14スレ目の74(ななよん)の妄想集@ウィキ

誓いの輝石~Avenge~ > #04 > パートB


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「・・・というワケです。せんせ・・・いえ、マッチさん。」
「ふぅ~ん、そうなの。このコがねぇ・・。」
「あ、ああ。どうやら、そうらしい。」

タクト達はマックスの家でこれまでの経緯を説明していた。
マックスは元は協会有数の実力者で、一行は彼ならば何か有力な情報を知っているかもしれないという期待をしていた。

「・・・残念だけど、私も輝石で人間が呼び出されたって話は聞いたことないわねぇ。」
「そうですか・・・。」
「ごめんね、ラスちゃん。・・・そうだ!」

マックスは軽く両手を合わせると、席を立ち部屋の隅の棚を漁り出した。
そして何かを手に取ると鼻歌混じりに戻ってきた。

「ラスちゃん。都にある中央資料室の奥に、古い文献が見れる場所があるのは知ってるわね?」
「ええ。でも、あそこは協会の許可が必要ですから許可証が発行されるまで時間が・・・」
「ふふんっ♪私を誰だと思っているのよ、ラスちゃん。」

マックスが机の上に広げた物を見て、ラスは思わず目を丸くしていた。

「こ、これは閲覧許可証じゃないですか!どうして!」
「んもぅ、どうしてって決まってるじゃないの、可愛い教え子のラスちゃんを想う私の愛が用意しておけって囁いた【ささやいた】のよん♪vv」
「そ、そうですか・・・。兎に角、ありがとうございます。」

ラスは深々と頭を下げ、閲覧許可証を丸めて荷物入れにしまう。

「いいってことよ。まぁ、今日はもう遅いから泊まって行きなさいな。」
「そうさせてもらいます。・・・ホント、何から何までありがとうございます。先生。」
「だぁかぁらぁ!先生じゃなくてマッチって呼んでよぉ!vv」

そのやり取りを隣で聞きながら食事をしていたタクトは、マックスの猫なで声に心臓が縮み上がるような気持ちになり思わず口の中の物を吐き出しそうになった。
ネスはそんなことなどお構いなしに只管机に置かれた料理にかじりついていた。

「・・・じゃあ、一応寝とくかな。おやすみ、ネス。」
「ああ。そうしとけ、タクト。」

輝石人間なので相応の存在可能時間を削れば睡眠をとる必要も食事をする必要もない。
ラスやマックスの話を総合するとそういうことになるが、タクトは何となく普段の習慣で寝ることにした。
ラスは食事の後、すぐに寝室で熟睡していた。
たった一日でとても色々なことが起きたのだ、当たり前といえば当たり前だった。
タクトは居間から出てラスが死んだように眠っている寝室へと向かった。

「・・・で、何の用だ?」

ネスは一度溜め息をついてから、イスに座り頬杖を突きながら灯りの射さない暗がりへと視線を移す。
そこにはマックスが壁に寄りかかりながら立っていた。

「私は眠いんだ。さっさと終わらせてくれないか?マックス。」
「そうね・・・じゃあ・・・。」

マックスはそこで一旦区切り、ゆっくりと壁から離れた。
そしてその次の瞬間にはネスの胸倉を強引に掴み上げ、壁へと押し付けていた。
ネスは全く動じることもなくマックスの目を見ていた。

「・・・まだ、続ける気?」
「ああ。そのつもりだ。」
「ラスちゃんだけじゃなくて、彼まで巻き込んだと言うのに?」
「だから、こうしてタクトを元の世界に帰す方法を探しにアンタの所まで来た。」
「・・・聞いたわよ。ダイア・スロンのアジトを1つぶっ潰したようね。」
「流石だな。・・・その通りだ。」
「あんなことさせておいて、更にラスちゃんを危険な目に遭わせるの!?」
「・・・そう、なるな。」

淡々と答えるネスが段々腹立たしくなり、マックスは声を荒げていた。

「お前、本当にできると・・・!!」
「思っているさ。いや、やってみせる。」
「やらせてみせるの間違いだろ!!ネール=A=ファリス!!」
「・・・そうだな。でもな、私は諦めない!絶対にあの人を取り戻す!」

マックスの凄みの利いた低い声にも物怖じせず、ネスは堂々と噛み付いた。

「あの人には俺も世話になったし、お前はラスのお気に入りだ。そうでなきゃ、お前なぞこの場で・・・」
「分かってるさ。兎に角、私はどんなことをしてもあの人を取り戻す。そして、あの男をこの手で・・・」
「一つだけ、約束しろ。」

ネスの言葉を遮って【さえぎって】マックスが口を開く。

「・・・何だよ?」
「お前の命に代えてもラスを守れ。もし、ラスを傷物にしたら俺はお前を・・・殺す。」
「・・・話はそれで終わりか?」
「ああ・・・。悪かったな、眠い所を態々呼び止めて。」
「別に、構わんさ。・・・じゃな。おやすみ。」

マックスはゆっくりと縛め【いましめ】を解く。
ネスは乱れた服を軽く直すと、何事も無かったかのように寝室へと向かった。
一人残されたマックスはゆっくりと机に項垂れる【うなだれる】。

「・・・・・・あの人が、貴女の師が死んだのは、もう5年も前のことなのよ!」

マックスは歯を食いしばりながら机に向かって吐き捨てていた。

「そんなに傷だらけになって、色々な物を犠牲にして、それであの人が喜ぶと思ってるの!?ネール=A=ファリス――っ!」

その問いかけに答える者は無く、少しだけ開けてある窓から冷たい夜風が微かに吹き込んでいるだけだった。

~~~~

「こんなに沢山・・・それに、ライトカーゴまで・・・ホントに頂いていいんですか?」
「いいのよん!vvvv可愛い教え子のためですもの!vvvv」

翌日、タクト達はマックスから餞別【せんべつ】として食料等を色々と貰っていた。
その上、都までラインズカーゴを乗り継ぐと時間が掛かるからとライトカーゴまで手配してくれていたのである。
ラスは頭が上がらなかった。タクトはとりあえず、軽くお辞儀をして乗り込む。
ネスはその後ろを大きく欠伸をしながら通り過ぎ、後部座席にどかりと座り込んだ。

「それでは・・・もう行きますね。本当にお世話になりました。先生。」
「気をつけてね!ちゃんと3食バランスよく食べるのよ!あんまり寄り道しちゃだめよ!ラスちゃぁぁん!」

ラスは運転席に乗り込んでから一礼すると、ゆっくりとライトカーゴを出発させた。
マックスはその様子を泣きながら大きく手を振って見送っていた。

「おっ、マッチのヤツ私の着替えまで用意してくれたのか。」
「俺の学生服まで・・・まさか作ったのか?・・・しかもサイズぴったりっぽいし。」

ネスがトランクルームに置かれていた服の存在に気付き引っ張り出す。
その様子に釣られ隣に居たタクトもトランクルームを確認し、『タクトちゃんへ』と丸文字で書かれた張り紙と着替えを引っ張り出していた。

「丁度良かった♪結局あのアジトには着れそうなのが無くてさ♪」
「ほー・・・って、ちょ、まさか今着替えるのか?」
「ん?そうだが?」

意気揚々と鎧を脱ぎ始めたネスを慌ててタクトが制止する。
ネスは何故止められたのか分からないといった顔をしていた。

「まぁまて、今俺が助手席に行ってやるから・・・ってうわっ!」

タクトが助手席へ行こうとした時、既にネスは上着を全て脱ぎ去っていた。
タクトは慌てて両手で顔を覆う。

(・・・あ、でもちょっとだけ・・・。)

魔が差したタクトはネスに悪いと思いながらも少しだけ指の間を開けた。
・・・そして、彼は生まれて初めての体験をすることになる。

(うっ!こ・・・こいつは・・・)

タクトの目に飛び込んできたもの。
形も良く実に弾力性に富んでいそうな双丘、健康的な腹筋、少し張ってはいるが柔らかそうな肩。
それは、紛れも無く魅力的な女性の上半身だった。
・・・ただ、1点。たった、1点。明らかに場違いな物がその魅力を全て吹き飛ばす。
それは全身を隈なく這い回る大小様々な傷跡。
その1本1本が彼女の通ってきた道の険しさ、危うさを称えている。

(こんな道を辿って・・・彼女は・・・何をしようと・・・?)

タクトはその1本1本を、まるで彼女の辿ってきた人生を見つめるような気持ちで目でなぞる。
そして、一際異彩を放つ物を見つける。
今まで見てきた傷跡のどれよりも大きく、どれよりも生々しい傷跡。
それは彼女の魅力的な双丘を端から端まで蹂躙していた。

(これは・・・ひど・・・うぅっ!?)

タクトはそのあまりの生々しさに吐き気を覚え、慌てて助手席へと移った。

(はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・。アレは・・・いったいなんだよ・・・。)

ラスは青褪めた顔で助手席に潜り込んできたタクトの様子を心配そうな顔で見る。
タクトは彼に聞こうかとも思ったが、何故か聞く気になれず窓の外に視線を移していた。
窓の外は所々に商店や民家があるだけの相変わらずの田舎道であった。

~つづく~