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親父の英会話 Lesson 3

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haruhioyaji

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知る英語

オヤジ
日本人が英語だと、やたらと口にしたがるが、絶対に使っちゃいかんフレーズがある。
キョン
なんですか?
オヤジ
これだ。
I don't know. 知りません/わかりません。
 知ったかぶりするより、知らないと素直に表明するのが美徳だと考えてる連中もいる。逆にこういったらバカに見られるから慎めとか、いろいろ言う奴がいる。
が、おれに言わせると、この言葉は、相手と社会と世界に対して完全クローズのポーズを決めこむ事に等しい。ひきこもりイングリッシュだ。

オヤジ
人間、わからないことがあるのは当たり前だ。まして異文化に入った最初のうちは、分からん事だらけだろう。だから、I don't know.ってフレーズは必ず、しかも頻繁にアタマに浮かぶ。そんなときはこう置き換えろ。
What? なんだ? 
ここからバリエーションは広がる。が、最初はとにかくWhat?でいい。

オヤジ
見知らぬものを見たとき、相手が何いってるかわからん時、I don't know.と浮かんだら、とにかくWhat?だ。
これだけで、発言のターンは相手にまわる。攻守を入れかえるマジック・ワードだ。しかもこれを言われたら相手には説明責任が生じる。

オヤジ
世界で最初に和英辞典をつくったヘボンという医者は、「なんといいますか?」だけを繰り返すことで、辞書をつくった。What?はさっきのいい方で言えば、相手と社会と世界に対して「回線(ポート)を開くこと」、オープンな態度をとることだ。What?が口について自然に出てくるようになったら、
What's this? これは何だ?……モノの質問
What do you mean? おまえ、何が言いたいんだ?……コトバの質問
も使っていけ。

オヤジ
モノの質問も、ただ相手に「モノの名前」を言わせるだけじゃなく、さらにつっこめ。
What's this? こりゃなんだ?
What do you use it for? 何に使うんだ?
How do you use it? どうやって使うんだ?
When do you use it? いつ使うんだ?
Where do you use it? どこで使うんだ?
How do you spell it? その語はどんなスペルだ?
How do you pronounce it? その語の発音はどんなだ?
オヤジ
聞けば聞くほど、相手の説明は丁寧になり、覚えたくなるようなフレーズの山と化す。相手youを辞書にしちまうんだ。だから「おまえならどういう/どうするんだ?」という疑問文になっている。

オヤジ
相手の英語が速すぎて聞き落としたときも、
Please say again. もう一度言ってくれ。
なんていわなくていい。というかもう一度言ってもらっても多分わからんだろう。
一つ一つの英語の音がわかるのに、発音慣れしてるのに、「聞けない」のは、早口でついていけないというより、相手の話す分量が多すぎて、こっちのワーキング・メモリから溢れだしてるんだ。だから、
Please more slowly. もっとゆっくり頼む
といっても、解決しない。

オヤジ
ここでもWhat?だ。
What do you mean? おまえ、何が言いたいんだ?……コトバの質問

といえば、大抵は、まあ普通に気の効く相手なら、もっとコンパクトな表現に言い換えてくれる。
だらだら喋るのが好きなタイプなら、質問で、相手の話を、こっちが飲み込める大きさに刻んでいく手もある。
キョン
なんというか、親父さんらしいですね。
オヤジ
ちがう。会話は二人でやるもんだ。わからないなら、わからないなりに参加して協力し合って、会話をつくっていくんだ。そのためには、分からない方は、わからないなりの質問をする責任がある。I don't know.がダメなのは、最初から「二人で会話を作っていく」責任を放棄して、参加すらしようとしないからだ。

オヤジ
質問で、相手の話を、こっちが飲み込める大きさに刻んでいくには、たとえばこういう質問を使う。
What's your point? おまえの話の要点(ポイント)はなんだ?
What's the evidence? 根拠となる事実はなんだ?
What supports your words? なんでそんな事が言えるんだ(何がおまえの主張を支えてるのか)?

オヤジ
「主張って何て言ったっけ? claimだっけ」「発言はなんだっけ?」と迷ったら、とりあえず相手の言ったことなんだからyour wordsで構わん。こういう基本語はチェックしとくといいな。意味の幅が広くて、文脈ごとに相手が意味を汲み取ってくれる、日本人なら中学英語で習うような単語だ。習うのは最初の方だし、何度も出会うから知ってる気がするから辞書でも引かない。おまけに意味の幅が広いから辞書の説明は長いから、思わず読み飛ばす。この手の単語の項こそ熟読すべきだ。例文は全部暗記しろ。未知の事態に遭遇しても、この手の基本語を2〜3語組み合わせれば、なんとかしのげる。
いまの例ならwordとかpointとかだな。

オヤジ
慣れてきたら
What's your (second / last ) word? 2番目に/最後に何て言った?
What's "むにゃむにゃ".? 「むにゃむにゃ」(と聞こえてたのを口マネして)って何のことだ?
あと知らない言葉(新語や専門用語)が出てきたときは、
How do you spell it? その語はどんなスペルだ?
と聞け。英語は同じ発音でもスペルはいろいろだ。聞くのは変じゃない。だいたい名前なんてスペルを聞かなきゃわからんぞ。だからWhat's your name? と聞いて、スペルを聞かないのは、むしろ失礼なくらいだ。相手だって聞いてくるぞ。
スペルが分かったら、平気な顔で
How do you pronounce it? おまえさんはどう発音するんだ?
と聞いて、相手の発音を真似てみろ。違ってたら直してくれる。とくにガキは発音にうるさい(スペルは分かってないことも多いが)。現地のコトバに慣れる最上の方法は、幼稚園でバイトすることだという話もあるくらいだ。ちょっともののわかった姑なら、英語がいまいちの日本人妻を、そういうところに放りこむ。

オヤジ
「ナントカナントカ car」と聞こえたとする。その場合は、部分的にわかったところを、Whatをつけて返せ。
What car?  なんて車だって?
相手の手間もはぶけるし、こっちも何もわかっちゃいない訳じゃないことを示せる。
電話を書けてきて、ファースト・ネームしか名乗らん奴がいる。一応人間なんで、whatじゃなくwhoを使ってやれ。
This is Bill. ビルです。
Bill who? なんてビルだ?
Bill Brown. ビル・ブラウンだよ。
最初のうちは、とにかく知ってる単語だけを聞け。どっちにしろ、知らん単語は雑音にしか聞こえん。

親父の英会話 Lesson 4へつづく















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