14スレ目の74(ななよん)の妄想集@ウィキ

第1回パロロワ用急場原作置き場>川澄シノブの場合


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=B-3(X:4Y:1);森;1日目AM7:00=
「・・・ん、んん・・。」
何か冷たい物が当たったみたいだ、アタシは目を開けた。どうやら、また気絶していたらしい。
目の前には見たこともない草木が鬱蒼と生い茂り、高い木々の隙間から僅かに光が差し込んでいる。
「元の世界に戻れた・・ってわけじゃなさそうだな。」
笠原町に森と呼べるような場所はないし、アタシの居た世界に、こんなに薄気味悪い森はない。
付近に人や動物の気配はない。ひとまずアタシはこの場で今までの経緯を振り返ってみる事にした。

ーーーー
~スタート前の全員集合の場所、参加者は其々個室に入れられてるという設定~

「・・・んんっ・・はっ!?」
目が覚めると見慣れぬ場所に居た。暗くて良く見えないが、どうやら室内のようだ。
「・・・ここは、何処だろ?」
広さは大体3畳ぐらいだろうか、結構狭い。アタシはとりあえず壁伝いに一周してみた。
ひんやりとしてざらざらとした感覚、恐らくコンクリートか何かだろう。
出口らしき場所は見当たらない。
「ん?硝子?」
1箇所だけ手触りが違う場所がある。この硬質でつるつるとした手触りはどう考えても硝子だ。
アタシは目を凝らしてみるが真っ暗で何も見えない。
鏡かとも思えたがアタシの姿も映っていない。恐らく窓なのだろう。
窓の外に暗闇が続いている、そう考えるのが道理だと思う。
「(リトはどう思う・・・リト?おーい、リト!)」
アタシはいつも頭の中でうるさく小言を言ってくる友人に呼びかけてみた。
よく考えてみたら、この状況で彼女が黙っているのは珍しい。
「(・・・んん。・・・あっ、シノブさん。)」
これまた、彼女にしては珍しく反応が返ってくるまでに時間が開いた。
しかもまるで、アタシと同じく気でも失っていたかのような間の抜けた反応だ。
「(『あっ、シノブさん。』じゃない!まさかあんた、気絶していたとか言うんじゃないだろうね?)」

リト。本名スピリット=カーマイン。
彼女は今、色々とあってアタシに取り憑いている宇宙人だ。
意識体だとか魔力がどうとか言っていたような気がするが・・・。
ようするにアタシに取り憑いた幽霊だ。尤もこの前、そう言ったら散々小言を言われたが。
「(気絶・・・多分、していました。)」
「なっ!?」
幽霊が気絶するはずがない。
アタシはそう思っていたので予想外の言葉に思わず声をあげてしまった。
「(気絶って!えーっと、その”なんたら体”なのに!?)」
「(意識体です。)」
いつもの事ながら、ツッコミが細かい。カチンと来つつもアタシは言葉を続けた。
「(しかも、多分ってなんだよ!リトらしくない。)」
「(それが・・・私にも何が起こったのか・・・よく分からないのです。)」
彼女は弱々しく返答する。
元々心配性でいつも発言にどこか自信がなさそうな奴ではあるが、
豊富な知識に裏づけされた発言に’多分’や’恐らく’といった曖昧な単語が含まれる事は少ない。
ましては『よく分からない』という言葉なんて、アタシは今日初めて聞いた気がする。
「(『よく分からない』って、”なんたら体”って奴は気絶しないのか?)」
「(意識体です。・・気絶するという事はありません。自らの意思で眠りにつかない限り、私はずっと覚醒したままです。)」
「(私が気を失うほどの凄い量のエネルギーに触れたとしか考えられないのですが、シノブさんの肉体がそれだけのエネルギーに耐えられるはずがないのです。)」
 ・・・何か嫌な予感。
「(となると、考えられる原因は・・次元転移ぐらいでしょう。)」
嗚呼、嫌な予感的中。
「(『じげんてんい』?・・なんだよそれ。)」
「(簡単に言えば、地球のフィクションに良くある異世界に飛ばされてしまうアレみたいなものです。)」
「(ふーん。)・・・な、なんだってー!」
アタシは再びの予想外発言に思わず声を、それも大声を出してしまった。
いきなり異世界に来てしまったと聞かされて、動揺しない奴がいるとは思えない。
アタシは頭が真っ白になってしまった。
「(・・・少なくとも、この現象を起こした相手はとてつもなく凄い力を持っていますよ。)」
「(・・って、聞いてます?)」
「・・・へっ!?あ、ああ。聞いてる聞いてる。」
彼女に姿があれば、多分呆れた顔でアタシを見ていただろう。
真っ白になっていた間にも何か話していた気もするが、聞き返す気にはなれない。

「(・・・とにかく、ここはアタシ達が居た世界じゃないんだな?)」
「(ええ、そうです。)」
「(で、リトにもここが何処なのか分からないと。)」
「(はい・・。)」
何処とも知らぬ異世界の、狭くて辛気臭い部屋。
とりあえず、アタシをこんな場所に閉じ込めた奴は悪だ。それもとんでもなく卑劣な悪だ。
見つけたら絶対にぶっ飛ばす。アタシはそう決意して拳をきつく握り締めた。

~この後ルール説明とか見せしめシーンとか、ゲーム開始で転移させられるまでの経緯~

ーーーー
「(アイツは見つけ次第ぶっ飛ばすとして、とりあえずどうするよ?リト。)」
アタシはアタシの中にいる友人に話しかけた。こういう時、彼女が居て本当に助かったと思う。
「(そうですね・・まずは目の前にあるバッグの中身を確認してみましょう。)」
「(え?バッグ?)」
気づくと、アタシの目の前に小さなバッグが1つ置いてある。
いや、落ちているというべきだろうか?
アタシはリトの意見に従ってバッグを拾いあげ、程良い高さの切り株に腰を下ろして1つ1つ中身を取り出してみた。
水とパンが入っていた。何とか3日ぐらいは食いつなげそうだ。~本当は2日分ぐらい~
後は懐中電灯や地図、コンパスに時計なんてのも入っていたが、
リト曰く『まず目印になりそうな物を探して現在位置を確認しないと役に立たない』そうで、
一応時計を取り出しやすい場所にしまっておく事にした。
腕につけても良かったが、アタシは腕に何かを巻くのはあまり好きじゃない。

まだ幾つか入ってそうだが、私はそれ以上に重大な事に気づく。
「あっー!!」
「(何!?どうかしましたか!?シノブさん!)」
そう、私の大事な・・
「無い!」
「(え?無いって・・?)」
大事な・・
「だから!無いんだよ!」
「(だから、何が無いんですか!?)」
「グローブが無いんだよ!」
アタシが普段から愛用しているオープンフィンガーグローブが、無い。
いつも腰のスナップフックに引っ掛けてるグローブが、無い。
「(ああ、あのグローブですか。・・・ええ!?)」
流石の彼女も驚いたようだ。尤も、彼女の場合は別の理由でだが。
「(それでは変身ができないですよ!?こんな時にダイアークが襲ってきたらどうするんです!?)」
いや、流石のアイツらでも異世界までは来れないだろう。まぁ今はそんな事どうでもいいが。
「そんな事はどうでもいいんだよ!あれは・・」
あれはアタシの師匠で兄貴分、マッさんこと矢尾正之に貰った大切なグローブだ。
無くしてしまわないよう肌身離さず持っていたのに、無くしてしまうとは・・。
「・・・とりあえず、全部見てよう。まだあるみたいだし。」
「(そう・・ですね。)」
探そうにもいつ無くしたのかも分からなくては探しようがない。
記憶を辿ろうにも予想外の出来事が短時間に起きすぎてワケが分からなくなっている。
少し前のアタシならそれでもただがむしゃらに探し回っていただろう。
しかし、今のアタシはそこまで周りの見えないバカじゃない。
今が当ても無く探し回る事を許してくれる状況ではない事ぐらいは分かる。
多分、リトの影響だ。
アタシは今すぐにでも探し回りたい気持ちを抑え、いつか必ず見つかると信じる事にした。