春の夜風





春の夜風 / でいむ


回り回って過ぎる季節に 知る人知らぬ人が流され
不意に空いた心の隙間 埋めたかっただけなのに

真っ暗な空を見上げると 桜の花びらぱっと散り
去年と同じはずの世界が 淡い桃色に染まっていく

ときめく気持ちなんて 無くしたと思っていたのに
暖かな陽気に誘われて 今更目を覚ましたんだ

春の夜風よ 渦を巻いて戸惑いを包み隠してよ
近くて遠い距離の先の 君は気づかないままでいて
誰に何を求めているのか 分からなくて悩み続けてる
君の声が欲しいのは 気の迷い、気の迷いなんでしょう?

ぽつりぽつり街灯の下 いつもの影と笑い声
冗談を言っておどける君 それだけで満たされるんだ

一つ二つ掛けられた言葉 都合の良い解釈付けて
何度思い出し浮かれては 首を振りたくなっただろう 

ときめく気持ちなんて 私には贅沢品のようで
そんなに簡単に受け止めることなどできるわけないから

春の夜風よ 期待と不安が混ざった気持ちを吹き飛ばしてよ
目を逸らし声震えても 君は何も考えないで
また明日も会えるよねと 手を振る君の姿がどこか
名残惜しそうに見えるのは 気のせい、気のせいなんでしょう?

花びら一片くらいの とても小さな想いが
いくつも重なり合って 後戻りできなくなった
代わりに勇気と自信と 素直さが消えていく
ねえ本当は私だって君のように頑張りたいって思ってるんだよ

春の夜風よ ゆらりと灯った激しい熱を冷ましてよ
理由の無いこの片恋を 君は知らないふりをして
これでいいんだと思い込んで 心も体も嘘をつくけど
あと一歩近づきたくなるのは 夜のせい、夜のせいなんでしょう?
最終更新:2012年08月06日 19:26
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