ハルヒと親父 @ wiki
一人旅に必要な事 エピローグ2
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haruhioyaji
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アキと親父
- アキ
- ねえ、親父ちゃん。聞きたい事があるんだけど。
- 親父
- おう、なんだ?
- アキ
- パパとハルヒはラブラブだよね。
- 親父
- だよな。ああいうのをバカップルというんだな。
- アキ
- で、ナツキはさ、パパとハルヒの子供だよね。
- 親父
- ああ。そうだな。
- アキ
- 学校じゃさ、愛し合うと子供ができるっていうんだけど、あたしのママとパパは、そんなにラブラブだった訳じゃないと思うんだ。なんで、あたしは生まれたんだろう?
- 親父
- うーん、身もふたもないことを言うとな……。
- アキ
- うん、いいよ。それを期待して親父ちゃんに聞いたんだもん。パパとかハルヒだと、うまくいい話に持って行かれそうでさ。あたし、そういうのに弱いから、ごまかされちゃうと思うんだ。
- 親父
- うむ。じゃ遠慮なく身もふたもないことを言うと、5分間のラブラブでも、赤ん坊は生まれる。逆に30年間ラブラブでも生まれない場合もある。
- アキ
- あたし、5分間の子供なのかな?
- 親父
- いや、1年半ぐらいのラブラブじゃないか?
- アキ
- そうなの?
- 親父
- 覗いた訳じゃないから、はっきりした事は言えんがな。
- アキ
- パパとハルヒのは、覗いたの?
- 親父
- いや、母さんに阻止された。
- アキ
- 強いもんね。
- 親父
- ああ。涼宮家、最強だ。
- アキ
- ハルヒも強いよね。だから、ママに「略奪愛」して勝ったの?
- 親父
- それはどうかな。ママよりハルヒが強いと思うのか?
- アキ
- うーん。よく聞かれるんだよね。無責任な大人に、ママとハルヒとどっちが好きだとか。
- 親父
- そりゃ無責任大王の俺が、ハンコを押したくなるほど無責任だな。
- アキ
- 今度、押してやってよ。
- 親父
- ああ、特別製のはんこを彫っておく。
- アキ
- あたし、ハルヒに初めて会ったとき、いっぺんに好きになったよ。ママから散々ハルヒの悪口を聞かされてた反動かもしれないけど、今考えると違うと思う。ママはね、ハルヒに会わないで、ハルヒとケンカしてたんだと思うんだ。ハルヒに会った事がなかったんだよ。そりゃ疲れるし、勝てないよね。
- 親父
- そりゃそうだ。
- アキ
- でも、ハルヒに会ったら、今度はやっぱりケンカできなくなったんだ。あたしを送って行ったとき、ハルヒも一緒に来たでしょ。
- 親父
- ああ、そうだったな。
- アキ
- あれでママも本当は分かったと思うんだ。なんでも生返事しかしなかったパパが、ハルヒの話になるとなんであんなにマジになるのか、なんであんなに格好良くなるのか。あたしでも、わかったんだもん。
- 親父
- 200歳生きても分からん奴は分からんさ。アキのママだから、わかったんだろう。
- アキ
- あたし、ママが心配で、あたし残ろうか、ってママに聞いたんだよ。そしたらママ、こう言ったよ。「あなたはパパのところに行ってあげて。そして素敵な女の子になったら、ママに会いに来て、それを見せて。わたし、それまでちゃんと待ってるから」。それから「バトンタッチできるのがあの人で、ママ本当に幸せだわ」って。ううう……。
- 親父
- よしよし。泣くな泣くな。アキの方が『いい話』にしちまったな。こんなとこ、ハルヒに見つかってみろ。「親父、あたしのアキを何泣かしてんのよ!」ってドロップキックだぞ。
- ハルヒ
- 見つけたわよ。
- アキ
- あ、ハルヒ。違うよ、親父ちゃんが泣かしたんじゃないよ。
- ハルヒ
- それぐらい分かってるわよ。アキ、採寸するから、ちょっとこっちに来てくれない?
- アキ
- 採寸?なんの?
- ハルヒ
- あたし洋裁に目覚めたの。あんたに最高に似合う服はあたしにしか作れないってことに、気付いたのよ! というわけで、あんたを最高のレディにする服をつくるわ。サイズ計らせて。
- アキ
- いいけど、子供だから、すぐ大きくなるし、着れなくなるよ。
- ハルヒ
- 一張羅なんて一発勝負服だからそれでいいのよ。できたら、それであんたのママにアポを取るわ。直接対決よ!
- 親父
- あー、キョン、悪いが説明してくれ。
- キョン
- ええ。あいつからアキへって、さっきドレスが届いたんですよ。
- アキ
- ママから?どこ?着る、いま着る!
- ハルヒ
- ああ、いっちゃった。
- 親父
- おまえもな、少しは待つことを学べよ。順番から言っても、向こうが先だろう。
- ハルヒ
- ぶー。わかってるわよ、それくらい。
- 親父
- 母さんも、涼宮家最強の座は、直接アキに譲るって言ってるぞ。
- ハルヒ
- 別にいいわよ、それで。
- 親父
- キョン、このぶーたれ娘をのけてくれ。おれはちょっと部屋にこもる。
- ハルヒ
- こら、バカ親父。あんた、いまのアキの話で、こっそり一人で泣くつもりね。
- 親父
- わるいか。おまえには別の意味でよく泣かされたが、俺はいい孫を持った。
- ハル母
- ねえ、2階の人たち、アキちゃんが着替え終わったわよ。見ないの?
- ハルヒ
- あーもう、キョン、行くわよ。
- キョン
- いつもすみません。
- 親父
- いいから、行け。映画なら、ここで俺にピン・ライトが当たってエンディングだ。
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