軍備強化の必要性


自らの安全を自らの力によって守る意志をもたない場合、
いかなる国家といえども、
独立と平和を期待することはできない。

ニコロ・マキアヴェッリ


■軍備強化=戦争?


日本では、そう考えてしまう方が多いと思います。
だから、嫌なんですね。怖いんですね。軍備強化。


ちょっと待ってください。


戦争するから軍事力を持つ、というのならともかく、
軍事力を持ったから戦争をする、というのはわけが分かりません。
それ、どんな狂人ですか。

どの国にも、戦争を始めるにはそれなりの理由というものがあります。
アメリカは、資源が欲しくてイラクと戦争しました。
中国は、植民地が欲しくてチベットやウイグルと戦争しました。
(※実際にはどちらも一方的な侵攻ですが)

今の日本に、戦争する理由がありますか?メリットがありますか?

ありません。
今さら新しい領土が欲しい人など、日本にはいませんし、
資源が欲しければ、持っている国と話し合って貿易すれば良いのです。
日本は軍事力でムリヤリ他国の財産を独占するような、ヤクザ国家ではありません。


■誰も守ってくれないという現実



では、なぜ軍事力を持つ必要があるのか。

自国を守るためです。

この世界は、皆さんが思っているほど綺麗な人たちばかりではありません。
「話せば分かる」かどうかは、相手によるのです。
頭を使えば外交が万時うまくいくと思ったら甘すぎるのであって、

結局、強い軍事力を持った国に有利に進むものなんです。

逆に言えば、軍事力の弱い国は、最初からハンデを負っているわけで、
対等な外交など、できるわけがないのです。
「外交官は弱腰でイカン!」なんて、言わないであげてください。
彼らは丸腰のまま、銃口向けられているんですから。

これが単に「ちょっとお金の取り分が減る」程度のことなら、まだ良いのですが…。

自虐史観~アメリカから中国へ~」をご覧いただくとお分かり頂けるでしょうが、
今の日本の状況は、利益のちょっとした争いをしていられるほど、安全ではありません。
国が消滅するかもしれない状況なんです。

軍事力を持たない日本というのは、
いわば攻められ放題の状態なのです。


ダッカ事件後に日本人拉致が急増

私には強烈な思い出がある。
昭和五十二年(一九七七)九月二十八日のダッカのハイジャック事件である。
(中略)

パリ発羽田行きの日本航空機が経由地のインドのムンバイ空港を離陸直後、
拳銃、手榴弾等で武装した日本赤軍五人によりハイジャックされた事件である。
日航機はバングラデシュのダッカ国際空港に強行着陸、犯人グループは
人質の身代金として米ドルで六百万ドルと、日本で服役中の日本赤軍メンバーら
の釈放を要求した。これに対して当時の福田赳夫首相は「人命は地球より重い」
と述べて、赤軍メンバーら六人の釈放と要求通り身代金を支払ったのである。

服役中の人間を釈放するなどという権限はもちろん政府にもない。法治国家に
あるまじき「超法規的な措置」だった。

ところがダッカ事件から二週間後の十月十三日、アフリカのモロッコ発、西ドイツ
のボンに向かうルフトハンザ航空機が、ドイツ赤軍とPFLP(パレスチナ解放
人民戦線)の混成グループにハイジャックされる事件が起こった。

テロリスト側は西ドイツ政府に対して、身代金と政治犯釈放を要求したが、西ドイツ
特殊部隊が航空機に突入し、テロリストを制圧、人質全員を救出した。この際、
機長が射殺されたがほかの乗員乗客は無事だった。

日本にはハイジャックする飛行機に突入する特殊部隊などもなく、当時としてはほかに
選択肢もなかったかもしれない。だが、この二つの事件の対応の仕方によって西ドイツ
に比べてテロに弱い日本の姿が暴露されたのは明らかだった。

そして実はこの事件の後、拉致事件は急増するのである

(中略)

北朝鮮から脱北した工作員は、工作船による日本侵入は「赤子の手をひねるよりやさしい」
などと証言しているが、この拉致事件の急増がダッカ事件と無関係と言えるだろうか。


『自らの身は顧みず』 田母神俊雄/wac

※田母神前航空幕僚長について、
詳しくは本家:「田母神俊雄の真実」をご覧ください。


「アメリカが守ってくれる」?

4月の始め、北朝鮮ミサイル問題に際し、アメリカははっきりと、

ミサイルがアメリカ領に飛んで来なきゃ、迎撃しないと言いました。

日本が攻撃されようが、知ったこっちゃねぇ、と宣言したわけです。
そりゃ、そうです。
自国のためならともかく、よその国のためにわざわざ自分の軍を動かしたくはありません。
これが、現実なのです。

しかし、日本政府・麻生政権は今回はっきりと、

ミサイルが来たら、迎撃します

と言い切り、実際にその準備をしました。
これ、世界的には実に驚くべき反応だったんです。
弱腰日本はどうせまた『止めてください、と頼みに行こう』とでも言うのかと思いきや、
『やったら、やり返すぞ』などと言うものだから、
北朝鮮のみならず世界中が度肝を抜きました。

このまま、日本が軍備強化を進めたら、どうなるか。

誰も日本を攻めてはきません。これません。

さらに踏み込んだ軍備強化、核武装については、
本家:「核武装の是非」をご覧ください。



■強かった、戦前の日本


戦前、といえば当然、日本もちゃんと国軍を持っていました。
当然、ちゃんと戦うこともできました。

戦前の日本軍のことを『怖い』と思っている方、そんな方は一度、よく考えてみてください。

日本軍は、日本を守るために存在していました。

当たり前のことなのですが、ではどうして日本人が日本軍を怖がるのでしょう。
怖いのは敵国ではないのでしょうか。

日本人を拉致し、ミサイルを飛ばしてくる北朝鮮や、
日本に核兵器の照準を合わせ、軍備拡大し続ける中国よりも、
日本と日本人を命がけで守ってくれた日本軍のほうが、怖いと。

おかしいですよね。

(前略)
その昔、根室で会った老船主からもそういうロシア人の習性を聞いた。

サハリンがまだ樺太だったころ、彼はオホーツク海の奥まで出漁した。

だれも見ていない海域でロシア警備艇が突如、襲ってくる。口実は領海侵犯。それで
漁船をただ取って売り払い、儲けていた。

だから十分、用心はするが、ときに不意をうたれて逃げ惑うことになる。新造船の彼の
船が狙われ銃撃を受け、乗組員に負傷者も出た。観念したときロシア艇が急に転舵し、
あたふた逃げ出した。

気づくと日本の駆逐艦がそこにいた。彼らを救いに来てくれたのだ。あのころ海軍は
日本近海をパトロールし、日本とその国民を守っていたのだ。

すれ違う駆逐艦の舷側に立つ水兵がまぶしく頼もしく見えた。
『涙が出た。お国が守ってくれているのだと肌で感じた』と。

しかし戦後、駆逐艦は消えた。ロシア人は日本の港の前で待ち伏せて新造船とみると
片っ端から拿捕していった。老いた船主の息子もそれで船を奪われ、当時ウラジオストク
のラーゲリ(収容所)にいた。

(中略)

日本は多くを望んでいない。かつて漁船員を感激させたように、自国民を救える国に
なりたいだけだ


『変見自在 ジョージ・ブッシュが日本を救った』 高山正之/新潮社

明治以来、常に外敵の脅威にさらされてきた、日本。
しかし、国民は今よりも安全だったのではないでしょうか。
現代も、中国、韓国、北朝鮮、そしてアメリカの脅威が迫っているにもかかわらず、
『だって軍隊怖いんだもん!』程度の論理で、国防さえおろそかにしている、日本。

このままで、良いのでしょうか。


最終更新:2009年05月07日 00:00
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