- 『私のタンポポ』
恒例となっている日曜の不思議探索が終わったのは、日が大分傾いてからだった。
どうしてこうも、俺の経験値と反比例して財布は薄くなっていくのだろうね?
困ったときのなんとやらとはよく言ったものだが、そのなんとやらとは、古泉曰く元凶であるアイツなので、なおさらたちが悪い。
唯一神に祈願するべきか、それとも日本の八百万制度を利用するべきかなどと言う下らないことを考えていると、
朝比奈さんとの、あの思いでのベンチ近くに、這いつくばっている「モノ」が視界に入った。
ソレは恐らくツインテールで、しかも恐らく何度か会話さえした「モノ」であり、生憎、行き倒れている知り合いを、無視できるほど人間が出来上がっていなかったので、何をしていると声をかけちまったことも未来の俺はゆるしてくれるはずだよな?
「キョ、キョンさん!?」ぐきっという人間の首が鳴らしてはいけない音をだしながら、橘は振り返った。
おーい、涙目だぞ大丈夫か?救急車よぶか?
「こ、これくらいへっちゃらなのです!あの二人に普段されていることに比べれば・・・」
顔が心なしか青いのは気にしたら負けなんだろうね。とにかく何してたんだお前は?
「見て分かるじゃないですか。タンポポを見てたんですよ」
わかったらエスパーだよ。つーかそんなもん見て何が楽しいんだ?端から見てたらお前のほうがよっぽど面白かったが
「褒めないでください照れちゃいます」
・・・やっぱり救急車呼ぼうか?正常な判断が出来ないみたいだ
「じょ、じょーだんですよじょーだん!あのですね私がタンポポを見ていたのは・・・」
何故かみるみる顔が赤くなる橘
わかったよたぶんあれだ人には言いにくく、まして年頃の女の子なら言えない理由となると・・・
「な、なんなんですかその不敵な笑みは?」
タンポポコーヒーてのは便秘に効くらしいしな。
「ちっがーう!」
痛い痛すぎる。そりゃ便秘について言ったのは大人げなかったがビンタすることもないだろう
「んん・・・!もうっ!私が見ていたのは、すっすきなひとに・・・ひっく・・・似ているから・・えっぐ・・ですよ!」
わかった茶化してすまなかった。だからそのおれの頬から両手をはなしてくれませんか?
「いや・・・です!」
わかった橘。俺も男だ!甘んじて受けようでないか
「ほ、ほんとですか。ほんとにホント?」
ああ、縦縦横横丸かいてチョンだろ?妹にやられなれてるから大丈夫だ。だから早くって、おーい橘さん?なんでまた四つん這いなんですか?
「やっぱりタンポポみたいな人なんですね・・・」
うむ?なかなか含みのあるセリフだな?そもそもタンポポみたいな人は橘の好きな人だろ?
橘はやれやれとため息をつくと、頬を見せてくれと言ってきた。
大丈夫だぞ痛みも腫れもひいてきた
「駄目なのです!キョンさんを傷物にしたら機関のなが廃るのです!もっとよくみせてください。」
わかったよとしゃがんでやると橘は「もっと!」と頭をつかんでそして・・・
頬に柔らかい感触。
ボーッと呆けていると、橘は
「また今度なのです!私のタンポポさん。」
といって走り去っていってしまった。
風が吹いてタンポポの花を撫でていった。
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