ハルヒと親父 @ wiki

夢魔が降る夜

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haruhioyaji

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 明け方まで随分間がある時刻、自分の右手が、そこにいるはずも無い誰かを探しているのに気付いて、おれは目を覚ました。
 熱は2日間続いて、ようやく下がり始めていた。朝になれば「今日」こそ学校に行けるだろう。いや、行かなくてはならない。
 のどはまだ痛い。それを意識すると、のどの乾きに気付いた。何か飲もうと、ベッドからずるずると這い出し、部屋のドアへ向かう。
 何かが、いや誰かがそこで立ちふさがっていた。
 っていうか、服まくりあげて、なに放りだしてんだ、おまえは!?
「うっさい! 母乳にはね、免疫を高める成分が入ってんの! さっさと飲んで、とっとと風邪を治しなさい!」
 ぼ、母乳! 子供もいないのに、そんなもの出る訳ないだろ!
「は、恥ずかしいんだから、早くしなさい!」
恥ずかしいなら、やめろ。考え直せ!
「ええい、問答無用よ!」
いつ、おまえが問答なんかしてくれた? 頭をつかむな! お、押し付けるな!
…………
………
……



「おはよ」
ああ、おはよう、ハルヒ。
「あんた、風邪はもういいの?」
なんとかな。熱も下がり切った。
「そ、それにしちゃ顔が赤いわよ」
今朝、自分で鏡を見た時は、土気色だったぞ。
「なによ、それ?」
おまえこそ、顔、赤いぞ。
「誰かさんのが感染(うつ)ったのかしらね」
おまえに風邪をうつすような強者もとい痴れ者がいるとは初耳だ。
「たしかに痴れ者ね」
夜中に人の部屋で、胸を放り出す奴よりはましだ。
(がたん)「あ、あ、あ、あ」
どうした、ハルヒ? 胸をガードするみたいに腕組んで。
「あんた、夢の中に入り込むだけじゃ飽き足らず、人を部屋ん中に連れ込んで、あんなこと!」
ち、ちょっと待て。あれは夢だろ。いや、あーしたいとか、こーしたいという方じゃなくて、眠ると不可抗力的に見てしまう方のドリームだ。断じてあーしたいとか、こーしたいとかじゃなくてだな。
「うるさい! やることやっておいて、今更言い訳すんな!!」
そ、それは、おまえがへんな声だすから!



「やったのか、やっちまったのか、キョン!」
「キョン君、やっちゃったのね」
「やったんだね、いまさらだけど」






……おまえ、この胸、なんだか張ってるぞ。
「み、見るな!」
み、見ないと、吸うところが分からんだろ。だいたい暗くて……見た目じゃなくて、こう手で包んだ感覚というか……。
「よ、余計なこと言うな!」
最初、触った時は筋肉質というかこりこりしてたのにな。すぐに、弾力がありながら、手に吸い付くようにやわらかくなって……。
「そ、その、触り方、……脇は関係ないでしょ!」
すまん。いつもの癖で。
「『いつも』とか言うな!」
いつもみたいにすべすべだが、パンパンになってるぞ。
「し、下から持ち上げながら、も、揉まないで!」
こうしないと口が届かないだろ。
「はうっ……あ、はあ、はあ」
吸ってるだけだぞ。気持ちいいのか?
「いい……に、き、決まってんでしょ。し、舌使うな!」
ちょっと刺激しただけで、びゅーびゅー出て来るぞ。そうだ、待ってろ。
「はあ、はあ……ん、んん……」
おまえにも飲ませてやる。
「! うぐ、はあ、はあ。……口移しなんて、へ、へんたい!」
おかしなこと言うな。うっすら甘いだろ。
「そ、そういう問題じゃない!」
そうか。おまえ、口の中、弱いもんな。夢の中でも同じか。
「ゆ、ゆめ。そうよ、夢よね」
夢だろ。でなきゃ……。
「でなきゃ、何?」
なんでもない。続けるぞ。胸、張ったままだとつらいだろ。
「……途中で止められる方が、つらいわよ」
安心しろ。ちゃんとしてやるから。
「んんああ、こ、こら! 余計なとこ、ぐりぐりしないで!」
吸ってない方、放っておいたら不公平だろ。
「あ、だめ! あんまり激しくしちゃ!」






















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