ハルヒと親父 @ wiki
二人は暮らし始めました 7日目
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haruhioyaji
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- ハルヒ
- 昨日のちゃんこは、おいしかったわね。ついつい食べ過ぎたわ。
- キョン
- ヘルスメーター買っといてよかったな。
- ハルヒ
- む。あたしが重いっていうの?
- キョン
- いや、重くなかったぞ。
- ハルヒ
- あんたも別に重くなかったわ。
- キョン
- 体重の掛け方か?
- ハルヒ
- そんなもんなの? ところで、食べ過ぎると言えば、付き合い出した頃、あんたと焼き肉を食べに行ったわね。
- キョン
- ああ、食べ放題のやつな。
(付き合い出した頃)
- キョン
- こら、俺の皿に肉を勝手に入れるな。んぐお、口に突っ込むな。
- ハルヒ
- あんた、焼き肉の掟を全然理解してないようね。
- キョン
- なんだ、焼き肉の掟って?
- ハルヒ
- 焼く、そして食う、よ!
- キョン
- そのまんまだろ!
- ハルヒ
- うっさい。あんたみたいにちんたら食べてたら日が暮れちゃうわよ!
- キョン
- そのまえに制限時間が来るだろ。大体な、こんなもんはマイペースに食っても、腹一杯になって時間が余るんだよ。
- ハルヒ
- それは敗北主義よ! 満腹による戦線離脱は認めないわ!
- キョン
- 無理に戦うな! うまい肉を腹一杯食えた、それでいいだろ!
- ハルヒ
- 馬鹿言わないで! 肉の他にもエビとイカとホタテとクッパとビビンバは必ず食べるわ!
- キョン
- ナムルとキムチとユッケはどうすんだ?
- ハルヒ
- 食べるに決まってるでしょ!
(付き合い出した頃、の回想おわり)
- ハルヒ
- で、ちょっとは成長したんでしょうね?
- キョン
- どういうことだ?
- ハルヒ
- 焼き肉の何たるかを会得したのか、と聞いてるの。
- キョン
- 人の肉まで勝手に焼く奴が何をほざく?
- ハルヒ
- 時間と火がもったいないって言ってるの。CO2だって余計に出るのよ。地球に謝りなさい!
- キョン
- 笑止。制限時間は同じだし、その中でより多くの肉を焼いた方がCO2の排出量も当然多いだろうが。
- ハルヒ
- あくまで焼き肉スローフード説を譲らない気ね。
- キョン
- 少なくとも焼き肉ファストフード説に与する気にはならんな。
- ハルヒ
- あたしも、あんたの大抵の欠点は、理解できるか見過ごせるようになったわ。アバタもエクボって奴ね。多すぎる欠点をむしろ愛おしく思えるほどよ。でもね、あんたの焼き肉に対する姿勢だけは我慢ならないの!
- キョン
- おれも、おまえの短所を完膚なきまで許せる、いやそれどころか、それなしじゃ物足りない体になっちまったが、それだけにおまえの思い上がった焼き肉思想には虫酸が走るぞ!
- ハルヒ
- 話し合いで決着をつける気はなさそうね。
- キョン
- 何で勝負を決める?
- ハルヒ
- もちろん、焼き肉食い放題よ! 先に謝った方が負けだからね。
- キョン
- その自信、叩きつぶしてやる!
- ハルヒ
- その顔を、『泣きっ面に蜂』状態にしてあげるわ!
(そして焼き肉店にて)
- ハルヒ
- ほら、あんたの前のそれ。今、食べてあげないとかわいそうじゃないの!
- キョン
- おれは好きなものは、最後に食うタイプなんだよ!
- ハルヒ
- うそつき。最初から飛ばして、何度も『おかわり』するくせに。
- キョン
- 食い放題の話で、そういう話題はやめろ!
- ハルヒ
- いくら『食い放題』でもね、明日に差し支えがあるって言ってるの!
- キョン
- ちょっと待て。とにかく火から上げろ。炭を食う気か?
- ハルヒ
- あんたこそ、口を開けて待ってなさい! まどろっこしいのよ!
- キョン
- 待てったら! 焼き立てを直接投下はやけどの元だろ。
- ハルヒ
- ちゃんと、ふーふー、してあるわよ!
- キョン
- それじゃあ不公平だろ! ほら、おまえも口開けろ。
- ハルヒ
- なに、これ!? ゆずタレじゃない! どうしたのよ、こんなもの!
- キョン
- 俺の自家製だ。持参した。
- ハルヒ
- あんた、焼き肉真剣勝負に、なんてこと!
- キョン
- 勝負は勝負、肉は肉だ。
- ハルヒ
- キョン、見直したわ……ううん、惚れ直した!