このサイトの説明

2019. 8.01版   https:w.atwiki.jp/sudalabo にURL変更されました



ぼくたちの周囲にある 社会情況が 人の発達に大切である ver.2


最近になって2冊の本を出しました。わたしはここで
その次に書こうとしている テーマについて書こうとしています。
たまたまこの秋に 3カ所で 社会のなかでの発達 というテーマを取り上げて話します。

東京のある子ども発達センターでグレーゾーンの子の話をし 障害とそうでない子の間にあるたいへんな時期について話します。
発達支援学会でも 1時間の講演をし 何のために心理学実践はあるのかを話しますが,成果主義を批判しようと思っています。

またNCC の教会で まだ分かりませんが一時間くらい 自閉症として与えられた命と精神性について話します。これもどうなるか解りません。
自分に そういう課題を与えるようにしています。

わたしは発達支援を実践していますが じつは 臨床活動は 開かれた人との出会いだと思っています。

背景には 発達する「情動調整」をとりあげ そのレンズ越しに家族や周囲の社会において
自分が人と出会うことについて 考えてみようと思っています。

1)人間をおおう不明の谷について

 まずわたしたちが生きている 都市,国,アジア,地球の難しい現実に触れてみます。

 世界の色々なところで,人びとの生命がないがしろにされ,「私利私欲」が暴力と結びつき,
 自分だけを偏愛し,利権しか見えないような人物がテレビに出ていることに気づかされます。
 そのイヤな話,いろいろ難しいことを書いてみましたが,どこまで述べても
   ----実は こういうこともあるよ

 という結末になると思うようになりました。 だから こう書いておこうと思います。

 それは その子は どのように生きているか
     その子は どのように自分を発見しているか
     その子は どのように 人を愛しているか

 などについての問いが,何か気になる子に遭遇したとき 頭をよぎります。
 しかし,さんざっぱら悩んだ後で どこか不明の谷の向こうに 科学的な事実があり
 それは 個人ごとに隠れていて 解らないことが多いという結論に向かいました。

  たとえば5歳の女児が,虐待によって死に至ったという事件がありました。死に追いやられた女児は,臓器委縮により同年齢と比べると1/5であったといい,体重12KGであったといいます。彼女の親への手紙には

 ----もうパパとママにいわれなくても しっかりと じぶんから きょうよりももっともっと
 あしたは できるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいし
 ます----

と書いてあったといいます。その子のお母さんとかお父さんとかは,その子が どのように生きていたか, その子がどのように自分を発見しようとしていたか, その子がどれほど 人を愛していたか, 解っていなかったと思います。 親といえども子どもの不明な部分を 修復した方が
いいように思います。  

【ホームページの歴史】


 このサイトは 情緒の発達と支援のために設けました。
もとは東京都立大学の人文学部で生まれました。
 その後大学名が変更され,首都大学東京の大学院人文科学研究科 発達心理学ゼミのためのサイトとしました。しかし再び東京都立大学に変更される予定です。

 2015年首都大学東京を定年退退職しました。
 従来の心理学では,デカルト以来の合理主義が,まさしく
意志の制御性をとりあげ,それを認知的制御といったり,情動の(認知的)調整といってきたりしました。
 しかし今の世界を見てみますとそうした合理主義は,けして完璧な人類理解ではなく,
じつはヒトとして生まれたというシステムには,情緒(身体的な情動と心理的な感情)をもをもった少しもうまく自立できない混乱だらけの側面がいつも問題があったということです。


【このサイトの担当者】2019年現在


須田治 首都大学東京 人文科学研究科 客員教授 名誉教授


 個人のサイト NEW

勉強会をしたい,スーパービジョンを受けたい,相談をしたいなどは,以下のサイトで
こちらへどうぞ
https://sudayoan.wixsite.com/naturalfeeling


著書

須田治 2019 編著『生態としての情動調整---心身理論と
発達支援』 1500円+税
 7人の方との分担執筆。1章と4章で,幼児支援の理論と
 発達支援の結果について述べています。


須田治 2017
『感情への自然主義的アプローチ---自閉症スペクトラムへの発達支援』金子書房 2900円+税
 発達論ののなかで,情動の発達を論じているかのようで
 じつは 行動訓練であったり,隠れ認知主義であったりする
 ものが多いことにたいして,情動的な身体的視点から
 心の感情や 心身の情動をどうとらえたらいいかを
 書いています。


須田治 2009 編著『情動的な人間関係の問題への対応』金子書房 3900円+税
 15人の執筆者にお願いして理論に力点を置いた本でした。


須田治(1999)『情緒がつむぐ発達』(新曜社)
 健常乳発達を取りあげました。情動の対人的な発達の観察  が研究の出発点であるといえます。


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最終更新:2019年07月31日 23:29