ハルヒと親父 @ wiki

受験当日の二人

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haruhioyaji

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「ちょっとキョン、受験票は持ったの? ハンカチは? おやつは500円までよ!」
「こらこら、何を言ってる? おちつけって」
「落ち着いてなんかいられないわよ。ああもう! 代わりにあたしが受けるから、その受験票よこしなさい!」
「替え玉かよ! というか、おまえも一緒に受けるんだろうが」
「あたしがその気になれば、二人分くらいの働きは軽くこなすわよ!答案二枚がえしよ!」
「なあ、ハルヒ。出来の悪い生徒が心配なのはよーく分かる。だったら俺を信じなくたっていい。自分を信じろ。おまえが俺にしてくれたことを思い出せ。日本中のどの受験生だって、俺くらいみっちり勉強を見てもらった奴はいないぞ。俺が保証する」
「あ、あんたがそういうんなら、その、分かったわよ」
「ハルヒ、手を出せ」
「え?」
「手だよ、手」
「うん」
「ほら」
「なにこれ? 氷砂糖?」
「まあ頭のガソリンだ。脳関門を通るから迅速な脳のエネルギー補給にいいんだ。最近じゃブドウ糖のタブレットも売ってるが、ちょっと伝統的なのを持ってきた。あ、これは『おやつ』じゃないから500円の中には含まれないぞ」
「あ、ありがと」
「いつからだろうな、ちゃんと目を見て、ありがとう言ってくれるようになったな」
「あ、あたしは、感謝する心は人一倍持ってるわよ!」
「わかってるさ。感謝の心がでかすぎてうまく出せなかっただけだって。さて、いっちょ片付けてくるか」
「憎たらしいくらい落ち着いてるわね」
「誰かさんのおかげでな。それに結果がどうあれ、俺たちがやること、やりたいことは変わらないだろ?」
「まったく、誰かさんの能天気が、あたしにまで感染したみたいじゃないの。さあ、とっとと片付けて帰るわよ。こんなところで、いつまでもぐずぐずしてられないわ!」
「こんなところって、受かったら4年間通うんだろ?」
「ごちゃごちゃいわず、あたしに付いて来なさい!!」













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