心頭滅却すれば火もまた涼し。
よく聞く言葉だが、はてさて誰が言ったのか答えられる奴はほとんどいないだろう。
どこかの坊さんの辞世の句だったことは覚えているのだが。
はてさてなんでこんなことを考えていると、
つまりは……
「ですから、涼宮さんの対策のための組織維持に年間何億円もの……」
目の前で神様について語っている一見宗教勧誘少女、実際は超能力少女のセリフを聞き流すにもずいぶんと慣れてきたってことだ。
空調の効いた店内で飲むコーヒーは橘持ちで、橘をうまくその気にさせればケーキまで出してくれる。
いままで苦節一年間。奢ることはあっても奢られることのなかった生活からは考えられないほどの進展だ。
「……キョンさん? 聞いてます?」
「ああ、聞いてるぞ」
聞き流し度100%の俺の反応に、橘はため息をつく。
橘、お前もそんなことにかまけてないで彼氏でも作って青春を謳歌したらどうだ?
お前だったらその気になったら彼氏の一人や二人、簡単に見つかるだろうよ。
「そんなことしてる場合じゃないんです!!」
橘がテーブルを叩き、コーヒーカップが一瞬中に浮く。
気がつけば橘は涙目になっている。
周りの客も、何事かとこっちを向いている。
ヤバイ、ちょっと聞き流しすぎたか? あのな、橘……
そういいかけた俺を涙をためた赤い目できっと睨み、伝票を取って立ち上がる。
「キョンさん。行きますよ」
俺の返事も聞かないまま、ずんずんと歩き出す。
ついて行く義理も約束もないはずなのだが、泣きながら歩く女の子を放置して悠々とコーヒーを飲む度胸もなく、
結果飲みかけのコーヒーを残して店を出ることとなった。
「あのな、橘。話をよく聞いてなかったのは悪かったから……」
「……」
取り付く島もない。
橘についていくまま路地を曲がり、人気の少ないビルの間に出る。
「ちょっとキョンさん。手、貸してください」
涙目になった橘の妙な迫力に押され、俺は言われるままに手を出す。
その手を橘は両手で握り、
「目、瞑ってください」
なんだなんだ? また閉鎖空間へ連れてく気か?
佐々木の閉鎖空間については分かってるのだが……
反論を許さない橘の赤くなった目に押されて、目を閉じる。
よく聞く言葉だが、はてさて誰が言ったのか答えられる奴はほとんどいないだろう。
どこかの坊さんの辞世の句だったことは覚えているのだが。
はてさてなんでこんなことを考えていると、
つまりは……
「ですから、涼宮さんの対策のための組織維持に年間何億円もの……」
目の前で神様について語っている一見宗教勧誘少女、実際は超能力少女のセリフを聞き流すにもずいぶんと慣れてきたってことだ。
空調の効いた店内で飲むコーヒーは橘持ちで、橘をうまくその気にさせればケーキまで出してくれる。
いままで苦節一年間。奢ることはあっても奢られることのなかった生活からは考えられないほどの進展だ。
「……キョンさん? 聞いてます?」
「ああ、聞いてるぞ」
聞き流し度100%の俺の反応に、橘はため息をつく。
橘、お前もそんなことにかまけてないで彼氏でも作って青春を謳歌したらどうだ?
お前だったらその気になったら彼氏の一人や二人、簡単に見つかるだろうよ。
「そんなことしてる場合じゃないんです!!」
橘がテーブルを叩き、コーヒーカップが一瞬中に浮く。
気がつけば橘は涙目になっている。
周りの客も、何事かとこっちを向いている。
ヤバイ、ちょっと聞き流しすぎたか? あのな、橘……
そういいかけた俺を涙をためた赤い目できっと睨み、伝票を取って立ち上がる。
「キョンさん。行きますよ」
俺の返事も聞かないまま、ずんずんと歩き出す。
ついて行く義理も約束もないはずなのだが、泣きながら歩く女の子を放置して悠々とコーヒーを飲む度胸もなく、
結果飲みかけのコーヒーを残して店を出ることとなった。
「あのな、橘。話をよく聞いてなかったのは悪かったから……」
「……」
取り付く島もない。
橘についていくまま路地を曲がり、人気の少ないビルの間に出る。
「ちょっとキョンさん。手、貸してください」
涙目になった橘の妙な迫力に押され、俺は言われるままに手を出す。
その手を橘は両手で握り、
「目、瞑ってください」
なんだなんだ? また閉鎖空間へ連れてく気か?
佐々木の閉鎖空間については分かってるのだが……
反論を許さない橘の赤くなった目に押されて、目を閉じる。
音が消えるのを待つ。一秒、二秒……
橘が動く音。唇にやわらかく、暖かい感触。
ずっと近くで感じる、橘の鼓動……
「!!!」
目を開けると、そこには橘の顔。
足りない背を精一杯の背伸びで補って、橘は俺に唇を重ねている。
「ぷはっ……はぁ、はぁ……」
息を止めていたのか、唇を離した橘は荒く息をつく。
その息遣いになんともいえない色気を感じて、俺は唾を飲み込む。
いつの間にか世界は薄いクリーム色の無音空間。
世界の裏側。誰も来ない閉鎖空間。
「橘、一体何の冗談だ……」
「冗談じゃ……ないです」
さらり、と衣擦れの音。橘が上着を脱いだ音だ。
上着を脱いだ橘の、細く白い指がブラウスのボタンにかけられる。
「私、朝比奈さんみたいに大きくないけれど、キョンさんがいいって言うなら……」
ぷちん、ぷちん、とボタンを外すごとに、橘の肌が露になる。
ブラウスの合間から覗く、白くかわいいデザインのブラ。
本人が言うほど小さくはなく、年の割りに幼く見える橘に似合っていて……って、何を考えているんだ俺は。
「やめてくれ、橘。お願いだから……」
「そんな事言わないでください。キョンさんがいいって言ってくれるなら、あの……私のこと好きにしていいですから……」
はらりとブラウスがはだける。
露になる鎖骨。首から肩にかけての艶かしいライン。
「あのな、橘。俺、そんなこと言われても……」
「大丈夫です。その……私も初めてですから」
いやいや、そんなことじゃなくて……
前のはだけたブラウス。橘はブラのホックを外そうと手を伸ばす。
ごめん。橘……俺……
すっと前に出て、橘に手を伸ばし……
橘が動く音。唇にやわらかく、暖かい感触。
ずっと近くで感じる、橘の鼓動……
「!!!」
目を開けると、そこには橘の顔。
足りない背を精一杯の背伸びで補って、橘は俺に唇を重ねている。
「ぷはっ……はぁ、はぁ……」
息を止めていたのか、唇を離した橘は荒く息をつく。
その息遣いになんともいえない色気を感じて、俺は唾を飲み込む。
いつの間にか世界は薄いクリーム色の無音空間。
世界の裏側。誰も来ない閉鎖空間。
「橘、一体何の冗談だ……」
「冗談じゃ……ないです」
さらり、と衣擦れの音。橘が上着を脱いだ音だ。
上着を脱いだ橘の、細く白い指がブラウスのボタンにかけられる。
「私、朝比奈さんみたいに大きくないけれど、キョンさんがいいって言うなら……」
ぷちん、ぷちん、とボタンを外すごとに、橘の肌が露になる。
ブラウスの合間から覗く、白くかわいいデザインのブラ。
本人が言うほど小さくはなく、年の割りに幼く見える橘に似合っていて……って、何を考えているんだ俺は。
「やめてくれ、橘。お願いだから……」
「そんな事言わないでください。キョンさんがいいって言ってくれるなら、あの……私のこと好きにしていいですから……」
はらりとブラウスがはだける。
露になる鎖骨。首から肩にかけての艶かしいライン。
「あのな、橘。俺、そんなこと言われても……」
「大丈夫です。その……私も初めてですから」
いやいや、そんなことじゃなくて……
前のはだけたブラウス。橘はブラのホックを外そうと手を伸ばす。
ごめん。橘……俺……
すっと前に出て、橘に手を伸ばし……
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