかよ?」
リョナたろうは半ば答えを予想した上であえてなぞに問いかける。
「勿論です!なぞはもう、プラムの’姉様’になることにしたです!」
なぞは、リョナたろうの予想通り胸を張って堂々と宣言する。
(やっぱりな・・クソ、厄介なのがまた1匹増えやがったぜ・・。)
だいぶ回復したのか、プラムがその隣に立ってなぞの腕にしがみ付いている。
「ワーイ☆あねたま~☆ダーイスキィー♪」
「もう!”あねたま”、じゃなくて”あねさま”です!」
「あ~ねたま~☆」
「だーかーらー。・・・もう、いいです。」
なぞは少しだけ膨れてみせる。プラムは無邪気な笑顔を見せる。
その笑顔にはあの時とは少しだけ違う”モノ”があった。
(ちっ!意外としぶといガキだぜ・・。しかし・・・。)
リョナたろうはちらりとなぞの様子を見る。
所々汚れているが相変わらず『みこふく』は殺人的なぐらいにジャストミートしている。
しかも、皮肉にもチビガキ【プラム】という比較対象が側に居座ってしまったせいで、相対的に彼女が’女’らしく見える。
(神様!お願いだからこれ以上、俺をリョナるのヤめてください!)
リョナたろうは普段は毛ほども信じていない神様に向かって必死に懇願した。
(安●先生!俺、リョナニーがしたいです!!)
リョナたろうは独りキツく拳を握り締め血涙を流した。

「ネェあねたまー。ホントにこのキモいのも一緒に行くノ~?」
「・・んだと!ゴルァッ!」
「キャー☆キモいのが怒ったぁー♪」
「プラム!リョナたろう兄様に何て事言うですか!」
なぞがプラムをピシャリと窘める。プラムはブーブー文句を言う。
「『だってー』じゃないです!兄様は確かに女装趣味って’ヘンタイチック’な趣味を持ってるですが、’キモく’はないです!」
「・・おk。フォローしてくれたことを素直に喜べねぇーんだが。」
「ふぇっ?なぞ、何かヘンなこと言ったですか?」
「・・・いや、もういいです。」
何故だろう。今、間接的に俺はなぞから’ヘンタイ’というレッテルを貼られた気がする。
’ヘンタイ’は世の中広しといえどモッヒー【あいつ】だけで十分だ。俺は、至ってノーマルな’リョナラー’だ。

「・・やっと見つけたわ!!」
突然甲高い怒声が聞こえ、なぞ達は一斉にその方向を向く。
そこには声の主らしき少女と、その少女を背負う青年の姿があった。
(何だ、人形みたいだが・・にんげ・・)
「あわわっ!お人形さんが喋ってるです!」
リョナたろうの思考を遮り、なぞがいち早く反応する。その反応は、リョナたろうが思った事と殆ど一緒だった。
(おk、流石なぞ。フツーそう言うのは思っても言わないもんだぜ。)
青年の背中から身を乗り出しているブロンドヘアのお人形さんは、
言われ慣れているのかそれともなぞの事は眼中に無いのかまったく反応を返さず、自らの言葉を続ける。
「あたしをチビ&血生臭いオバさん呼ばわりした罪は万死に値するわよ!ガキ!!」
「『血生臭い』とは言ってなかった気がするぞ?」
「明空は黙ってなさい!」
「・・・へーい。」
明空と呼ばれた青年は頭をはたかれ大人しく引き下がる。
「だって、オバさんチビだモン!イッパイ、ヘンなにおいを出したモン!」
なぞ達が突然の出来事に呆気に取られていると、プラムがいち早く反応した。
どうやら、プラムとあの二人の間は何かしらの関係があるらしい。
リョナたろうには何となく何があったか予想できていたので、あえて静観を決め込むことにした。
今、この場で何が起こっているのかまだ把握しきれていないのは、寝ている番を除けばなぞだけだった。
「このガキー!また言ったわね!!もー許さない!!ホラ、明空!さっさと降ろしなさい!」
「イデデ!分かった!分かったから暴れないでくれ!エルさん!」
エルさんと呼ばれた怒れるお人形さんは、青年がしゃがみ込むと同時に飛び降りると凄い形相でプラムの元へと近づいてきた。
プラムも負けずとアッカンベーっと舌を出して威嚇する。その様子は子供同士の喧嘩そのものだった。
「・・ちょっと、待つです!二人とも落ち着くです!」
気づけば間に挟まれるような形になってしまったなぞは、思わず声をあげる。
「そういえば、貴方誰?そのガキの何ですの?」
「あねたまは、プラムの’あねたま’ダヨ!」
「お前には聞いてないわ!!」
「ヘーンだ!チビなオバさんの言うことなんて聞かないヨ!シんじゃエ!オバさん!!」
「!!」

ピシャン!突然、乾いた音が空間に響く。その刹那、しばしの静寂が訪れる。
なぞがプラムの頬をはたいたのだ。
プラムは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしながら、なぞの顔を見る。
なぞは俯いていてどんな顔をしているのかよく分からなかったが、かなり怒っているような気がした。
「あ・・ね・・たま?」
なぞは無言のままプラムの身長に合わせて屈んでいる。
「どうして・・。」
「えっ?」
なぞはとても悲しかった。そして、とても怒っていた。
「どうして、『死んじゃえ』なんて言うですか!!」
「だ・・だって・・。」
「’あねたま’は!そんなこと言うプラムは嫌いです!!」
「!!」
なぞは涙を流しながら怒った顔でプラムを見つめた。プラムは今にも泣きそうな顔をする。
「い・・イヤ!あたし!・・あねたまダイスキ!!あたし・・・嫌わないでヨ!!」
プラムは突然抱きしめられる。なぞの身体はとても熱く、そしてブルブルと震えていた。
「’あねたま’もプラムが大好きです!でも、悪い娘【こ】は嫌いです!」
「あたし、悪い娘なノ!?どうすればいいの!?・・教えてヨ!!」
プラムはどうすればいいのか本当に分からなかった。もう、泣くしかなかった。
「・・・謝るです。」
「えっ?」
「ちゃんと謝れば、プラムは良い娘です!」
謝るだけ?本当に、たったそれだけで良い娘になれるの?また、あねたまがあたしをダイスキになってくれるの?
プラムにはまだよく分からなかった。当然といえば当然だった。
今までの彼女の人生で、他人に謝った事などただの1度もなかったからだ。
「・・・ご、ごめんナサイ!ごめんナサァァイ!!ウワアアア!!」
プラムはもう、言われたとおりにするしかなかった。
あねたまに嫌われたくない。そのことだけで頭がいっぱいだった。
「・・・うん。プラムは、良い娘です。」
プラムは再びなぞの顔を見る。そこにあったのはあの優しい笑顔だった。

「・・・あーあ!もういいわ!」
目の前であんな光景を見せられてそれでもまだ、
チビだのオバさんだの言われた事を嵩にして責め立てるのは、余りに大人気ない。
振り上げた拳の降ろし所に迷ったエルフィーネは、傍にいた明空の足を思いきり踏みつける。
「ッテェ!!」
「アラ、ゴメンナサイ。(棒読み)」
明空はエルの遣り切れない気持ちを察したのか、それ以上何も言わなかった。
「・・・っで。あんたら誰?」
早々に静観を決め込んでいたリョナたろうが口を開いた。
「おにーさん。人に名前を尋ねる前のマナーってご存知?」
ブロンドヘアの毒舌人形が警戒と軽蔑の意が込められた一言で切り返す。
(このガキ、単なる口の悪いガキってワケじゃねぇな。)
「おk。失礼したレディ。俺はリョナたろう。」
「で、そっちがなぞで、しがみついてるのがプラム。それから背中の置物は・・えっと・・。」
「番です。兄様。」
「『兄様』?兄妹ですの?」
兄妹にしては余りにも似てなさすぎる。
性別による差とかそう言ったレベルの違いではない。二人の持つ気配が明らかに違う質の物だ。
エルフィーネの疑問はそう言った意味では実に当然だった。
「リョナたろうは、なぞの’兄様’みたいな人です。」
エルフィーネは、何も考えずちらりとリョナたろうの方を見た。
「・・言っておくが、なぞが勝手に呼んでるだけだぞ。」
「・・あたし、そんなこと思ってなかったわよ?」
リョナたろうと名乗った男は墓穴を掘った。あの男はたった今、自分はロリコンだと公言したようなものだ。
してやったりと、Sの血が思わずあたしをニヤけさせる。エルフィーネはちょっと気分が良くなった。

「さ、次はレディ達の番だぜ?」
リョナたろうはエルフィーネ達を促した。
今し方あの毒舌チビにしてやられたので、何とか仕返しをしてやりたい。リョナたろうの目が自然とぎらついていく。
「俺、御朱明空【みあかあそら】。よろしくな!」
明空は元気よく挨拶をする。こういう時こそ、元気よく挨拶した方が印象は良い。
何時だったか忘れたが冥夜【めいや】にそのようなことを言われて以降、俺はずっと『挨拶は元気よく』をモットーにしている。
「こっちこそ、よろしくです!」
なぞと名乗った少女が俺に負けず劣らず元気な声で返してきた。
最初に見た時からずっと思っていたが、所々少し汚れた巫女服に身を包んだ彼女は滅茶苦茶可愛い。
見た目から察するに俺より年下だろう。・・OK。俺は年上よか年下の方が好きだ。
つーか、ぶっちゃければ妹が欲しい。明空にとって、なぞは理想の妹像に近い女性に見えた。
「あ・・あの、お、おニイちゃん。」
「プラムだっけ?・・あの事だったら、もう気にしてないから大丈夫だぜ♪見ての通り元気だしな!」
「あ・・うん。」
明空は声を出して笑いながら力こぶを作ってみせる。プラムが少しだけ笑った気がする。よし、俺的にはOK!
明空はさりげなくなぞの方も確認してみる。彼女も笑っている。もう完璧だぜ。明空は満足げな笑みを浮かべた。
「鬼龍院エルよ。」
(『鬼龍院エル』?・・はて?そんな名前あったような無かったような・・。)
リョナたろうは自身の記憶の海から、ゲーム開始時に確認した名簿の内容を探し出す。
女っぽい名前やちょっと気になった名前は一通り覚えたはずなんだが、ド忘れでもしたのだろうか。
リョナたろうは不思議に思い記憶の海を何度も漁る。
しかし、確かに似たような名前を見た事があるような気がするものの、いまいち確信が持てない。
(ちっ・・冗談じゃねーぜ。俺も老いたってことかよ?)
エルフィーネは本名を名乗っていないのだから、見つからなくて当たり前。むしろ、見つからないのが正常。
しかし、リョナたろうにそんな事実を知る術はない。
またしてもリョナたろうはエルフィーネの策に見事ハマったことになった。

「なぁ!ここで会ったのも何とやらだし・・」
お互いの自己紹介が終わったのを見計らい明空はすかさず口を挟む。
「『袖振り合うも多生の縁』ってヤツです!二人とも、なぞ達と一緒に行くです!」
しかし、それよりも早くなぞが言葉を発する。
「・・って、ちょっと待て!俺の意見は!?」
エルフィーネに一泡吹かせる策を思案中だったリョナたろうは、突然のなぞの発言に思わず大声をだして反論した。
「二人ともプラムの事許したです。だから、二人とも優しい人です。安心できるです。」
「はぁ!?おまっ、だからって一緒に行く事は・・」
「兄様・・。」
なぞが何時ぞや見せた軽蔑の眼差しを再び向けてきた。
しかし、リョナたろうは学習していた。あの目はトンでもなく失礼な勘違いを押し付けようとしている時の目だ。
「なぞが思うに、エルもプラムも番も可愛いです。兄様にとっては『桃源郷』です。」
「はぁ・・?」
「なぞ、知ってるです。男の人って、”オオカミ”な部分があるです。」
「何?”オオカミ”だぁ?」
今回も例によって、『とぉげんきょぉ』とか『オオカミ』とかいまいち意味が分からん’なぞ語’が飛び出している。
だがしかし、何となく言わんとする所は分かる気がする。
「でも、大丈夫です!兄様が”オオカミ”しないように見張るです!」
「あっ・・・そう。そりゃぁ、タノモシーナ。ハハハ・・・」
(いや、ぶっちゃけ俺が”オオカミ”したいのはあんただけだから、人が増えても嬉しくないんだぜ・・・。)
しかし、そんな事言える筈もなく、渋々リョナたろうはなぞの提案を承認する。
プラムの方をチラリとみる。このガキにとっても本当は迷惑な話に違いない。
しかし、なぞの手前我が侭を言うわけにも行かないのだろう。
案の定、プラムは何か言いたげな顔をしてはいるが実際に何かを言う事はなかった。

「おう!俺も丁度そう言おうとしてたんだ!」
明空は快く申し出を受け入れた。
「エルさんも当然OKだろ?」
「・・・癪だけど、ここは明空の言う通りだわ。」
エルフィーネはできることならば反対したかった。
勿論、今までの言動からなぞという少女は信用しても良さそうだと思っている。
しかし、一緒にいる男、リョナたろうの言動に所々何か引っかかるモノを感じる。
まるで”何か”を我慢しつつ調子を合わせているような・・。
しかし、見た所極普通の何処にでも居そうな青年であることを考えると、
単純にその場その場の空気に合わせて動いているだけの、強い意思を持たない軟弱者という可能性もある。
しかしそうなると、今度はなぞと言う少女が’兄様’と慕うほどの人物像を何時どうやって構築したかという問題がある。
ゲームが開始されてまだ1時間も経っていないはずだし、ゲーム開始前から面識があったわけでもないみたいだ。
いくら彼女が底抜けの’バカ’でも、単なる軟弱者が他人に慕われるような人物像を短時間で作り上げるのは不可能だろう。
となれば、やはりあえて”何か”を我慢して付き合っていることになる。・・でも、何のために?
状況が状況なだけに、行動の真意が読みにくく対等以上の力関係になれそうにない相手とはできれば一緒に居たくない。
しかしそう打ち明けた所で、明空には理解してもらえはしない。
運良くロザリオを取り戻せたとはいえ、今はまだ変身できそうにない。
しかも、非常時だったとはいえ明空にはあたしが変身できることがバレてしまった。
明空の性格ならばみだりに人に言いふらすなんてことはないだろうとはいえ、万が一という可能性もある。
何より、変身に必要な魔力も溜まっていない今、一人になることにメリットは薄い。となれば、ここは賛成するしかなかった。

「・・勘違いしないで。あたし、まだプラムのこと完全に許したわけじゃないから。」
何故か彼女に懐いているプラムがあたし達にしようとしたことは紛れもない殺人行為だ。これは絶対に許すわけにはいかない。
それに、あの場では引っ込めたとはいえ、あたしをチビ&血生臭いオバさん呼ばわりしたことも許したわけではない。
加えて言えば、あの手のタイプは一度抱いた印象をそう簡単には変えることはない。
つまり、なぞという枷が何らかの理由で無くなった場合は再び敵となる可能性が十二分にある。
そして、実はもう一つ不安要素がある。なぞの背中でずっと眠り惚けている番と呼ばれた置物のことだ。
確かにただ寝ているだけだ。だが、強者が放つある種の”波動”のようなモノを感じる。
それはつまり、彼女は場合によっては最強の敵となる可能性があるということだ。
状況から察するとなぞのことを一応は信用しているのだろう。
よって、このチームはなぞを中心に動き、なぞを中心に均衡を取って行くことになるだろう。
エルフィーネはそう結論付けると、なぞに美咲【五代目】とは違った質の求心力の類を感じていた。
(せめて、変身ができるようになるまでは持って欲しいわ・・。)
とりあえず、エルフィーネは信じてもいない神様に祈ってみた。

ーーーー
=A-2(X3Y4);商店街;1日目AM8:00=
「よっしゃ!そうと決まればさっそくこれからどうするか考えようぜ!」
明空は早速提案する。
「『作戦会議』!やるです!やるですぅ♪」
なぞは待ってましたとばかりに周りを見渡し、手近な建物を指差す。
「兄様!あの建物でやるです!どうですか?」
「・・ん?ああ、別にいいんじゃね?」
「やたっ♪兄様にホメられたですっ♪なぞ、ちょっとだけ頭良くなったです~♪」
なぞは喜びを全身で思いきり表現したかったが、番を背負っている手前少し遠慮がちに表現する。
(グハッ!また・・墓穴掘っちまった・・チクショォォ!!)
(うーん!やっぱ可愛いぜ!なぞちゃん!!俺が絶対、守ってやるからな!)
そんななぞの様子を見て、一人は渦巻く破壊衝動を抑えるため強く拳を握り、
一人は些か不順ながらも沸々と湧き上がる使命感を感じて強く拳を握った。
「・・・あんたら、バカ?」
エルフィーネはそんな二人の青年の様子に呆れながら突っ込みを入れる。
一方にはそっくりそのまんまの意味だったが、もう一方にはこっそりと別の意味も込めていた・・。
「えっ!?なにっ?」
奇跡的に二人とも同じ反応をまったく同じタイミングで返す。・・正確に言えば必然的だった。
(ちっ、意外と仕掛けてくるのが早いな。危なかったぜ・・。)
(ふーん・・。思っているよりはバカじゃないのね。彼。)
リョナたろうとエルフィーネの視線が一瞬交差する。この瞬間、二人の間だけの戦闘が開始された。

手近な建物に向かって歩き出した5人+1人のチーム。
夫々の思惑が交錯する中、これから行う『作戦会議』に心を躍らす、何ともお気楽な明空となぞであった・・。

つづく。

現在状況へ