ハルヒと親父 @ wiki

二人は暮らし始めました 1日目

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haruhioyaji

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 その朝、ハルヒは目覚めると、真っ先に俺の首にかじりつかんばかりに飛びついてきた。
「キョン!あんた、今の、見た?」
「何をだ?」
「夢よ、夢! 見てないの?」
「ああ、俺もさっき起きたが、夢は見てないな」
「そう。……よかった」
「大丈夫か。怖い目にでもあったのか?」
「ううん。……顔、洗ってくる!」

「何、見たんだ、ハルヒ?」
「え?」
「今朝、飛び起きた時だ。夢、見たんだろ?」
「ああ、あれ。……なんでもないわ」
「朝の様子じゃ、なんでもないことはなかったぞ。悪いが見えちまった」
「な、なに見たのよ?」
「涙。おまえ、泣いてたろ?」
「……」
「拭うな、今は大丈夫だ。それで、顔を洗いに飛び出てったんだろ?」
「あたしとあんたの夢は、ときどきシンクロするから……だから、念のため、聞いたのよ」
「だから、どんな夢だって?」
「気分の悪い夢。聞いたら絶対、気分を害するわ」
「そうか。俺は今、気分を害したい気分なんだ」
「……夢ん中で、あたし、別の男に抱かれてた」
「!」
「気付いたら!……あんたと似ても似つかない奴で、ひっぱたいたら目が覚めた」
「……ハルヒ、あのな」
「夢よ!夢! あたしだって見ようと思って見たんじゃないし! だいたい見たいと思う
時に限って、あんた出てこないし! それに……」
「それって、気付く前は、俺が抱いてたってことになるぞ」
「あっ……わ、悪い?」
「わるくなんか……ない」(だが、朝からちょっと持てあます)













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