ハルヒと親父 @ wiki

保健室へ行こう2

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haruhioyaji

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「どうだった?」
「ん? ああ、教頭か? 大変うらやましい、私もあと20も若ければ、と言ってた」
「20も引いたら、あたしなんてマイナスになるわよ。……じゃなくて!」
「クビか? 大変優秀な生徒なんで、なんとか穏便に済ませたい、協力してくれ、って話だったなあ」
「さすが、お・と・なは、言うことが違うわね」
「とりあえず進学はさせます、ってことで手を打ってきた」
「あんた、何、人の未来を勝手に決めてんのよ!」
「そんなことができるか。『結局、本人のやる気ですから』っていうオチだ」
「タヌキ。悪人」
「大人だって、教頭先生だって、夢を見る権利はある」
「極悪人。とにかく、あたしは大学なんて行かないからね!」
「好きにすりゃいい。……ああ、あとハルヒが保健室に篭城してるんで、本来なら保健室登校しそうな連中が怖がって、真面目に授業を受けているとお誉めの言葉をいただいたぞ」
「それはイヤミっていうのよ」
「そのとおり。さすがによく分かってるな」
「何が言いたいのよ?」
「おまえが退学するなり卒業するなりして、おれたちが一緒に暮らすだろ。おまえが仕事をするのか専業主婦するのか、それはわからんが、昼間はおれは保健室にいて、そこにはピチピチの女子高生とかがたくさんやってくることになる」
「まあ、あんたにも、夢を見る権利はあるわね」
「嫉妬は、ヒトが自己意識が獲得したとき、基礎となった感情だ。『あたしじゃなくて、あいつが!』と自他を分離できることが根底にあるからな。その意味で大変抑えにくいし御しにくい」
「誰が誰に嫉妬するのかしら?……で、結論は?」
「俺はおまえだけだ。だから安心して教室に戻れ。以上だ」
「な、なによ、それ!」
「ああ、もうひとつ方法はあるな。やっぱりおれは教師をやめて、在宅でできる仕事に転職する。これだと昼も夜も、おまえと一緒にいられるな」
「……」
「それともおまえが惚れたのは保健室にいる俺か? 白衣を脱いだ俺にはもう興味はないか?」
「び、微妙なニュアンスの違いが、誤解を招くでしょ!」
「まあ、たっぷり考えてみてくれ。カボチャの馬車は、もうメーターをたおしてるが、時間が全然ないわけじゃない」
「……ひとつだけ条件があるわ」
「聞こう」
「あんたの白衣をよこしなさい。勘違いしないで。フェチとか、そういうんじゃないからね!」
「今着てるやつでいいのか?」
「(こくん)」
「フェチじゃないか。売るなよ」
「誰が売るか!」
「わかってる。『ライナスの毛布』だろ」
「あんなカボチャ・ヲタといっしょにしないで! あんたの身代わりよ。我慢できないことがあったら、これに当たることにするわ」
「釘、打つなよ」
「誰が打つか!」
「……なあ、ハルヒ。もっと聞き分け悪くったって、いいんだぞ」
「そしたら、あんたがいっぱい苦労することになるじゃないの?」
「自分で選んだ苦労だしな。どのみち苦労するなら、好きな苦労の方がましだろ?」
「今日のあんた、口がうますぎ」
「味見してみるか?」
「こ、このエロキョン!」
…………
………
……

「やっぱり、『味見』するっ!」
「うおっ!」























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