ハルヒと親父 @ wiki
オヤジラジオ その4
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haruhioyaji
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- ハルヒ
- それ、どういうこと? じゃあ、発信機を探しだせても、何にもならないの?
- キョン
- そういうことだ。
- ハルヒ
- ちょっと、キョン、どうすんのよ!?
- キョン
- ハルヒ、落ち着け。
- ハルヒ
- って、あんたは何でそんなに落ち着いてんのよ!?
- キョン
- ハルヒ、これって、いろいろ周囲を巻きこんで多少傍迷惑ではあるが、要するに、お前と親父さんの親子ゲンカだろ。
- ハルヒ
- う、うぐ。た、確かに、そう言えなくもないけど。
- キョン
- だから、だ。俺たちが背負ってるのは世界の破滅でも、誰かの不幸でもない。相手は超常現象でも不条理でもない。いくらか常軌を逸しているが、親父さんの悪知恵と悪戯心に勝てばいいんだろ。
- ハルヒ
- ぶっちゃけ、そうよ!
- キョン
- だったらな、ハルヒ、おれたちは多分、答えの鍵をすでに手にしてると思うぞ。
- ハルヒ
- どういうこと?
- キョン
- それも、後でなんで気付かなかったんだろうと、自分を責めたくなるような、簡単すぎる奴だ。そういうのを嘲(あざわら)うのが親父さんの大好物だろ?
- ハルヒ
- それは、そうだけど……。あんた、人の親のこと、むちゃくちゃ言うわね。
- キョン
- すまん。失礼ついでに、もひとつ言うぞ。その鍵はな、ハルヒ、おまえじゃないとわからないもののはずだ。
- ハルヒ
- あたし?
- キョン
- おれもけっこう最近じゃいじられるようになったが、親父さんが、からかいたい相手と言ったら、まずおまえだろ。おまえなら、気付いてないといけないもの、なのに単純すぎるか、当たり前過ぎて、見過ごしてるもののはずなんだ。親父さんがお前をからかうのなら、まずそうなる。
- ハルヒ
- ……。
- キョン
- ハルヒ?
- ハルヒ
- ……ちょっと、考えさせなさい! あたしも、なんか引っかかってるものがあるのよ。それも絶対、間違っちゃいけないような!
- オヤジ
- 長門、もう飯はいいのか?
- 長門
- 交替する。あなたも食事を。
- オヤジ
- それは助かる。で、どうする? 俺が戻るまで、音楽でも適当にかけとくか。
- 長門
- 「質問」がまだ少し残ってる。
- オヤジ
- じゃあ、回答者をやるか?
- 長門
- (こくん)
- オヤジ
- じゃ、まかせたぞ。20分くらいで戻る。
- 長門
- 次の質問。
- 「爆弾の作り方を教えてください」
……三ヨウ化窒素は、とても不安定。調合はお勧めできない。
- 長門
- 次の質問。
- 「子供の作り方を教えてください」
動物の場合、その生殖細胞は体の内部にある生殖巣に形成されるが、ヒトを含む多くの動物で体内受精が行われる。体内受精とは、精子が体外に出され、雌の体内の卵細胞に到達し、そこで受精が行われることをいう。すなわち扁形動物(渦虫綱・吸虫綱)・顎口動物・輪形動物(ワムシ類)・腹毛動物(帯虫綱)・線形動物・動分動物・軟体動物(腹足類)・環形動物(ヒル類・ミミズ類)・節足動物(甲殻類・昆虫類等)・脊椎動物(軟骨魚類・は虫類・哺乳類)という多くの種で体内受精が行われ、そのため雄性器を挿入して精子を注入される。受精の後、卵は一定の発生段階に達した後に体外に出る。しかしヒトの場合、対外に出た後も自律的に生存するには未熟な状態であり、長期に渡って成体による関与(ケア)が必要となる。これを子育てと言う。子供を作るには、後に述べる配偶行動が前駆的に行われるが、これよりも数百倍の時間資源その他の資源が「子育て」に投じられる。
また体内受精では、雌の体内に精子を送り込むための行動や構造が発達する必要があるため、通常、雌雄が体を寄せ合い、性器を接触させる。これを交接、より接触の深い場合を交尾という。その形態は種によって様々であるが、体内受精においては交尾や精包受け渡しにおいて、一定の配偶行動が見られるのが通常である。多くの場合、雄が雌の前で求愛行動を行い、雌がそれに対する受け入れの反応を示すことで、具体的な精子の受け渡しに進む。これには、雌の側の成熟状態や受け入れ態勢の確認と、雌による雄の選択の意味があると考えられる。後者はいわゆる性淘汰の原因となる。配偶行動に失敗すると、選択されなかった雄は、交尾の機会が得られず、子供を作ることができない。
また体内受精では、雌の体内に精子を送り込むための行動や構造が発達する必要があるため、通常、雌雄が体を寄せ合い、性器を接触させる。これを交接、より接触の深い場合を交尾という。その形態は種によって様々であるが、体内受精においては交尾や精包受け渡しにおいて、一定の配偶行動が見られるのが通常である。多くの場合、雄が雌の前で求愛行動を行い、雌がそれに対する受け入れの反応を示すことで、具体的な精子の受け渡しに進む。これには、雌の側の成熟状態や受け入れ態勢の確認と、雌による雄の選択の意味があると考えられる。後者はいわゆる性淘汰の原因となる。配偶行動に失敗すると、選択されなかった雄は、交尾の機会が得られず、子供を作ることができない。
- 長門
- 次の質問。
- 「友達の作り方を教えてください」
……。友達はつくるものではない。
- オヤジ
- 言い得て妙だな。替わろうか、長門。
- 友達が欲しいなら、とりあえず誰かに「ありがとう」と言うことだな。ただし「自然」にだ。
- いきなり初対面の相手に「ありがとう」はないだろ? だから、まず相手に何か頼むのがいい。何か「もらう」のがいいな。そしたらお礼を言う、「ありがとう」は自然だろ?
- 最初は、いきなり「くれ」と言われても相手だって困るから、「ただでくれるもの」を頼むと良い。
- 「ただでくれるもの」が何か分からない?
- 「ただでくれるもの」ってのはな、誰かにあげても、減ったりしないもんだ。それなら気安く誰かにあげられるだろ。
- それは親切だろって? おしいな。まちがいじゃないんだが、つまりだ、おまえさんから相手に「親切」を頼むのは、不自然だろ。相手に頼めないところがネックだ。もらうのは、そう「親切」で、かまわないんだがな。
- ヒントをやろう、おれがおまえさんに、いまからやろうとしてるものだ。
- 「情報」だよ。情報をくれ、と頼むんだ。「秘密」じゃないぞ。ほんとの「秘密」は、広がると値うちがなくなっちまう。ただの「情報」は、もともと知ってるやつには、ただみたいなもんだ。
- 友達になりたい子に、何か教えてもらえ。そうだな、たとえば道を聞くんだ。あの子にとってはなんて事はない。そしたらおまえさんは言う。「ありがとう」と。
- あるいは、となりの机の子には、まだ持ってない「教科書」を見せてもらうんだな。
- おまえさんは、まだこの町について何も知らないし、この世界についても何も知らないに等しい。つまりは「ありがとう」の言い通しだ。
- まあ、だまされたと思って2週間ほどやってみろ。
- オヤジ
- じゃあ、音楽と行こうか? 長門、歌いたい歌があるのか? じゃあ俺はバイオリンでも弾くか。何をやる?
- 作詞、:作曲|福山雅治で「最愛」?
- すまんな、知らん。最近の映画は見てなくてな。ちょっとAメロを投げてくれ。で、Bメロは? んでサビだな。おう、それなら、なんとかなりそうだ。
- だが、半泣きになりそうな歌詞だな。……まあ、好きってやつだけは止めようがない。
- ハルヒ
- ! 古泉君!
- 古泉
- はい、なんでしょう?
- ハルヒ
- オヤジのラジオ、録音してある?
- 古泉
- ええ、念のためmp3ファイルにしてありますが。
- ハルヒ
- さすがはSOS団が誇る副団長ね。最初の曲、ムゾルフスキー「禿山の一夜」のをあたりを聞かせてちょうだい。これよ、これ……間違いないわ、これ母さんの演奏よ!
- キョン
- 親父さんもそういってるが。「編曲、演奏、うちの母さん」って。
- ハルヒ
- そうじゃない! あたしは母さんが弾いた演奏、全部覚えてるわ。この曲もなんどか聞いたけど、今日のやつは、聞いたことがない。つまり、これは録音なんかじゃないの。母さんが、ライブで弾いてるのよ。それから、このピアノの音。こざかしくも調律変えてあるけど、間違いないわ。うちのピアノよ! これで全部つながるでしょ、キョン!?
- キョン
- やれやれ。親父さんらしいというか、なんというか。
- 古泉
- 乗りこむべきは涼宮家という訳ですか。
- 鶴屋
- とりあえず行き先が決まってよかったにょろ。妹ちゃんがそろそろ退屈で、眠くなって来てるっさ。
- ハルヒ
- あたしもこの茶番には退屈し切ったわ。さあ、みんな、乗りこむわよ!
- オヤジ
- 日が傾いてきたぞ。やれやれ、連中は、ようやくお出ましか。長門、最後はなんでしめる?ビター・スウィート・サンバか? それとも「我々に代わって闘う同志の諸君が、この放送を再開する日まで、一時、放送を中断します」か? ちぇっ、元ネタわかるのかよ。さすがユキペディアと言われるだけのことはあるな。お、騒がしいのが来たぞ。
- ハルヒ
- おやじ、これでチェックメイトよ!神妙にお縄につきなさい。あんたの罪は万死に値するわ。
- オヤジ
- 休日に自分のうちでくつろいで何が悪い?
- ハルヒ
- 怪しげな電波を発しなきゃね。有希、だいじょうぶ、変なことされなかった。
- 長門
- されてない。お昼ご飯はおいしかった。
- 母さん
- それは、よかったわ。
- ハルヒ
- 母さんも、こんな悪ふざけに手を貸さないでよ!
- 母さん
- ピアノを最初に弾いただけよ。でも、すぐに気付いてくれなくて、母さん悲しいわ。
- ハルヒ
- うぐ。
- オヤジ
- まったく遅すぎるぞ、おまえら。罰ゲームにやらせるはずが、もうバースデイ・パーティの料理も飾りつけも済んじまった。
- ハルヒ
- いったい何やってんのよ!?
- オヤジ
- サプライズ・パーティの準備に決まってるだろ。
- ハルヒ
- 誰を驚かせようっての?
- オヤジ
- 取りあえず、おまえらは驚いてるな。
- ハルヒ
- 誰が生まれた日かって聞いてんのよ!キョン!あんた?
- キョン
- ちがう。だいたい、お前、知ってるだろ。
- ハルヒ
- 知ってるけど、念のためよ。じゃあ、みくるちゃん?
- みくる
- ち、ちがいます。
- ハルヒ
- 妹ちゃん?
- キョンの妹
- ちがうよー、ハルニャン。
- …………
- ………
- ……
- …
- オヤジ
- ああ、じれったいぞ、バカ娘。聞け、そして驚け。これから長門有希のバースデイ・パーティを執り行う。一同の者、グラスを持て!
- ハルヒ
- なんなのよ、いったい!?
- 古泉
- つまり、祝われる方ではなく、祝う方を驚かせるサプライズ・パーティという訳ですか。
- オヤジ
- そのとおりだ、イケメン。
- 古泉
- 恐れ入ります。
- ハルヒ
- って、有希の誕生日って今日だったの?
- 長門
- そう。
- ハルヒ
- なんで黙ってたのよ!?
- 長門
- 最近、決まったから。
- ハルヒ
- は?
- オヤジ
- わからない、っていうから、祝いやすいように、俺の休みに合わせてもらった。
- ハルヒ
- あんた中心に地球を回すんじゃない!!
- オヤジ
- 御託はあとで聞いてやる。いい加減、グラスを持つ手が疲れてきたぞ。とっとと乾杯の音戸をとれ。
- ハルヒ
- あ、あたしが?
- オヤジ
- たまには団長らしく、びしっと仕切れ。
- ハルヒ
- うっさい! えーと、よくわかんないけど、有希の誕生日だもの、おめでたいのは間違いないわ。ここまでの経過については言いたいことは山ほどあるけど、祝おうって人はみんな集まってる訳だし、とにかく今日も大いに盛り上げるわよ!乾杯!!
- 一同
- 乾杯!
- ハルヒ
- さあ、全部片付いたわよ。みんなはキョンと古泉君に送らせたし、片付けも済んだわ。訳を聞かしてもらいましょうか?
- オヤジ
- こないだの日曜、借りてたDVDを返しに図書館へ行ったら、偶然、長門に会ってな。で、お茶してたら、なんでか誕生日の話になったんだ。
- ハルヒ
- あんたは、娘の友達をナンパしてんのか!?
- オヤジ
- 誰でもって訳じゃない。日曜の図書館で、長門を見かけたら、お茶ぐらい誘いたくならないか?
- ハルヒ
- 訳分かんない。じゃあ、みくるちゃんと会ったらどうすんのよ?
- オヤジ
- お茶っ葉を買いに行くな。
- ハルヒ
- 鶴屋さんだったら?
- オヤジ
- お茶席に誘う。
- ハルヒ
- あんた『も』、女性キャラ喰いに決定ね。
- オヤジ
- で、「バースディ・パーティ」ってものに興味を持ったらしくってな、いろいろ聞いてくるから説明してたら、バースディ・プレゼントの下りで、なんか欲しいものないかって聞いたんだ。「少し考える」と言うんでその日は別れたんだが、後であの企画書が届いた。まあ、前向きの答えと受けとって良いよな。それで母さんと相談して、長門の企画に多少のアレンジを加えて、バースディ・パーティにかくなりきって訳だ。
- ハルヒ
- だいたい分かったけど、サプライズにする意味はどこにあんの?
- オヤジ
- 純粋に俺の趣味だ。だが、長門も喜んでたぞ。
- ハルヒ
- うー、こんなくだらないことにだけ、って有希の誕生日は全然くだらなくないけど、どうして手間暇惜しまないのよ!
- オヤジ
- 決まってるだろ、バカ娘。それがおれの生きがいだからだ。
〜おしまい〜
オヤジラジオ
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