ハルヒと親父 @ wiki

或る日の出来事

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haruhioyaji

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ハルヒ
親父、今日はやけに恋愛映画ばっかり見てるわね。
親 父
これで4本目だ。
ハルヒ
ったく、胸焼けしないの?
親 父
とりあえず必ず泣くことにしてるからな。見る度に心が清らかになるようだ。
ハルヒ
あ、そう。
親 父
おまえこそ、さっきからうろちょろしてるな。いっしょに見るか?
ハルヒ
誰が!?
親 父
恋愛映画なんて役には立たんぞ。映画が教えてくれるのは、映画ならこの先どうなるか観客なら誰だってわかるのに、当人たちにはそれがわからないってことだけだ。
ハルヒ
知らないわよ!
親 父
「恋愛は精神病」主義者だもんな。
ハルヒ
別に「主義者」じゃないわよ。
親 父
ところで、キョンの奴は元気か?
ハルヒ
うるさいわね!
親 父
何を怒ってるんだか。
ハルヒ
怒ってないわよ!
親 父
知ってるか? こういうのは母さんがくわしいんだが、古代ギリシアの名医ヒポクラテスが「恋は精神病の一種」と言ってるそうだ。
ハルヒ
あ、そう。
親 父
もっともヒポクラテスは、「女であることは一種の病い」だと言ってるらしいが。
ハルヒ
なによ、それ?
親 父
詳しくは知らんが、医者なんてそんなもんだ。もっとも、ガイ・ベラミイってやつは、「生命(いのち)とはセックスで感染した病気である」と言ってるらしいが。
ハルヒ
いいかげん、黙りなさい。
親 父
ナントカと馬鹿は一生治らないってことだ。
ハルヒ
たった今、ここで、治してあげようか?
親 父
次の映画はお薦めだぞ。『或る夜の出来事 It Happened One Night』(1934)。DVDをキョンに貸しとくから暇なときにでも見るいい。笑えるぞ。古い映画だが、アメリカ映画協会が選んだコメディ映画オールタイム・ベスト100の第8位に入ってる。その後、世界中の恋愛コメディのお手本になった。
ハルヒ
いつの間に、そんなもの貸借りしてるのよ!
親 父
気にするな。匿名で一方的に送りつけてるだけだ。あとで回収しといてくれ。
ハルヒ
誰がするか!
親 父
ストーリーはよくある話で、というかその後の恋愛コメディがこの映画の真似をしてるんだから当然だが、じゃじゃ馬娘とそれに手を焼きながらつきあってやる男とが、最後には結ばれるって寸法だ。
ハルヒ
ケンカ売ってんの?
親 父
ストーリー中盤でな、男とヒロインはモーテルにしけこむんだが、何もしないんだぞ。二人のベッドの間に、毛布をつるしてな、この「壁」は聖書でジョシュアのラッパの音でくずれたあの壁より強いとか、第一俺はラッパなんて持っちゃいない、とかなんとか言うんだよ、その男前が。なあ、腹立たないか?
ハルヒ
知らないわよ!
親 父
まあ、あとの方では男の方はちゃっかり、おもちゃのラッパを用意してくるんだけどな。あ、すまん、ネタバレだ。
ハルヒ
怒るポイントはそこじゃないわね。
親 父
おもちゃのラッパで甲斐性ある男になれるんだから安いもんだ。というわけで、これはキョンに送っとく。親父推奨。
ハルヒ
そこになおれ!バカ親父!











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