ハルヒと親父 @ wiki

保健室へ行こう3

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haruhioyaji

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「おまえ、ずっとそれ着て授業受けてるのか?」
「わるい?」
「悪くはないが、洗濯とかどうしてるんだ?」
「そんなことしちゃ《意味ない》じゃない!」
「やれやれ。そんなことじゃないかと思った自分がちょっと嫌だな。ほら、これ」
「何よ?」
「洗い替え用の白衣だ。あ、ちゃんと一度、袖を通してあるからな。これなら《意味ある》だろ?」
「うー」
「どした?」
「こんなことも気付かなかった自分に腹立ててんの!」
「今着てるやつ、よこせ。洗ってくるから」
「ダメ! あたしが言い出しっぺなんだから、あたしが洗濯するの! あんたの情けは受けないわ! ……洗い替え用の白衣は、ありがたく頂戴するけど」
「それじゃ、洗濯してきたのを持って来い。袖を通してやるから」
「……バカにしてんでしょ?」
「いいや」
「めんどくさい女だと思ってんでしょ?」
「あのな、恋愛ってのは元からめんどくさいもんなんだよ。例えば、今まで何とも思ってなかった奴の前を通り過ぎるだけでも大仕事になる。心臓はバクバクするし、一挙手一投足が気が抜けない、すべての瞬間に全神経を払うことになる」
「……あんたも、そうなの?」
「俺は顔に出ないタイプなんだよ」
「聴診器ある? ちょっと胸の音、聞かせなさい!」
「医者でもないのに、そんなものあるか」
「いいわ、直に聞くから」
「っておい! ……耳から飛び込んでくるやつがあるか」
「確かにバクバク言ってるけど、普段を知らないから、よくわかんないわ」
「……やれやれ」
「! ち、ちょっと! いきなり何抱きしめてんのよ!」
「こうすりゃ変わるのが分かるだろ?」
「あ、うん。……ちょっと聞いてて恥ずかしいぐらいバクバク言ってるわよ」
「悪かったな」
「あたしの心音、聞いてみる?」
「結構だ」
「もう遠慮するような仲じゃないでしょ!」
「遠慮じゃない」
「じゃあ何よ?」
「おまえの胸に抱かれたら、今日はもう仕事なんてしてられなくなる」
「どうせあたしが居るんだから、誰も保健室なんて来ないわよ。来たら、にらんで追い返すから」
「誘惑するな。……弱いんだよ」
























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