ハルヒと親父 @ wiki
二人でベンチに
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haruhioyaji
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- ハルヒ
- 今日、とても仲の良さそうなおじいさんとおばあさんを見かけたの。
- 母
- そうなの。
- ハルヒ
- 公園のベンチでね、小一時間ぐらい座っていたわ。あまり話してる様子はないけど、「ねえ?」とか「ああ」とか「そうだね」とか、相槌みたいなことばかりね、それでもちゃんと気持ちが伝わってる感じ。
- 母
- ええ、すてきね。長い時間を共にされたからかしら。
- ハルヒ
- 母さんたちは、よくしゃべってるわね。
- 母
- そうね。
- ハルヒ
- お互いのことを、知れば知るほど、分かりあうほど、話さなくなるものなの?
- 母
- お父さんなんか、わざと分かりにくくするために、しゃべってるところがあるわね。
- ハルヒ
- そうよ!まったく、あの親父ときたら!
- 母
- でも、お父さんが「かくしたいもの」なんて一目瞭然よ。
- ハルヒ
- 何?
- 母
- 「照れ」よ。
- ハルヒ
- なーんだ。そのくせ、クサイせりふは平気で吐くわね。
- 母
- あれも、照れ隠しではあるけれど。……ところでハル、今日っていつもの不思議探索?
- ハルヒ
- ええ、そうだけど。
- 母
- 公園も、いつもの公園よね? 小一時間もひとりで座ってたの?
- ハルヒ
- ううん。運悪く、午後の班分けがあいつと二人になってね、全然やる気もないし、なんだか眠そうだったから、早々に公園へ行って休むことにしたの。団長は、雑用係とはいえ、団員の健康だって気を配らなきゃいけないしね。
- で、公園につくなり、あいつときたら、ベンチで寝出したから、動くに動けずにね。お向かいのお年寄りカップルを観察して時間をつぶしたわけ。
- 母
- ひ・ざ・ま・く・ら?
- ハルヒ
- え?な、何が?
- 母
- その方たちも、こう言ってる気がしてきたわ。
- 「向かいの若いカップル、もう何年も連れ添ったように仲が良いね」って。
- ハルヒ
- な、な、なに言ってんのよ!
- 母
- そのご夫婦と母さん、ちょっとした知りあいなの。
- ハルヒ
- えええ!?
- 母
- 今日の夕方,お会いする約束でね、早めに出て公園を散歩してからいらしたのね。で、公園で見た若いカップルの話が出て、聞けば聞くほど、どこかで……
- ハルヒ
- あ、母さん、急に至急な急用を緊急でやらなくちゃならないことに急に気付いたから、ちょっと出てくるね。
- 母
- はいはい。ごゆっくり。